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「この世の春」でも漏れる大物経産次官の嘆声

「若手官僚には日本をどうするかという問題意識がない」

2017年2月27日(月)

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 先週金曜に始まった「プレミアムフライデー」。毎月末の金曜をプレミアムフライデーと名付け、午後3時に仕事を終わらせることで、長時間労働の是正や消費喚起を図る試みだが、これを企画、立案したのは産業政策を司る経済産業省だ。

 日経ビジネス2月27日号特集「すべる経産省 舞台広がれど視野狭く」では、日本を動かしている黒幕・経産省の実態について詳述した。特集タイトルの「すべる」には二重の意味がある。

 内閣官房や内閣府を中心に他省庁へ数百人規模で人材を送り込む経産省。安倍晋三首相の側近にも同省幹部が仕えるなど、実質的に日本を「統(す)べる」存在といっても過言ではない。一方で、鳴り物入りで打ち上げた政策が大きな成果にはつながらず、「スベる」ことも少なくない。

 「統べる」のに「スベる」。そんなアンビバレンツな状況に陥った原因は何か。就任から2年目を迎えた経産省の大物事務次官、菅原郁郎氏はその原因が「官僚の視野狭窄」にあると説く。どういうことだろうか。

「僕たちが若い頃とは随分変わった」と話す菅原事務次官(撮影:的野 弘路)

 菅原氏は2015年7月の次官就任以降、課長補佐クラスまでの20代後半~40代前半の若手・中堅官僚たちと、次官室で酒を飲みながらざっくばらんに話をする機会を設けた。事務方トップである次官が若手と直接膝を交えるのは極めてまれなこと。毎週金曜に5、6人ずつ呼び出す形で、会の出席者は延べ100人を超えた。そこで菅原氏は危機感を持つようになる。

 「彼らが極めて狭い視野で経産省のミッションを勝手に自分たちで限っていたことに危機感を覚えた。およそ経産省たるものこうあるべきだというものすごい思い込みがあったんです」

 菅原氏が経産省に入省したのは1981年。その頃とは若手官僚の考え方が随分変わったという印象を抱いたのだという。

 「僕なんかはどうやって育ってきたかというと、もちろん経産省にいるけど、経産省としての行政ツールを駆使するけど、とどのつまりはやっぱり日本をどうするかという問題意識があった。それは僕らの世代にはあって、だから若い時から社会保障にも関心があるし、あとは外務省マターの安全保障とか財務省管轄の財政とかにも興味を持ち、徹底的に勉強しました」

「経産省=日本」の意識

 「オールジャパンのためにどうするかという問題意識を持っている官僚はいわゆる部長級以上がメーンなんですよ。まだ経産省が非常に元気だった時代を知っている世代。でも僕を含めて彼らは抜けていく。そうすると当然ながら今の20~40代が経産省を支えていかないといけません」

 「これは自信過剰に聞こえるかもしれませんが、経産省を支えるというのはイコール、日本を支えるということなんですよ。今、なんやかんや言っても僕らがやっているけど、これからは若手たちに日本を担ってもらわないといけない。日本の経済社会の発展のために彼らのエネルギーをぶつける、そんな道筋をつけるのは、トップとしての重大な役割だと考えています」

 菅原氏の言葉は「昔は良かった」という懐古主義の色合いが強いように聞こえるかもしれない。でも、それだけではない。

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「「この世の春」でも漏れる大物経産次官の嘆声」の著者

林 英樹

林 英樹(はやし・えいき)

日経ビジネス記者

大阪生まれ。神戸大学法学部卒業後、全国紙の社会部記者として京都・大阪で事件を取材。2009年末に日本経済新聞社に入り、経済部で中央省庁担当、企業報道部でメディア・ネット、素材・化学業界などを担当。14年3月から日経BP社(日経ビジネス編集部)に出向し、製造業全般を取材している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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