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パリ協定で排出量取引や炭素税が始まる?

温暖化対策がビジネスに及ぼす影響を弁護士が徹底解説

  • 佐藤 長英=西村あさひ法律事務所・弁護士

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2017年7月31日(月)

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 「米国と米国民を守るという厳粛な責務を果たすため、パリ協定を離脱する」――。6月2日、トランプ米大統領は宣言しました。京都議定書に続き、再び米国がグローバルでの温暖化対策の枠組みから、離れようとしています。

 他方、日本はパリ協定を批准し、「2050年度80%削減」という壮大な目標を掲げています。目標の達成は非常に難しいのが実情です。「排出量取引制度や炭素税が今度こそ導入されるのではないか」。そんな声も聞こえてきます。パリ協定がビジネスに及ぼす影響を西村あさひ法律事務所の佐藤長英弁護士に解説していただきます。

【質問1】米国がパリ協定から離脱しても、日本はパリ協定に参加するのですか。もしそうだとしたら、パリ協定の目標達成のために、何をすることになるのでしょうか。

【回答1】まず、パリ協定と日本の目標に関する大前提から、お話しましょう。

 パリ協定を批准した国は、2020年までに「長期低排出発展戦略」を作成し、国連に提出しなければなりません。そこで日本は、2016年5月に「地球温暖化対策計画」を閣議決定しました。この中に、温室効果ガスの削減目標として、「2030年度に2013年度比26%削減」という中期目標と、「2050年度に2013年度比80%削減」という長期目標を掲げています。

 閣議決定を受けて、経済産業省は具体的な対策を検討する「長期地球温暖化対策プラットフォーム」を立ち上げました。2017年4月に取りまとめた報告書こそが、現時点での日本の温暖化対策の具体策や方向性を示した最新版です。

 トランプ大統領はパリ協定からの離脱を宣言しましたが、米国が本当に離脱するのかは、現時点では不透明です。また、米国の動向にかかわらず、日本はパリ協定を迅速に実施すべきという立場を取っています。この点に関しては、今年5月のイタリアG7サミットの首脳コミュニケで方針を明確にしています。

2030年目標は積み上げ、ところが2050年は…

 2030年26%削減の中期目標は、既存の技術や施策の積み上げから策定された削減目標とあります。つまり、目標達成への筋道はある程度、見えています。

 ですが、2050年度80%削減は、次元の違う話です。温室効果ガスの排出量を2013年度の約14億トンから、2050年度に約2.8億トンまで減らすことを意味します。報告書は、「既存技術の積み上げや、現行の産業部門別の取組みだけでは実現困難」と記しています。

2050年度80%削減は次元の違う話だ
日本の温室効果ガス排出量と目標値
[画像のクリックで拡大表示]

 目標達成のために、まず電力は100%の非化石化が条件です。ゼロエミッション電源である再生可能エネルギーや原子力を増やし、残る火力発電はCO2回収・貯留によって排出量をゼロにしなければなりません。

 さらに、産業部門以外の全部門でゼロエミッション化をすすめます。最終的には2~3の産業部門と農業部門を除いて、排出量をゼロにしなければなりません。80%削減は、「温暖化対策と経済の両立」とは程遠いというのが実情なのです。

 正直なところ、国内の排出量を80%減らすのは、不可能に近いと言わざるを得ません。このため経産省の報告書には、「80%削減はあくまで目指すべきビジョン」であると明記されています。

 経産省が指向するのは、国内に閉じた考え方ではなく、地球全体の排出量削減に寄与することで、日本の目標を達成しようというものです。例えば、「二国間クレジット(JCM)制度」を応用し、国際貢献によって他国での排出削減を進め、その削減分をクレジットとして、日本の削減に引き当てるといった方法を提案しています。

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