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資源大手を“改心”させた公取委の本気

日本を悩ませるLNG転売禁止条項に「待った」

  • 山根 小雪=日経エネルギーNext

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2017年9月13日(水)

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 世界最大のLNG(液化天然ガス)消費国、日本。かねてオイルメジャーや産ガス国はLNGの売り主として、日本を“お得意様”にしてきた。そうした資源大手が商習慣を改めようとしている。

 「公正取引委員会が報告書を公表したのを境に、売り主に変化が見える。リーガルの威力は凄い」。JERA販売・調達・燃料事業本部 販売・調達部長の佐藤裕紀執行役員は驚きを隠さない。公取委が6月28日に公表したある報告書が、オイルメジャーや産ガス国に大きなインパクトを与えているという。

 その報告書は、「液化天然ガスの取引実態に関する調査について」というもの。LNG取引で売り手企業が買い手の転売を制限する契約などについて、独占禁止法違反のおそれがあるとした。

 今回、公取委が指摘したのは、主に3点。第1が「仕向地条項」と呼ばれる契約手法である。LNGの売り手が買い手に対し、LNG船の輸送先となるLNG基地(仕向地)をあらかじめ指定し、仕向地の変更を認めないというものだ。例えば、買い手が需要減などによってLNGを余らせてしまっても転売できない。

 LNG取引には、LNGの引き渡し場所によって「FOB条件」と「DES条件」という2方式がある。FOBは輸出国の船積港でLNGを引き渡す方法で、輸送責任や所有権は船積港で売り主から買い主に移転している。このため、仕向地条項を設定すること自体が独禁法違反のおそれがあるとした。

 DESは日本の仕向港まで所有権などが買い主に移転しないため、仕向地条項の規定が、ただちに独禁法上の問題となるわけではない。だが、合理的な理由なく転売を拒否したりするのは問題だとした。

 第2の指摘が「利益分配条項」である。買い主がLNGを転売した場合に、買い主が得た利益の一部を売り主に分配することを義務付ける条項で、事実上、日本の買い主の再販売を制限してきた。公取委は、FOBにおける利益分配条項は独禁法上問題となるおそれが強いとした。DESにおいては、合理的でない利益分配や買い主の利益構造やコスト構造の開示を要求することにより転売を妨げる場合は、独禁法上問題となるおそれがあるとした。

コメント2件コメント/レビュー

これは大きな成果で 何故変更が出来たか 世の中にもっと大きく報道すべきである。 日本の天然ガスが何故国際的に高いのかを 切実に我が事として取り組んだ成果であろう。
戦後 李承晩ライン等敗戦国として 理不尽な国際ルールに縛られることが多かったが、この時期まで放置されてきたのは 関係者の努力不足である。
輸入LNGが高くても、全部売値に転嫁できる電力市場の構造が問題であった。
日本はお役所の権限が大きく、お上任せの感覚が強い。自主独立は防衛に限らず、我が事と考えれば当然の事。(2017/10/11 12:56)

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いただいたコメント

これは大きな成果で 何故変更が出来たか 世の中にもっと大きく報道すべきである。 日本の天然ガスが何故国際的に高いのかを 切実に我が事として取り組んだ成果であろう。
戦後 李承晩ライン等敗戦国として 理不尽な国際ルールに縛られることが多かったが、この時期まで放置されてきたのは 関係者の努力不足である。
輸入LNGが高くても、全部売値に転嫁できる電力市場の構造が問題であった。
日本はお役所の権限が大きく、お上任せの感覚が強い。自主独立は防衛に限らず、我が事と考えれば当然の事。(2017/10/11 12:56)

世界最大のLNG輸入国である日本が、何故輸出国との間の取引契約でバイヤーに不利な条項を外せないのか?それはLNGを「欲しい」が先に立つからだ。Buying powerと言うのは購入量が多い事が前提となるのに、日本はその事が逆に「弱味」になっている様に見えてしまう。国際交渉が下手だと言える。国外育ちでバイリンガルの日本人も大分増えたはずだが、彼等はネゴシエーションを学校ですら学んでいないのではないか?私が30代の時に英語もやっと会話できる程度で家族を引き連れて米国駐在の仕事でニューヨークの郊外に赴任した時、上の子が小学校に通ったが「学校で発表会がある」と言うので子供が資料を作っていた。話を聞いたら、全員が交代で自分で決めた題で発表を行い、その後質疑があると言うではないか。これが小学校低学年の話なので驚いた事を覚えている。当時、日本の小・中学生の学力は世界のトップクラスで、アメリカなどよりもずっと高い位置につけていた。けれども、一人で大勢の前でプレゼンテーションを行い、質問に応えると言う能力はアメリカのそれのはるか後方であったろう。その時に思ったのは、アメリカでは学習能力以上に他をリードする力や交渉能力を重視しているのだと強く感じたものだ。子供の頃から説得や交渉の訓練を重ねていれば付け焼き刃とは違った力を発揮する。私自身外資系の会社で働いていて、各国からの代表が集う会議にも数多く参加したが、ヨーロッパの人間もアメリカに負けず劣らず議論では負けない。中身が空っぽみたいな人が自分の立場を実力以上に訴えていたと感じたものだ。日本は「長い物には巻かれろ」とか「残り物には福がある」とか言って、自己を主張する事が「悪」であるかの様な教育や習慣によって過去に多くの損をしてきた。エネルギー源については政府も産油国で採掘権が競売にかけられると参加企業を支援したりして「自前」のエネルギー源を確保する努力はしてきたが、それ以上に必要なのが交渉力だと気付いても良いと思う。それをバックアップするのは、国外に一切依存しない純国産エネルギーの開発だ。天然ガスや原油などのエネルギー天然資源がない以上、地熱や水力、風力、太陽光などを最大限増やすしかないが、現時点では全く足りない。根本的に「エネルギー安全保障」に関して日本全体が淡白であり過ぎる。(2017/09/13 11:01)

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