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ヤマトHD社長「離反する顧客がいても仕方ない」

運賃改定と働き方改革への覚悟を、山内雅喜社長に聞く

2017年5月29日(月)

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 ヤマトホールディングス(HD)のビジネスモデルが岐路に立っている。アマゾンジャパンなどネット通販の普及で荷物が急増し、現場はサービス残業が常態化していた。ヤマト経営陣は混乱の主因として「想定を超えるネット通販の急増」「人手不足」「社会保険など社会制度の変更」などを挙げる。
 だが、外部環境の変化だけに原因を求めると、宅配危機は再発する恐れがある。そこで2017年5月29日号特集「ヤマトの誤算」では、経営の課題について検証した。なぜ、このような事態になってしまったのか。ヤマトHDの山内雅喜社長に話を聞いた。

宅配現場の混乱を受け、27年ぶりに宅急便の基本運賃の値上げを発表しました。これまで基本運賃を変えてこなかったのはなぜでしょうか。

山内雅喜社長(以下、山内):確かに前回、値上げした時と比べると、宅急便以外のインフラでは基本料金がガスや水道で約30%、都バスで約30%、タクシーでは40%近くも上昇しています。

山内雅喜(やまうち・まさき)氏 1984年ヤマト運輸入社。2005年、同社執行役員。2008年、ヤマトロジスティクス社長。2011年、ヤマト運輸社長。2015年にヤマトホールディングス社長に就任

 一方、当社の場合は、いろいろと事業領域を拡大してお客様へのサービス内容を向上させながら、生産性や効率が上がるような仕組みを取り入れることによって、何とか(コスト上昇を)吸収してきした。それによって皆様が使いやすい形で、世の中に(宅配便の)市場が広がり、生活に欠かせないインフラになってきたと思っています。そうした様々な努力をしてきたのが、これまでの経緯です。

 集配の仕方一つ取っても、従来はセールスドライバー1人が1つのエリアを担当していました。そこに「チーム集配」という形を取り入れ、アシストさんと呼ばれる地域のパートの方々とセールスドライバーが協力して、効率を上げてきました。朝の作業をアシストさんに切り分けて、セールスドライバーがよりお客様と接する時間に集中できるような体制にしたり、あるいは宅急便のネットワークなどを整備して効率を上げたり、あらゆる努力をしてきました。

 けれども、ここにきてそれを上回るいろいろな社会的変化がありました。例えば外形標準課税の増税や、社会保険の適用範囲拡大による費用増加などの変化です。これらによって、労働力が徐々にひっ迫してきたわけです。我々も変化を見据えて体制を整えながら事業に取り組んできたのですが、変化のスピードが想定を超えていました。物量も想定を上回ってしまい、従来型の努力によるコストの吸収だけでは対応が難しい状況になってしまいました。

 やはり一番大事なのは、これからも社会のインフラとして、世のため人のためになるサービスを提供し続けることだと思っています。お客様に信頼して使っていただけるサービスを、これからも提供し続けていきたい。

 そのために、少し将来を見据えて今、ここで運賃の改定を決断させていただいたのです。これからも時代に合わせて、良いサービスを提供し続けるための一つの施策として、運賃の改定もさせていただいたということです。それがたまたま、27年ぶりでした。

連結営業利益は2006年3月期に600億円台に乗せてから横ばいの状況が続いています。運賃が適正であれば、宅急便の取扱個数が増えると同時に営業利益も伸びていったのではないかと思うのですが、なぜ、伸びないのでしょうか。

山内:大口顧客に対する運賃の割引率の問題もありますが、ネット通販は特に不在率が高かったり、どうしても夜間に配達する荷物が多かったり、これまでの宅急便とはちょっと違う特性を持っています。荷物が全体で増える中で、ネット通販の領域だけが特に伸びが大きかったがゆえに、その部分での負担がより大きくなってしまいました。結果的に、想定していたところまで(ネット通販の荷物が)利益に貢献しませんでした。

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「ヤマトHD社長「離反する顧客がいても仕方ない」」の著者

大西 孝弘

大西 孝弘(おおにし・たかひろ)

日経ビジネス記者

1976年横浜市生まれ。「日経エコロジー」「日経ビジネス」で自動車など製造業、ゴミ、資源、エネルギー関連を取材。2011年から日本経済新聞証券部で化学と通信業界を担当。2016年10月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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