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男性必読!貴兄が母親に辛く当たってしまう理由

「となりのかいご」代表理事・川内 潤さん(その3)

2018年3月20日(火)

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 『母さん、ごめん。』の著者、松浦晋也さんと、NPO法人「となりのかいご」の代表理事、川内潤さんが、松浦さんがお母さんを介護した現場である、ご自宅で「会社員の息子が母親を介護する」ことについて、語り合います。最近、自分の母親についきつく当たってしまいがちな担当編集者のYも絡みます。

Y:うちの母親は今のところ認知症ではないようなのですけれど、年齢なりの老化で、ちょっとしたことが覚えておけなくなっているんです。でも、それ以上に自分が驚いているのは、自分自身の母への態度なんです。

川内:といいますと?

なぜ母親に辛く当たってしまうのか

Y:自分でいうのもなんですが、普通にいい息子だったはずが「母親に対して、何でこんなに攻撃的になるんだろう」と。そう思うことが、特にこの2~3年ぐらいよくあって。「俺って何て非人間的な、親不孝な人間なんだろう」ぐらいに思えてくるんですよ。

川内:ああ、なるほど……。

Y:自分の息子から「母さんは出来て当然のことが出来ていない」と言われたら、すごく傷つくだろうな、ということは頭の中では分かっていて、「おい、やめておけ」と思ってもいるのに、「だからさっき言ったでしょう!」みたいな感じのことを言っちゃって、母はしゅんとなっちゃうし、こっちもこっちでへこむ。実に不毛です。

松浦:自分も、正直に言って母への態度はかなり強かったと思います。「もうこういうことをやらんでくれ」とか、「何でこういうことをするんですか」みたいな。

川内:すみません、松浦さんはもともと、お母様に対しては敬語で話しかけをする感じなんですか。

松浦:そうでもないですけれども、怒ると敬語になっちゃうみたいなところはありますね。

川内:なるほど。ではお母さんにとってはその言葉で「あ、息子は怒っているな」というのは相当感じられる。

松浦:そうですね。そうすると本人は本当にしゅんとして介護ベッドに座っているという。とはいえ、すぐに忘れちゃうけれど。

川内:ですよね。それで言い合いになるみたいなことはなかったんですか。

松浦:ありました。

川内:例えばお母様からどんな声が返ってくるんですか。

松浦:「私はできるんだからやるんだ」です。「今まで何年この台所を使ってきたと思っているんだ」という話を持ってくる。それに対して「でも、実際にできていないじゃないですか」みたいな話で言い返すわけです。

川内:これは大学の授業で習った話ですが、心理学的に、男性にとっては「母」というものが、ある意味自分の一部であり、かつ、いつでも帰れる安全な基地としていつまでも感じられている。たとえ、母親が高齢になっても自分にとってそういう存在である、とまで言われている。

Y:へえ……。

川内 潤(かわうち・じゅん)
1980年生まれ。老人ホーム紹介事業、外資系コンサル会社、在宅・施設介護職員を経て、2008年に市民団体「となりのかいご」設立。2014年に「となりのかいご」をNPO法人化、代表理事に就任。ミッションは「家族を大切に思い一生懸命介護するからこそ虐待してしまうプロセスを断ち切る」こと。誰もが自然に家族の介護に向かうことができる社会の実現を目指し、日々奮闘中。

コメント13件コメント/レビュー

参考にするかしないかは本人次第とは思いますが、
私もそろそろ親の介護を迎える歳になりいろいろ考えさせられています。
唯一の救いは姉が義理親の介護を経験しているので、相談できる事ですが、
いろんな話を読んで聞いて、自分なりにこうすればいいかなと思って姉に
提案すると全く的外れであったりと、非常に難しい問題だなと思ってます。

>要介護者に辛くあたる理由は
>介護をしてもらわなければ生きていけないのに
>自分でできるような態度と感謝のなさ
>被害者意識をもたれることにつきると感じています。

まだ介護は始まっていませんが、既に同じ内容を何度も繰り返す親との会話
に自分がイラッとしていることがあり、これに上記が加わったら正直怖いなぁ
と感じています。(2018/03/22 10:19)

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「男性必読!貴兄が母親に辛く当たってしまう理由」の著者

松浦 晋也

松浦 晋也(まつうら・しんや)

ノンフィクション作家

科学技術ジャーナリスト。宇宙開発、コンピューター・通信、交通論などの分野で取材・執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

参考にするかしないかは本人次第とは思いますが、
私もそろそろ親の介護を迎える歳になりいろいろ考えさせられています。
唯一の救いは姉が義理親の介護を経験しているので、相談できる事ですが、
いろんな話を読んで聞いて、自分なりにこうすればいいかなと思って姉に
提案すると全く的外れであったりと、非常に難しい問題だなと思ってます。

>要介護者に辛くあたる理由は
>介護をしてもらわなければ生きていけないのに
>自分でできるような態度と感謝のなさ
>被害者意識をもたれることにつきると感じています。

まだ介護は始まっていませんが、既に同じ内容を何度も繰り返す親との会話
に自分がイラッとしていることがあり、これに上記が加わったら正直怖いなぁ
と感じています。(2018/03/22 10:19)

「簡単なことが理解出来ない、やってみれば簡単なのに何かと理由をつけてやろうとしないことに内心でイラついてしま」うという方へ。

あなたを含め、多くの人間が、年を取ると「新しいことを覚えられな」くなってきます。
イラついたって仕方がない。
松浦さんの「母さんごめん」は読まれましたか?
今、殴られたことを、ケンカが終わる前に忘れてしまうんですよ?
全自動洗濯機の動かし方、「スタートボタンを押せばよい」、簡単なことですよね。
あなたにとっては、「やってみれば簡単」なのでしょう。
しかしながら、ものを覚える脳機能が低下した高齢者にとっては、とてつもなくハードルが高い。
『スタートボタンを押せばよい』ことと『スタートボタンの位置』を覚えることが、ものすごく困難になるのが、年を取るということです。(2018/03/22 08:12)

貴重な記事だと思いますよ。
自分の力だけではどうしようもない困難なことは誰でも訪れることでしょうから。(2018/03/20 21:04)

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