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担当が『母さん、ごめん。』読んで帰省してみた

番外編01:母の家にやっぱり未開封の通販の箱

2017年8月21日(月)

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 連載開始から大きな反響をいただき、単行本化(『母さん、ごめん。50代独身男の介護奮闘記』)させていただいた「介護生活敗戦記」。連載と書籍化を担当させていただいた編集者のYと申します。よろしくお願い申し上げます。

 この連載は皆様から「あまりにリアルすぎて読むのが辛い、でも読んでしまう」というコメントをたくさん頂戴しました。

 それは、担当の私にも同じこと。

 実は、東京から300kmほど離れた街に独り暮らしの母がおりまして、偶然ですが、松浦さんが御母様の認知症に気づかれたのと同じ歳(80歳)なのです。

 松浦さんから、御母様の介護が一段落した段階で初めてご事情をきちんと伺い「これから生活を立て直すためにバリバリ書かないと。どうしようか」とご相談を受け「じゃあ、ぜひ、介護実録を!」とお願いしたときに、私の脳裏にあったのは、「映画や音楽のブログで知っていた松浦さんの文才が、これでNBOでも存分に発揮してもらえる!」という編集者としての職業意識と、「こりゃあ自分にとってもすごく参考になりそうだ」という、私利私欲の2つでした。

 そして5月の連載開始以来、読者の皆様より一足先に松浦さんの原稿に目を通させていただくようになったわけですが…怖い! 痛い! 独り暮らしをさせている分、母がやりそうな点が多すぎて顔が引きつること再三でした。

 …これは、この仕事が一段落したら、ぜひともこの目で故郷の母の様子を見に行かねばなるまい。まさしく松浦さんの言うとおり、私は帰省するタイミングを少しずつ間遠にしていました。それは「事実を認めない」から始まった私の介護敗戦のまさしく第一歩。連載を担当していて、松浦さんの血を吐くような教えを生かせなかったとあっては、恥ずかしすぎます。
 というわけで、7月下旬のある日、わたしは故郷のN市へ向かう高速バスに乗り込んだのでした。

本連載、ついに単行本化。
五つ星レビューを続々といただきました。

 お待たせいたしました。ご愛読いただいている「介護生活敗戦記」が『母さん、ごめん。 50代独身男の介護奮闘記』が単行本になりました。

 非常に実践的(なんせ、著者自身のPDCAの塊ですから)、かつ、ノンフィクションならではの迫力で一気に読める本です。担当編集者の私もそうですが、老いていく親を気遣いつつ、日々の生活に取り紛れてしまい、それでもどこかで心配している方は、「いざというとき」を恐れつつ、いわゆるハウツー本を読む気にはなりにくい、読んでもリアリティがなくて、頭に入りにくいのではないでしょうか。

 この本は、老いた親を持つビジネスパーソンが、いざ介護となったときに態勢を構築するための、リーダビリティと実用度を併せ持っていると思います。今回恥ずかしながらご紹介しますように、この本を校了してから私自身が田舎に帰省して、さっそく活用できました。

 そして、まとめて最後まで読むと、この本が原題とは大きく改題された理由もお分かりいただけるのではないでしょうか。単なる介護のハウツーを語った本ではない、という実感があったからこそ、ややセンチな題となりました。

 どうぞお手にとって改めてご覧下さい。夕暮れの鉄橋を渡る電車が目印です。よろしくお願い申し上げます。(担当編集Y)

---読者の皆様からのコメント(その5)---

その名は「通販」。認知症介護の予想外の敵」へ、いただいたコメントの一部をご紹介します。

●今度、両方の実家にて確認してみます。
両方とも今のところ利用は生協のみですが、この先、わかりません。
妻や兄弟とも共有したいと思います。

●欲しいと思ったら僅か数ステップで買えてしまう。特に、Amazonのサジェスト機能とか、私が認知症になったら、一体どれだけの注文をしてしまうのだろうと思うと真剣に怖くなる。

●全く同じ経験をしたので、今となっては大笑いしながら読みました。使い切れない、使い方を読んでもわからなくて使えない様々な美容関連と健康関連の通販。すでに新聞購読はやめていたので、通販を放送するTVチャンネルを深夜ひそかに視聴できないように設定、確実に不要なものは解約しました。それでも母が亡くなった後もDMが続々と送られてきて、完全に個人情報も削除するように何箇所にも電話をかけて依頼しました。通販側に責任はないとはいえ、高齢者の購入には配慮いただきたい気持ち、自分が認知にならない限り、通販は利用しません。

●今後しばらくは、電話申し込み型の定期購入商品が増え続けるのは間違いないと思います。それだけではないです。知人の祖父は、認知症を狙った訪問販売にだまされ、すべてを失ったようです。この詐欺は、昔から存在していますが一切対応されていません。詐欺に適切な形で対策してこなかった世代が今度は自分がカモになるという皮肉な結果。

●アルツハイマーの母を6年間介護して看取りました。法制度の改善を待ってられないので、できることは工夫をして乗り切るしかありません。たとえば絶対必要な連絡先を短縮ボタンに登録して、残りのボタンは瞬間接着剤で固定してしまいます(ちゃんと使える子機を1台保管しておけば、電話としての機能も無駄になりません)。
短縮ボタンの1番は「注文用」と教えておき、あなたのところにかかるようにしておきます。電話があったらオペレータのふりをして話を聞いてあげて「それではお届けします。ご注文ありがとうございました」と返事します。「その声、晋也さんじゃないの?」とか疑われたら、「それはどなたですか」「ご子息ですか」「奇遇ですね。私の名前もシンヤです」とか調子を合わせてあげましょう。話し相手になってあげれば精神状態が安定しますし、思いがけない情報が得られたりします。

●うちはクレジットカードです。父はクレジットカードが大嫌いで一枚も持ったことはありませんでした。それが、スーパーの店頭で誘われ、ティッシュのオマケに釣られて、カードの申込みをしたのです。本人曰く「現金を使わず支払いが出来ていいじゃないか」。申込みを取り消すため、スーパーへ。店員によれば年金受給者はちゃんとした収入源があるからいいって…。認知症ってこともあるので、お気を付け遊ばせ!っとやや憎々しげにティッシュはお返ししたものの、カードの申込みはクーリングオフ出来ず、審査で落ちるか、解約するしかないようです。まあ、まだ実害はないのだけれど。家に帰ったら、お腹に巻いてブルブルすれば痩せるというベルトが梱包も解かれずにあるのが目につきました。ウチの奮闘はまだ始まったばかりです。

●我が家は2世帯住宅。最近不安になってチェックすると、買ったけど使わない健康器具が数点。それと冷蔵庫の中が食べきれないほどの量の納豆(笑)それも大半が賞味期限切れ。冷蔵庫の中の半分以上が納豆で満たされ・・・・どんだけ納豆が好きなんだよ!

●認知症の気がある独居の祖父を持つ者ですが全く同じ苦労をしています。消費しきれない量の健康食品や美容品やカニが次々届くのですが、本人は前日の電話の内容すら覚えておらず、購入を承諾したのか送りつけ商法なのかもはっきりしません。人を疑うことを知らない性格な上にお金の心配が無い境遇のため、通販業者の言うことをすぐに信じて買ってしまうようで、悪徳通販業者の良いカモにされているのですが本人にはその自覚が無く、うんざりしています。見るに見兼ねて迷惑電話の自動遮断とログ取りをしてくれる機器を設置したのですが、それでも悪徳業者は次々と電話番号を変えてかけてくるので防ぎきれず、祖父の家に行って新しい小包を見つける度に敗北感と無力さを感じます。最近では電話番号を変えるしか打つ手が無いかと思い始めています。

●通販だけではありません。私の父は株式投資をやっていて、リタイア後も経済誌を熱心に読んでました。それが母からの相談でどうやら証券会社から父に頻繁に電話がかかってくるけれど良いのかと。調べてみると、証券会社営業マンのハメ込み先となって、リスク商品を買わされていました。認知症というわけでもなく、本人のプライドもあって新たな投資を止めさせるのが精一杯でしたが、あのまま続けていれば老後の生活資金を吸い上げられていたと今思い返しても冷や汗が出ます。私自身、父の二の舞とならぬよう、資産やネット情報を一つにまとめて万が一の時に家族が介入できるよう準備しています。

(連載にいただいたコメントから引用させていただきました。本当に、ありがとうございます)

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「担当が『母さん、ごめん。』読んで帰省してみた」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師