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介護の相談でうっすら感じた「業界用語の壁」

番外編02:地域包括支援センターに行ってみた

2017年8月22日(火)

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(前回はこちらから)

(※写真はイメージです)

 松浦晋也さんの「介護生活敗戦記」と、単行本『母さん、ごめん。』の編集を担当した私、Yは、本の校了を待って、故郷N市に帰省しました。松浦さんの「介護生活」が始まったのはご母堂が80歳の時。奇しくも同い年の私の母が、N市に一人で暮らしているのです。

 連載を担当し、本でそれを再読するにつけ「私も母の現実を見る日を一日延ばしにしている。これでは、同じ敗戦コースをたどってしまうのでは」と、矢も盾もたまらなくなったのでした。

 ただ、これも松浦さんの本にあるとおり、一緒に暮らしていても異常に気がつくのは案外難しいもの。増して、私のように年に数回会う程度ではなおのことです。しかし、どこを見るか、何に注意するかを予め知っていれば、気づくのが非常に楽になる。委細は前回書いたとおりですが、いくつも「ん?」と思う点がありました。認知症にストレートにつながるものなのかどうかは分かりませんが、母がいま抱えている問題点に気づくことができた。これは連載を担当した者の“役得”だったかもしれません。

 さて、翌日。
 仕事の都合で午後には帰りのバスに乗らねばなりません。
 その前に、ネットで調べておいた、母の家を管轄に置く「地域包括支援センター」に行ってみようと思っていました。

 地域包括支援センターは、連載の「『ん? ひょっとして認知症?』と思ったら」に出てきます。家族だけの介護が行き詰まった松浦さんが、「私の失敗は、すぐに地域包括支援センターに相談することなく、ずるずると母の認知症の症状悪化に巻き込まれたところにあった。」と、自らの“敗因”を分析する回に登場します。

メディアからも取材依頼が次々と。
五つ星レビューも続々。本当にありがとうございます。

 お待たせいたしました。ご愛読いただいている「介護生活敗戦記」が『母さん、ごめん。 50代独身男の介護奮闘記』が単行本になりました。

 非常に実践的(なんせ、著者自身のPDCAの塊ですから)、かつ、ノンフィクションならではの迫力で一気に読める本です。担当編集者の私もそうですが、老いていく親を気遣いつつ、日々の生活に取り紛れてしまい、それでもどこかで心配している方は、「いざというとき」を恐れつつ、いわゆるハウツー本を読む気にはなりにくい、読んでもリアリティがなくて、頭に入りにくいのではないでしょうか。

 この本は、老いた親を持つビジネスパーソンが、いざ介護となったときに態勢を構築するための、リーダビリティと実用度を併せ持っていると思います。今回恥ずかしながらご紹介しますように、この本を校了してから私自身が田舎に帰省して、さっそく活用できました。

 そして、まとめて最後まで読むと、この本が原題とは大きく改題された理由もお分かりいただけるのではないでしょうか。単なる介護のハウツーを語った本ではない、という実感があったからこそ、ややセンチな題となりました。

 どうぞお手にとって改めてご覧下さい。夕暮れの鉄橋を渡る電車が目印です。よろしくお願い申し上げます。(担当編集Y)

---------読者の皆様からのコメント(その6)---------

『ん? ひょっとして認知症?』と思ったら」へ、いただいたコメントの一部をご紹介します。

●「地域包括支援センター」のキーワードをこの記事で紹介してくださり、良かったと思います。なにか起こる前から、実際に家族も本人も困る前からコンタクトして行政に把握してもらう、というのをもっと周知してもらいたいと思います。

まさに私の実家の両親がこれで、友人から「地域包括支援センター」のキーワードを聞いていたので、本当に助かりました。とはいえ、うちも実際に相談したのは、幸い大事なかったですが、夜間に救急車出動してもらって入院となった時でした。「なにか起こったり困る前から連絡をとって置くと良い」「こういう老人がいる。今は元気だが年齢と状況はこう」という事を把握してもらって、なにかあった場合にはどうすればいいか、の時に相談しやすくするのがいいと、だいぶ遅れて利用した友人に言われてました。

まだ健康で働いていても、地域包括支援センターの方に把握してもらって、使えるサービスも紹介してもらえるし、ホントに事前に連絡して損はないです。自治体との協力で指定病院と連絡とれるようになっていて、めんどくさい書類手続きも運びも手伝ってくださいます。(わが自治体の場合)

信頼関係を築くのはとても時間かかるし難しいので、事前に行政の担当者の方と信頼関係を作るのは重要です。そして彼らはその仕事のプロなので、寄り添って相談に載ってくれて、家族がいらいらしがちな年寄りの話を聞いてくれて、間に立ってくれるのがうまい。子供には言わない隠している「家の使い勝手のちょっとした困ったこと=あちこちの故障」もうまく相談にのって聞き出すなど、間に入ってサポートしてくれる。

両親はだ働いているので「まだ大丈夫、必要ない」と「御世話になる」=相談することを拒否してましたが、今ではすっかり慣れ、うまく利用させていただいており、助かってます。

●この記事の内容を、家族、親戚、友人などに広く知ってもらいたいと強く思っています。

●今後も介護実録を掲載していただきたい。多くの人が知識を得て事前に準備をしていくべきだ。

●経験者の言葉は重みがあります。タイトルが「介護生活敗戦記」ですが、もし一連の記事を参考にして今後の介護生活に臨む人がいるのなら、それだけでも筆者の経験は"敗戦"だけにはならないと思います。

●実体験に基づく記事なのでとても身につまされます。特に早いうちに地域包括支援センターと連絡をとっておき、すぐに利用できる状態にしておくという点は大事だと思います。

介護する側も少し我慢すれば・・と思っているうちに疲れ果てる事になるのだと思うと、このセンターの存在をもっとアピールすべきだと思います。

(連載にいただいたコメントから引用させていただきました。本当に、ありがとうございます)

コメント11件コメント/レビュー

最近この連載を読み始めたので、コメントが遅くなりました。

14年前に亡くなった実父がアルツハイマー型認知症でした。
松浦氏の連載でも自分の時とはずいぶん違うな~と思っていました。
包括支援センターなんて聞いたことなかったぞ?
調べてみたら介護保険制度が始まったのが2000年なので、父の介護が始まった2002年にはあったのかも知れませんが、知らないままやってました。
病院付のケアマネージャーとは話をしたことがあります。

妻が父の失禁の後始末等に音をあげて、精神病院に入院させることになりました。
今のように介護老人保健施設ではなく、医療施設に入れることが普通だったと思います。
病院なので数か月の間に別の病院を見つけて転院させないといけないのでたいへんだったことを覚えています。
1年の間に三つの病院を渡り歩いて介護を始めてから1年後に亡くなりました。

今は妻の母が介護老人保健施設に入っていますが、病院よりずっと快適に見えます。
義母は認知症は無いのですが、介護のたいへんさを決めるのは認知症の有無だと思います。
認知症があると目を離せない度合いが格段に高まることが介護者の負担につながるようです。(2017/10/22 16:58)

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「介護の相談でうっすら感じた「業界用語の壁」」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

最近この連載を読み始めたので、コメントが遅くなりました。

14年前に亡くなった実父がアルツハイマー型認知症でした。
松浦氏の連載でも自分の時とはずいぶん違うな~と思っていました。
包括支援センターなんて聞いたことなかったぞ?
調べてみたら介護保険制度が始まったのが2000年なので、父の介護が始まった2002年にはあったのかも知れませんが、知らないままやってました。
病院付のケアマネージャーとは話をしたことがあります。

妻が父の失禁の後始末等に音をあげて、精神病院に入院させることになりました。
今のように介護老人保健施設ではなく、医療施設に入れることが普通だったと思います。
病院なので数か月の間に別の病院を見つけて転院させないといけないのでたいへんだったことを覚えています。
1年の間に三つの病院を渡り歩いて介護を始めてから1年後に亡くなりました。

今は妻の母が介護老人保健施設に入っていますが、病院よりずっと快適に見えます。
義母は認知症は無いのですが、介護のたいへんさを決めるのは認知症の有無だと思います。
認知症があると目を離せない度合いが格段に高まることが介護者の負担につながるようです。(2017/10/22 16:58)

Yさんの記事いつも楽しみにしております。
極めて具体的な行動と考察大変興味深いです。
また、自分も具体的に行動する勇気をくれます。(2017/08/25 12:28)

本編に続き、実体験に基づいたかつ実践的な内容であることが素晴らしいです。是非このまま連載を続けて欲しい。(2017/08/24 10:14)

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