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「ん? 母さん、血圧なんていつ測った?」

番外編04:ああ、母は思いつきでものを言う

2017年9月6日(水)

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(この記事は松浦晋也さんの「介護生活敗戦記」と『母さん、ごめん。』の担当編集者Yが、本と連載を読んで「人ごとではない」と、故郷で独り暮らしの母の元へ帰省したときの状況をご報告する番外編です。前回はこちらから)

(※写真はイメージです)

 母の「歩くときの痛み」は、どうやら外反母趾が原因らしいと判明し、入院は見送り、対策用の靴も注文して、やれやれと晩ご飯を食べて帰宅しました。たまたま明日は、母が2カ月に1度、診察を受ける日です。郊外の病院に早朝から行って並ばねばならないので面倒くさがっていますが…。

 「明日はお昼の高速バスで帰るから、午前中にクルマを借りて送迎してあげようか」
 「あらほんと? 助かるわ~」

 会員になっているカーシェアの拠点が、母の住む集合住宅のすぐそばにあるのです。もちろん、交通費は路線バスの方が全然安上がりですけれど、このくらいはまあ、親孝行というものでしょう。スマホでさくっと予約。凄い時代になったものです。

 翌朝、コンビニで買い整えたパンなどで朝食を済ませ、カーシェアの駐車場から8時に出発、バイパスを通ってあっという間に病院に。駐車場は早くも埋まりつつあり、院内はお年寄りでごった返しています。が、それを見越して建て替えられた病院は広々としていて、窓口や呼び出しも分かりやすく整えられており、何度来ても感心します。

 母に代わって採血の列に並びます。採血室では、一度に8人前後が同時に入ってちゅーっと抜かれていました。耳が遠かったりして意思疎通が難しそうなお年寄りたちに、看護師さんたちが柔らかく対応していました。

 「あら、お母さん、順番なのにトイレ行っちゃって帰ってこないわ!」と騒ぎ出したおばさまに「大丈夫ですよ~、戻られたらすぐお呼びしますから」といった具合に、付き添いの人も含めて、無用のイライラやトラブルを起こさないよう、言葉遣いと順番の不公平が起こらないような配慮が徹底されています。採血台も可動式で、すぐ増設できそうですし、動きにくい人の側まで動かすこともあるようです。ネガティブな意味抜きで、よくできたファストフードを連想しました。

 採血が終わり、レントゲンを撮って、医師の診察室の前に座って順番を待ちます。なんだかんだあったけれど、恐れていたよりも元気そうだし、頭も動いているみたいだし、と、こちらも気分がほぐれて軽口を叩いていると、呼び出し番号が点滅し、看護師さんがドアを開けて「Yさん~」と呼びました。「息子です」と告げて、いっしょに診察室に入ります。

『母さん、ごめん。』増刷分があっというまに捌けていきます。
本当に本当にありがとうございます。

 ご愛読いただいた「介護生活敗戦記」が『母さん、ごめん。 50代独身男の介護奮闘記』が単行本になりました。この本を校了してから私自身が田舎に帰省して、さっそく活用した次第を、こちらの番外編でご紹介しています。

 本で一気読みすると、やはり頭への入り方が違います。連載をお読みいただいていた方も、ぜひ一度、お手にとって改めてご覧下さい。夕暮れの鉄橋を渡る電車が目印です。よろしくお願い申し上げます。(担当編集Y)

---------読者の皆様からのコメント(その8)---------

今回は「果てなき介護に疲れ、ついに母に手をあげた日」の回にいただいたコメントの一部をご紹介します。


●辛いことを、よく書いてくださいました。
人としての姿勢とともに、ジャーナリストとしての姿勢にも、敬意を評します。

●現実に起こった一つの事実をはっきりと言葉にして下さり、感謝しています。私自身介護の経験はありませんが、遠くない将来に起こることとして、真剣に向き合っていきたいことなので、実際のことを教えて頂けるのは、とても助けになります。

●相当ヤバい問題ですが、少子化と同じで何も国は有効な対策はしないままだと思いますので自己責任で対策を立てるしかありません。そういう意味で、本当にありがたいコラムです。

●(前略)心配でもあり切羽詰まって、このとき生涯でただ一度だけ「ちゃんとしないとグーで殴るよ」と母に言ってしまいました。言葉だけで実行はしませんでしたがいまだに胸が痛みます。松浦さんもどんなに苦しかったことか。いろいろな意見があると思いますが、介護で辛いのは対象が好きであればあるほどそのギャップに耐えられないからではないかと思います。
このときはご近所の方に助けていただき、無事病院に行くことができました。母はその後良い施設でケアしていただき、前より充実した日々を過ごすことができるようになりました。先月心疾患で突然亡くなりましたが、最後の顔は安らかでした。生前言えなかったけれど、母への懺悔も兼ね初めて投稿いたしました。

●本のタイトルですが、連載して、多くのコメントをもらって、本当にこれは「敗戦記」だったのかと、松浦さんの中で何かが変わったのでは?そんな気がします。

●祖母(父の母)を一人で介護していた母が、離れて暮らす私に電話でよく文句を言っていました。ボケてきた。おもらしする。わがままで困る。年寄りだからしょうがないでしょ!怒ったりしたらかわいそうだよ、と私は母を責めていたのですが、、この連載を読むたびに電話の向こうの母の声を思い出し、胸が痛いです。
介護する側の心の痛みについて何もわかっていませんでした。
書いてくださって本当にありがとうございます。

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