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競歩はなぜ急に強くなったのか

リオ五輪メダル候補に急浮上

2016年3月25日(金)

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 意外な競技で、金メダルが獲得できるかもしれない――。

 今年8月、リオデジャネイロ五輪が開幕する。国内では各競技の代表選考が佳境に入り、メダルに向けた最後の選考や強化が始まろうとしている。

 柔道、競泳、レスリング、体操――。これまで日本選手が獲得した多くのメダルは、これら「お家芸」の競技が大半を占めてきた。しかし、リオ五輪では異変が起こりそうだ。これまで「メダルには遠い」と言われていた競技が急激に力を付けている。

世界トップ10に日本人が6人

 その一つが競歩だ。男子20kmの記録を見ると、日本人選手の成長は一目瞭然。2012年のロンドン五輪の時点では、その年のトップ10の記録に日本人選手はゼロだったが、2015年時点では延べ6人が入った。世界記録を持つ鈴木雄介選手だけでなく、層が厚いのが特徴だ。

 なぜここまで強くなったのか。

強化の一環である「ミニ合宿」の様子(写真:村田 和聡)

 タッタッタッ……。3人の選手がペースを守りながらトラックを何周も何周も回る。所属するチームはバラバラだ。

 各競技のトップレベルが集結する「味の素ナショナルトレーニングセンター」(東京都北区)。2月上旬、陸上トレーニング場で競歩の合宿が開かれていた。普段はライバル同士の選手が昼間はアドバイスし合いながら練習し、夜は映像を確認して歩くフォームについてコーチや他の選手と議論する。

 参加したのは男女10人ほど。国内トップ選手と若手有望株を2泊3日の短期間で強化する。年に6回開かれている。2012年のロンドン五輪後にから始めたこのミニ合宿が、想像以上の効果を発揮し始めた。

 「合宿をやっただけか」と思うかもしれない。しかし、選手にとっては極めて貴重な時間だった。

 もともと、1990年代から世界ジュニアでの入賞はあり、選手のポテンシャルは高かったが、シニアへ移行すると勝てなかった。理由を、日本陸上競技連盟強化委員の三浦康二氏はこう言う。

 「特に大学生の年代は、これまできちんと指導を受けられる場所がなかった。競歩の選手が多数いるチームは少なく、一人で練習してもフォームが分からないなどの問題があった」。

 有望株を集め、「一つのチーム」として鍛えたことで、全体のレベルアップが実現したわけだ。特定の選手だけが強いのではなく、層が厚いのはこのためだ。

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「競歩はなぜ急に強くなったのか」の著者

島津 翔

島津 翔(しまづ・しょう)

日経ビジネス記者

2008年東京大学大学院工学系研究科修了、日経BP社に入社。建設系専門誌である日経コンストラクション、日経アーキテクチュアを経て、2014年12月から日経ビジネス記者。担当分野は自動車、自動車部品。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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