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凍土遮水壁、カイゼン重ね1927本削孔

2016年3月10日(木)

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日経コンストラクションの記者が現地取材

 事故発生から丸5年が経過した福島第一原子力発電所。事故の収拾に向けて、いったい何が行われているのか――。電力、原子力関連の作業以外についてはあまり聞こえてきませんが、実は土木・建築系の多数の技術者が、新技術を駆使しながら黙々と作業を続けているのです。

 土木・建設の総合情報誌「日経コンストラクション」では2月22日号の特集で、記者による現地取材を交えながら、福島第一原発の今に迫りました。雑誌の性格上、土木技術者向けのややマニアックな話題もありますが、一般のビジネスパーソンの方にも興味を持っていただける内容だと思います。ぜひお読みください。

(日経コンストラクション編集長 野中 賢)

1~4号機原子炉建屋を取り囲む凍土遮水壁。凍土の造成に向けて、鹿島が2014年から進めてきた凍結管の設置と配管工事が16年2月初旬に終了した。2000本に迫る削孔作業を完遂できたのは、きめ細かな“カイゼン”を積み重ねた成果だ。

写真1■ 凍結管の建て込みに向けて、ロータリーパーカッション式のボーリングマシンで削孔する様子。ケーシングは1.5mずつ継ぎ足す。2014年7月9日に撮影 (写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
[画像のクリックで拡大表示]

 「入社以来、社命に逆らったことはなかったが、今度ばかりは断ろうか迷った。本当にできるのか、と」。鹿島福島第一凍土遮水壁工事事務所の浅村忠文所長はこう打ち明ける。

 浅村所長が2014年6月から建設を進めてきた凍土遮水壁(陸側遮水壁)は、1~4号機原子炉建屋の周囲を延長1500m、深さ30m、厚さ1.5mの凍土で囲み、建屋内への地下水流入を抑える前代未聞の事業だ。汚染水問題を解決する切り札として、国が13年に建設を決めた。

 東京電力福島第一原子力発電所の建屋周辺の地下には、西(山側)から東(海側)に向かって1日に800立方メートルの地下水が流れる。当時はこのうち400立方メートルが建屋に流入。内部に滞留する高濃度汚染水と混ざり合い、新たな汚染水を生んでいた。汚染水タンクの容量と貯蔵量は逼迫し、抜本的な解決策が求められていた。

 地下水は透水層である中粒砂岩層と互層を流れ、建屋地下の貫通部などから流入しているとみられた(図1)。そこで、互層の下の難透水層(泥質部)まで根入れした壁で地下水を遮る案が具体化していった。

図1 ■ 福島第一原発の東西方向の地質断面図(2号機と3号機の間)
東京電力の資料をもとに日経コンストラクションが作成。横と縦の比率は1対10。青色の破線で2号機の断面を示した。地下水の流速は1日に20cm程度だ
[画像のクリックで拡大表示]

建設費319億円は国が負担

 凍土の造成量は7万立方メートル。凍結工法はシールドトンネル工事の止水などに用いられるが、これほど大規模な適用事例はない。建設費319億円は国の予算で賄う。年間10億円の維持費は東京電力が負担する。

コメント4件コメント/レビュー

現場で頑張っておられる方々には頭が下がる。1日1mSvは通常のレントゲンの20倍だろうから,毎日だと多少は心配だろう。(CTだと1回で7mSvぐらい被爆するらしい。)それでもやらねばという使命感で行なってくれているのだろう。ぜひ成功させてほしい。しかし何が問題で遮水壁の構築にGOがかからないのかが分からない。この辺が少々記事としては不親切だ。官僚機構の毎度の責任回避だけなのか。許容限度を超える不確定要素があるのか。(地下水流路の変動が原発建屋に重大な横圧をかけるとか。)だが誰かが決断しなければ汚染水が増えすぎてコントロールできなくなるのではなかったのか。決断のタイムリミットもあるはずだ。(2016/03/10 17:23)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

現場で頑張っておられる方々には頭が下がる。1日1mSvは通常のレントゲンの20倍だろうから,毎日だと多少は心配だろう。(CTだと1回で7mSvぐらい被爆するらしい。)それでもやらねばという使命感で行なってくれているのだろう。ぜひ成功させてほしい。しかし何が問題で遮水壁の構築にGOがかからないのかが分からない。この辺が少々記事としては不親切だ。官僚機構の毎度の責任回避だけなのか。許容限度を超える不確定要素があるのか。(地下水流路の変動が原発建屋に重大な横圧をかけるとか。)だが誰かが決断しなければ汚染水が増えすぎてコントロールできなくなるのではなかったのか。決断のタイムリミットもあるはずだ。(2016/03/10 17:23)

凍土遮水壁は失敗!どこがアンダーコントロールだ!と声高に批判していた反原発派や一部マスコミは、この報道をどう見るのでしょうね。あ、そもそも自分に不都合な報道には見ざる聞かざるか...。(2016/03/10 11:38)

凍土遮水壁は被災地に於ける復興工事に類似している。延々と続く見上げる高さの防潮堤や10mを超える盛り土による人工地盤。どちらも「住民の為」というより「建設業者の為」の工事を「住民の為の復興工事」という名の下に行っている巨大な税金の無駄遣いにしか見えない。今必要なのは巨額費用と長い時間をかけても元いた場所の近くに居住スペースを確保する事ではない筈だ。これらに費用は全て10年、20年後に償還される国債発行によって得られる「借金」を増やす事によって得られている。他方、全国平均で15%の家が空き家となっている。空き家は放っておけば痛みも早く、犯罪の巣にもなり易い。空き家に若干の手を入れて家を失った人々に住んでもらえば、狭い仮設住宅で窮屈な生活を我慢する必要もない。凍土遮水壁も「これ以外あり得ない」というものの、実際には利用開始すら止められたままではないか!全ての説明が凍土遮水壁採用に関する言い訳にしか聞こえない。この設備が使われる事になった場合も、真夏も含めて1年中24時間冷凍状態を保持して何年保たせる積りか。少なくとも2、30年必要となるのだろうが、十分な耐久性はあるのか。電気代もバカにならないが、誰が負担するのか?東京電力の利用者、それとも政府?どちらに。この記事には凍土遮水壁法が「最善ではないかも知れない?」という計画者側の自問が全く無いことも気に入らない。この様に何の迷いも見せずに言い切る説明は詐欺師のそれと酷似している。世に優れたアイデアで成功した人たちは、殆ど例外なく「これで良いのか」と何度も自問し、他人の意見も聞いた上で「Go!」を出しているものだ。それをしないのは詐欺師以外では独裁者だけだと知るべし。こういう人の意見は素直には聞けない。(2016/03/10 09:59)

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長