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「被災地の幽霊現象」を読み解く

僧侶1335人「霊魂譚」調査より(後編)

2018年3月9日(金)

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死の意味を説き、死者を供養する僧侶の元には多くの霊魂譚が寄せられる。本章では僧侶1335人に対するアンケートや聞き取り調査から、霊的現象の事例を紹介し、その傾向、メカニズムを解説する。その後編。

前編から読む)

 「霊魂に関するアンケート」では、2011(平成23)年3月11日に起きた東日本大震災後、被災地における霊魂現象の体験や、鎮魂行為の有無についても聞いている。

 アンケートにこの項目を入れた理由は、筆者が数年間にわたる震災後の報道に関わる中で、現地でしばしば、「被災地で幽霊を見た(という人を知っている)」「鎮魂行為を行った」とする証言を耳にしたからである。

6年間で175件

 調査結果を分析する前に「被災地の幽霊」に関する報道について、少し、紹介しておきたい。

 筆者は、記事検索システムにかけて震災後6年間に報じられた記事数をカウントしてみた。

 対象メディアは朝日・毎日・読売・日経・産経の5大全国紙と、共同・時事の2大通信社、東奥日報・デーリー東北・岩手日報・河北新報・石巻かほく・福島民友・福島民報の東北7紙、さらにNHKを加えた。検索の期間は2011(平成23)年4月1日~2017(平成29)年3月31日までの6年間。検索キーワードは「東日本大震災 and 幽霊」とした。

 検索キーワードは「霊」「霊魂」という文言にせず、「幽霊」とした。理由は、「霊」「霊魂」で検索すると「霊魂現象」に結びつかない記事がほとんどであったためだ。

 検索をかけ、ヒットした記事を通読した結果、東日本大震災後の「幽霊」に関する報道数は6年間で175件確認できた。いわゆる「後追い記事」や一般論としての引用記事を一部含むものの、大災害後の幽霊現象がこれほど報じられたのは、異例のことである。

 最初に「幽霊報道」をしたのは、2012(平成24)年1月18日付の産経新聞朝刊であった。

 「水たまりに目玉、枕元で『遺体見つけて』 『幽霊見える』悩む被災者」という見出しで掲載した。この記事は、Yahoo!ニュースなどのネットで再掲載され、SNSなどでも広がり、大きな話題になった。

 内容は、震災から1年近くが経過した宮城県内で、寺院やキリスト教の教会などに幽霊に関する相談が相次いでいるというもの。こうした被災地における「誰にも相談できない悩み」に対応するため、超宗教でつくる宮城県宗教法人連絡協議会が「心の相談室」を設置している、と記事は結んでいる。

 産経新聞の記事の後、再び幽霊報道が出てくるのは、震災後1年半が経過した2012年9月11日付の毎日新聞だ。記事の内容は、被災者の長引く避難生活を伝える内容だが、記事の最後に、取って付けたように「沿岸地では幽霊が出るとのうわさが広まっている」と締めくくられていた。

 実はこの頃から、別の媒体でも幽霊報道が相次ぐ。

コメント7件コメント/レビュー

幽霊はやはりいないんでしょうね。震災のあった場所という雰囲気のためにありもしないものが見えるのかも。要は気のせいです。そう思わないとやってられません。(2018/03/09 18:20)

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「「被災地の幽霊現象」を読み解く」の著者

鵜飼 秀徳

鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)

ジャーナリスト、浄土宗僧侶

1974年、京都市生まれ。新聞記者、日経ビジネス記者、日経おとなのOFF副編集長などを歴任後、2018年に独立。「宗教と社会」をテーマに取材を続ける。正覚寺副住職、浄土宗総合研究所嘱託研究員、東京農業大学非常勤講師。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

幽霊はやはりいないんでしょうね。震災のあった場所という雰囲気のためにありもしないものが見えるのかも。要は気のせいです。そう思わないとやってられません。(2018/03/09 18:20)

多方面の取材が含まれており、ただのトンデモ記事にならず良かったと思います。(2018/03/09 14:49)

震災後、半年ほどして出張で宮古を訪れたとき、タクシーの運転手さんから夜の12時以降は営業してないです、と聞きました。呼び出しが会って、お客様を乗せて送り届け、ふっと気付くと誰も乗っていないことが度々あり、その会社では12時以降は営業を取りやめたそうです。
ちょっと怖い話ですが、その後鹿児島に出張し、鹿屋(少年特攻隊の基地があって有名な街ですが)で夜某スナックでこの話をしたら、お店の若い女性が怖がらずに「良かったです、無くなった人が行きたい場所に届けてあげて」、と。俗な営業マンである私は、魂が清められた気がしました。進学競争を経て、会社で競争社会にいると大切な物を失ったかもしれないと、密かに思った次第。(2018/03/09 13:04)

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私自身もブラックベリーとともに育った人間。そんな会社がそのまま消滅するのを見たくなかった。

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