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「リカンベント」ってどんな自転車?

愛用歴13年の科学技術ジャーナリストが解説

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2016年11月17日(木)

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リカンベントは寝そべったような姿勢で乗るのが特徴

 2016年10月20日、自転車の転倒事故で漫画家の小路啓之氏が亡くなった。あおむけに近い姿勢で乗る「リカンベント」タイプの自転車を運転していた時の事故が原因とされている。小路さんの作品『雑草家族』を連載中だった集英社の「ミラクルジャンプ」(週刊ヤングジャンプ編集部)は、「小路啓之先生のこれまでの創作活動に最大の敬意を捧げると共に、心よりご冥福をお祈りいたします」とつづった。

 この事故は人気漫画家が亡くなったことだけでなく、乗っていた自転車がリカンベントだったということで注目を集めた。私は、リカンベントに乗り始めて13年たつが、これほどリカンベントが世間の目を集めたことは今まで記憶にない。

 リカンベントはその特異な形態もあってか、「変な自転車」という印象で見られることが多い。また、見慣れないことが警戒感を引き出すのか、「乗りにくいのではないか」「危ないのではないか」と感想を聞くことも少なくない。

 リカンベントとはどんな自転車なのか。その可能性に魅せられて2003年からリカンベントに乗り始め、現在はタイプの違う2台のオーナーである筆者なりに解説していきたい。

リカンベント=寝そべって乗る

 まず自転車の構造の話から始めたい。普通の自転車はクランク(踏み込んだ力をチェーンに伝えて自転車を動かす装置)が体の真下にある。このクランク軸を前に出していくとしよう。すると脚を前に投げ出して乗るような乗車姿勢になる。腰の位置が降りてくるから着座位置は通常の自転車より低くなるし、前に脚を蹴り出すようにして漕ぐことになるので背もたれも必要になる。このような、どっかりと座った、あるいは寝そべった姿勢で乗る自転車のことをリカンベント(Recumbent)という。“recumbent”という単語は「横になった, もたれた」という意味の形容詞だ。乗車姿勢を示す単語が乗り物の呼び名となっているわけだ。

 リカンベント最大の利点は、横に寝た乗車姿勢なので通常の自転車と比べると空気抵抗が小さいということだ。同じ速度ならより楽に走れるし、同じ脚力なら、より一層速く走ることができるし、風の強い日には向かい風であっても楽に前に進める。

 だが、ラクということだけがリカンベントの利点ではない。街中でリカンベントに乗る楽しさは、その視界の良さにある。通常の自転車の場合は、空気抵抗を避けて前傾姿勢をとると視線が路面を向くようになり、前方視界が悪くなる。

 これがリカンベントだと、進行方向と空とが大きく開けて見える。この爽快感はなにものにも代えがたい。視界が良いことは、同時に安全だということでもある。また、脚が前に出た姿勢で乗るので、衝突時に頭から突っ込むこともない。

 もちろんデメリットもある。一番のデメリットは通常の自転車と比べると車体が長く、重くなりがちなことだ。ペダルの上に立ってハンドルを腕の力だ引き寄せるようにして漕ぐ、ダンシングという乗り方もできない。車体が重いこととダンシングができないことが重なるので、リカンベントは上り坂はあまり得意ではない。

 一般的な乗り物ではないので大量生産されておらず、通常の自転車と比べるとやや高価なのもネック。ただ自転車は3ケタ万円の車種も当たり前にあるので自転車全般としてはさほど高価ではないが、ママチャリのように極端に安価な車種が存在しないレベルだ。

コメント8件コメント/レビュー

お散歩中に歩道区間をリカンベント車らしき乗り物に乗った方に出くわして、当時はそんな乗り物があることを知らなかったため思わず体がフリーズ。
「何だあいつは?」と大変失礼ながら変人を見るような目でガン見した記憶があります。言われてみればその方も高く旗を立てていて意識が高めなユーザーの方だったんだなぁと今になってこそ思えますが、あの乗り物は移動速度の遅い歩行者でも体が動けなくなり一瞬思考停止に追い込ませるインパクトがありますし、車の免許の更新の時にもそういう自転車の存在があると指導を受けた記憶はありませんから、一般自動車ユーザーも旗が立っていようと咄嗟の判断が遅れてブレーキを踏むのが遅れるリスクは高いと思います。楽しむのは結構ですが大きな公園内や自転車専用道など、お願いだから限られた場所でやって欲しいと思いますね。(2016/11/21 08:35)

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いただいたコメント

お散歩中に歩道区間をリカンベント車らしき乗り物に乗った方に出くわして、当時はそんな乗り物があることを知らなかったため思わず体がフリーズ。
「何だあいつは?」と大変失礼ながら変人を見るような目でガン見した記憶があります。言われてみればその方も高く旗を立てていて意識が高めなユーザーの方だったんだなぁと今になってこそ思えますが、あの乗り物は移動速度の遅い歩行者でも体が動けなくなり一瞬思考停止に追い込ませるインパクトがありますし、車の免許の更新の時にもそういう自転車の存在があると指導を受けた記憶はありませんから、一般自動車ユーザーも旗が立っていようと咄嗟の判断が遅れてブレーキを踏むのが遅れるリスクは高いと思います。楽しむのは結構ですが大きな公園内や自転車専用道など、お願いだから限られた場所でやって欲しいと思いますね。(2016/11/21 08:35)

私もスポーツ自転車の愛好家ですが、20~30人の仲間のうちではリカンベントは2人います。時々運転させて頂きますが慣れないと不安定で、漕ぐのに一工夫いるような気がします。またご指摘のように車からの認識が困難で旗でも立てる必要がありますので、安全性を考えると車と一緒の一般道を走るのには勇気がいると思います。趣味の世界ですから、変わり種のこの自転車もありかと思いますが、安全な自転車専用道路で楽しむのが良いのでしょう。

今回の事故の件では、小路さんはヘルメットを被っておられなかったということで、リカンベント車ということより、スポーツ用自転車に乗る際のマナーとして、そちらの方が重大事項かなと感じましたが、報道ではあまり問題視されていないのが残念です。(2016/11/17 16:58)

>通常の自転車に乗れるならば、リカンベントに乗ることは難しいことではない。
そんなことないでしょー。三輪のはともかく、二輪のは乗りこなすのが難しい。
他の方のコメントにあるけど、NHKの「凄ワザ!」でプロの自転車ロード選手に乗ってもらったけど、最初のうちはコケテばかりでなかなか前に進めなかった。
もちろん慣れれば問題なく漕げてたけど、通常の自転車に乗れる一般の人だと、リカンベントを漕ぐどころか、乗ることさえできないと思う。
小さいころ、補助輪付きから補助輪なしに乗れるようになるのに特訓したのと同じくらい、通常の自転車に乗れたとしても、リカンベントを乗りこなすには慣れが必要だよ。(2016/11/17 14:32)

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ジェニー・ダロック 米ピーター・F・ドラッカー伊藤雅俊経営大学院学長