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経営トップが認知症となった“悲劇”

2人の著名医師が語る現実と事態打開の処方せん

2017年3月13日(月)

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認知症はいつ、誰がなってもおかしくない。高齢化社会に突入した日本では、認知症と共生していく知恵が求められている(写真:アフロ)

 いつ誰がかかってもおかしくない「身近な病」である認知症。認知症が進行すると、判断能力に支障をきたすため、仮に経営者が認知症を患えば、意思決定や契約作業に支障が出て、会社が傾くことにもなりかねない。そんな“事件”が後を絶たない。

《認知症事件簿1》

 数年前、東証1部上場のあるメーカーで異変が起きた。高齢になった経営トップの言動に、明らかな事実誤認が増えてきた。勘違いから他社の人間に対しても激高するといったトラブルが増えてきたのだ。同社幹部は「『天皇』と呼ばれるようなトップに、病院に行くことを勧められるわけもなかった」と顔を伏せる。結局、同社は本人の「体調不良」がひどくなり、入院するまで同トップに振り回され続ける羽目になった。

《認知症事件簿2》

 ある機械メーカーの事実上の創業トップは、数年前から記憶違いや物忘れが目立つようになった。見かねた長男が説得し、トップの座を退いた。

《認知症事件簿3》

 ある部品メーカーのトップは、取締役会をドタキャンするなど重要な予定をすっぽかすことが増えた。高齢で出張もままならなくなっており、周囲から退任を迫られ抵抗したものの、最終的に辞任を受け入れた。

 認知症で最も多いアルツハイマー型の場合、初期に主に記憶障害が現れる。記憶障害が起きると、自分の行動そのものを忘れてしまうため、失敗したことを自覚できず、時として、人のせいにしたり、うそをついてごまかそうとする。

東京女子医科大学の岩田誠名誉教授
東京大学医学部卒業。東京女子医科大学神経内科教授、同大医学部長などを経て現職。日本を代表する神経内科医であり、失語症や記憶障害の研究で著名。継続的におおよそ200人の認知症患者を受け持つ「日本で一番認知症を診ている医師」といわれる。

 「認知症の経営トップによるトラブルでよくあるのは、ついこの間、得意先から物を納めてもらったり寄付金を受けたりしたものの、その記憶がまったくなくて、『お宅からはまだもらっていない』などと平気で言ってしまうこと」。

 こう話すのは、東京女子医科大学の岩田誠名誉教授。信用問題となり、場合によっては相手とけんかになって縁が切れてしまった事例などに多数遭遇してきたという。企業でも幹部社員でなければ社会的に大きな問題にならないが、責任ある立場の上の人がこうした行動を取ると、会社全体が危機にさらされることになる。

 さらに、岩田氏は「とくに怖いのは経営トップの判断力の衰えに乗じて、よからぬ企みをする人々がいることだ」と加える。

 実際、こんな事例があった。

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「あなたを襲う認知症 経営が止まる 社会が揺れる」のバックナンバー

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「経営トップが認知症となった“悲劇”」の著者

庄子 育子

庄子 育子(しょうじ・やすこ)

日経ビジネス編集委員/医療局編集委員

日経メディカル、日経DI、日経ヘルスケア編集を経て、2015年4月から現職。診療報酬改定をはじめとする医療行政や全国各地の医療機関の経営を中心に取材・執筆。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師