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「老後のお金の管理」に潜む落とし穴

成年後見制度は課題が山積

2017年3月15日(水)

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「任意後見」は、十分な判断能力があるうちに、自分で後見人や支援してもらう内容を決めておく制度だ(写真:Erickson Productions/アフロ)

 数年前から、自分の老後や最期を考えて準備しておく「終活」が話題だ。終の棲家はどこにするか、どんな介護サービスを受けたいか、お葬式やお墓はどうしたいか──。そんな老後に向けた準備の1つとして、「成年後見制度」が注目されている。

 成年後見制度は、認知症などで判断能力が衰えた人の財産や生活について、法的に定めた後見人が管理する制度で、大きく2つに分けられる。

 まず、判断能力が既に衰えており、親族などが家庭裁判所に申し立てて、家裁が後見人を選ぶ「法定後見」。こちらは弁護士や司法書士などの専門職から選ばれることが多い。もう一つの「任意後見」は、十分な判断能力があるうちに、自分で後見人や支援してもらう内容を決めておくもので、後見人には専門職や親族以外の個人、社会福祉法人やNPO法人などもなれる。

 日ごろから親族と老後について相談しているような人にとって、こうした制度は無縁かもしれない。だが、独居の高齢者は年々増加している。「子供には迷惑をかけたくない」「自分の兄弟や子供は信用できない」など、様々な事情から、成年後見制度を必要としている人がいる。

弁護士や司法書士などの着服件数は過去最悪に

 そして残念ながら、成年後見制度に関するトラブルは、後を絶たない。専門家が後見人だからといって安心できるわけではなく、財産を着服されてしまう被害が後を絶たないのだ。最高裁判所の調査によると、2015年に成年後見制度で後見人を務めた弁護士や司法書士などによる着服などの不正は37件あり、過去最悪の件数だった。被害総額は1億1000万円だった。

 こうした状況を鑑み、日本弁護士連合会(日弁連)は、2017年4月から、成年後見制度で弁護士から財産を横領された被害者に、500万円を上限とする見舞金を支払う制度を始める。対象は被害額が30万円を超える人で、弁護士が弁済できる場合は支払われない。こうした制度ができることはよいが、そもそもあってはならないことだ。

 自分が決めておく任意後見にも課題はある。例えば本人が誤って第三者と不利な契約を結んでしまった場合、法定後見であれば、その契約を取り消すことができるが、任意後見人にはこうした取消権がない。

 また、任意後見はあらかじめ契約を結んでいても、本人の判断能力が低下してその効力が発生する時期までは厳密に決まっていないため、本人と任意後見人になる予定の人との間にトラブルが起きた場合など、スムーズに執行されないことがある。

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「「老後のお金の管理」に潜む落とし穴」の著者

河野 紀子

河野 紀子(こうの・のりこ)

日経ビジネス記者

日経メディカル、日経ドラッグインフォメーション編集を経て、2014年5月から日経ビジネス記者。流通業界(ドラッグストア、食品、外食など)を中心に取材を行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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