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農林中金・ABCクッキング提携のわけ

求められる「マーケットイン」の発想

2016年3月31日(木)

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農林中央金庫、料理教室大手のABCクッキングスタジオなど4社がこのほど提携した。「食と農」をテーマに訪日外国人などを地方に呼び込み、交流人口の増加を図る。異例のタッグの先に見据える、農林水産物の普及拡大への一手とは。

 今回提携したのは農林中金とABCクッキングのほか、旅行情報サイトのリクルートライフスタイル、JAグループ旅行会社の農協観光(いずれも東京都千代田区)の4社。3月9日、提携発表の記者会見で、農林中金の山田秀顕常務理事は「私が仙台支店長のとき、各社と協力して東日本大震災の被災地の復興支援に携わったことがきっかけ」と経緯を説明。「4月以降にまずモニターツアーを企画し、その後、本格展開していく」と方針を話した。

3泊4日で農業体験や和食作り

 提携の仕組みはこうだ。農業体験や、収穫したての食材を使った調理体験などを盛り込んだ3泊4日程度の旅行ツアーを企画。参加者が調理体験する和食のレシピをABCクッキングが開発するなど、各社のノウハウを持ち寄る。農林中金はグローバルな投資家としての高い知名度を生かし、国内外の取引先に声をかけて、ツアー客の誘致に協力する。

 主要な国際空港がある首都圏と近畿圏で始め、順次地域を広げていく。まずはABCクッキングが海外で展開する料理教室の会員に、ツアーに参加してもらう。

 カギとなるのが、この海外会員だ。海外では中国の上海や北京、香港、シンガポールなど8都市に16スタジオがある。会員数は3万5000人を超え、20~30代の富裕層の女性が多い。

 日本での農業体験や調理体験を通じて、品質が高い日本の農林水産物や、それらを使った料理を学ぶ。それぞれの国に持ち帰って食材や料理を周囲に広めてもらえれば、日本の農林水産物の認知度が向上し、輸出の増加にもつながるというわけだ。ABCクッキングの櫻井稚子社長は「SNS(交流サイト)での発信力がある海外会員のネットワークを生かし、より多くの方に日本に来ていただきたい」と話した。

 政府は農林水産物を2020年までに1兆円に増やす目標を掲げる。農林中金の山田常務理事は「今回の提携を通じて、輸出の増加に少しでも貢献したい」としている。

 国内農業ではこれまで、良い農林水産物を作れば自然に売れるという提供側の「プロダクトアウト」の発想が根強かった。今回の提携は訪日外国人の意見を取り入れながら、消費者が求めるものを的確に生産、提供する「マーケットイン」への発想転換にもつながる。

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「農林中金・ABCクッキング提携のわけ」の著者

須永 太一朗

須永 太一朗(すなが・たいちろう)

日本経済新聞証券部

2003年一橋大学社会学部卒業、日本経済新聞社に入社。西部支社(福岡)で警察、企業、県政を順に担当。その後は主に証券部で日本株相場を取材。14年3月、日経ビジネス記者に。17年4月、日本経済新聞証券部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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