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独立で知った“会社の傘”なきミドルの辛苦

2017年2月17日(金)

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「うまいデザイナー」ではなく「できるデザイナー」

 この7年余りは何だったのだろう。まもなく50歳になるデザイナーのRさんはしばしば、起伏の激しかったその期間を、複雑な思いで振り返る。

 彼は、大手広告会社のデザイナーだった。そして40歳を過ぎて独立した後、紆余曲折を経て、今はとあるデザイン会社でデザイナーの仕事をしている。運と実力、そしてさまざまな「社会の波」が実に複雑に絡まり合ったその道程は、働き手としての自分を正しく認識するうえで、必要な通過儀礼だったのかもしれない。

 独立のきっかけは、あの金融危機に続く大不況、いわゆる「リーマンショック」が起きたことだった。あらゆる業界の企業が広告費を削減したために、広告業界も未経験の大逆風を受けた。

 しかし、Rさんには追い風だった。彼は同年代のデザイナーの中ではいち早くデジタル分野に目をつけていた。新聞広告や雑誌広告が急減する中で頼られる人材だったのである。

 Rさんは「できるデザイナー」と言われていた。しかし、「うまいデザイナー」とはあまり言われない。ブティックに掲げられるようなアーティスティックなポスターではなく、クライアントの要望に応えてさまざまな広告を作ってきた。時には、みんながやりたがらないスーパーマーケットの売り場におく販促物などにも丁寧に取り組んだ。

 同僚が昔ながらの広告作りに固執する中で、いち早くインターネットの勉強もした。「あんなのアートじゃないよ」という陰口も耳に入ってきたがRさんは気にしなかった。

 社内でも「これからはデジタルの勉強をしろ」という号令がかかる。40歳を過ぎて「さっぱりわからないよ」と愚痴をこぼす同僚のクリエイターを尻目にRさんのところにはどんどん仕事が舞い込んできた。

 そして、独立する決心をしたのだ。それは、ようやく金融危機に続く嵐がひと段落したころだった。

コメント4件コメント/レビュー

デジタルと一言で称しているが、DTPなのかwebデザインなのかはっきりせずリアリティがなかった(2017/02/18 21:09)

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「独立で知った“会社の傘”なきミドルの辛苦」の著者

山本 直人

山本 直人(やまもと・なおと)

コンサルタント・青山学院大学講師

博報堂でクリエイティブ、研究開発、人事などを経て2004年に独立。キャリア開発とマーケティングの両面から企業を対象にした活動をおこなう。著作に「グッドキャリア」など多数。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

デジタルと一言で称しているが、DTPなのかwebデザインなのかはっきりせずリアリティがなかった(2017/02/18 21:09)

せつなー(2017/02/17 17:22)

Rさんは独立に失敗して再就職して万事めでたしという雰囲気ですけれども、元の大手広告代理店勤めと比べてどうなのでしょうか。独立や転職の誘惑に惑わされず余ほどのことがなければ我慢してでも会社は辞めるものではない、という戒めと捉えれば良いのでしょうね。(2017/02/17 15:27)

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