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「行きつけ」がないあなたに、欠けているもの

2016年9月9日(金)

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「今夜はもう一軒寄ってみようか」

 夏も終わると、街もまた落ち着いていく。飲食店のある界隈も、秋に向けて再起動していくようだ。

 Wさんは、辺りを見回しながらそんなことを考えていた。仕事の会食があり、めいめいが家に帰る。かつてのように二軒目に行くことは殆どなくなった。Wさんと同じ方面に帰る人はいなかったので、1人で地下鉄の駅に向かう。

 会社からほど近いこの界隈には、若い頃からよく飲みに行っていた。どの先輩も、行きつけの店を持っていて、それがまた憧れだった。

 やがて、退職する頃には「おまえ、よろしくな」と言われ、その後、常連として通った店もある。あれは業務以上に大切な「引き継ぎ」だった。

 ところが、もうそういう店は殆どなくなった。一軒だけ古いバーが残っているが、店を閉じるのももう近いだろう。

 どの店も、店主が高齢になった。景気がパッとしない中、いずれも会社員にやさしい値付けの店だった。それでも、齢には勝てない。

 入れ替わりでオープンする店はチェーン系だったり、1人では入りにくい雰囲気だったりする。

 とはいえ、これから新しい店を開拓するというのも、さすがに面倒になってきた。Wさんも50代になって、ついつい先を考える。子育ても落ち着き、生活自体に大きな不安はないけれど、1人で飲むのにあまりカネを使うのも気が引けるのだ。

 そして、自宅近くのコンビニで「家飲み」の地ビールを買って帰路に就くことが多くなっていた。

 でも、今夜はもう一軒寄ってみようかとWさんは思っている。

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「「行きつけ」がないあなたに、欠けているもの」の著者

山本 直人

山本 直人(やまもと・なおと)

コンサルタント・青山学院大学講師

博報堂でクリエイティブ、研究開発、人事などを経て2004年に独立。キャリア開発とマーケティングの両面から企業を対象にした活動をおこなう。著作に「グッドキャリア」など多数。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師