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ミドルこそ危ない?スマホ中毒の落とし穴

2017年11月10日(金)

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SNSでの「過激発言」が大騒ぎに

 日本で初めてスマートフォンが発売されて、来年で10年になる。
 発売当初は若者を中心に普及したこともあり、ミドル世代の多くは敬遠していた。街なかのあちらこちらで釘付けになっている姿を見て、違和感を覚えた人もいたのではないだろうか。

 ところが、今は違う。電車に乗れば、みんながスマートフォンを見ている。そして、「中毒」のようになるのは年齢を問わないようだ。
 むしろ、ミドル世代ほど「危ういハマり方」をする人が多いように感じる。
 今週は、そんな「ミドルとスマホ」の付き合い方について、あらためて考えてみたいと思う。

 Tさんは、ある時期SNSにどっぷりつかっていた。実名が基本だったので、無難なことしか書いていなかったのだが、ある時同じ大学の卒業生ばかりの「グループ」というのを知ったことで、すっかりはまった。

 同窓生ばかりなので、気心が知れているし、会ったことがない人でもすぐに打ち解けられる。どこで誰と誰が飲んだとか他愛ない話はもちろんだが、今の職場の愚痴などを遠慮なく書く人もいる。

 「こんなことを書いて大丈夫かな」とTさんは思っていたが、ちょっとくらい刺激的なテーマの方が盛り上がる。そして、スマートフォンはパソコンと違って、思いついた時にどこでも見られるし、書き込める。
 Tさんがよく見るのは、会社帰りの電車の中だった。特に、酒を飲んだ後などは、ちょっと「過激な」ことを書くこともある。その方が、皆が反応するので乗ってしまうのだ。
 そして、Tさんが失敗したのは、とある国政選挙の時のことだった。

 いつものように、SNS上で盛り上がる中、とある政党の悪口を書いて、それが思いの外に受けたのだ。みんなが同じように思っている――そう思い込んだTさんは、ついつい図に乗った。

 ところが、この「グループ」では見ているだけの人も結構多い。そして、Tさんの勤務先の重要な得意先の幹部の目に入ってしまった。
 その企業は、「悪口を書かれた政党」ときわめて密接な関係にあった。「何だあいつは」ということになり、Tさんの勤務先の幹部にクレームが入ったのだ。

ネットで置き去りにされてしまった上司

 「いい歳になって、何をやってるんだ」
 あきれ顔の上司に、なじられるように言われたTさんだったが、幸いにして社内処分などの「お咎め」には至らなかった。
 ただし、日ごろからお調子者と見られがちだったTさんだけに、この一件は、評価を下げる結果につながったようだ。

 Tさんのように、プライベートでスマートフォンにハマる人もいれば。仕事でスマートフォンに縛られるうちに、大事なことを見失った人もいる。

 Wさんは、大手のIT企業から新興のウェブサービスの会社に転職した。その企業の技術は優れているものの、管理職経験のある人がいないので、声がかかったのだ。
 新しい職場は、前職に比べて何事も合理的で、会社から支給されるスマートフォンもある。そして何より驚いたのは、仕事のスピード感の違いだった。

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「ミドルこそ危ない?スマホ中毒の落とし穴」の著者

山本 直人

山本 直人(やまもと・なおと)

コンサルタント・青山学院大学講師

博報堂でクリエイティブ、研究開発、人事などを経て2004年に独立。キャリア開発とマーケティングの両面から企業を対象にした活動をおこなう。著作に「グッドキャリア」など多数。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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