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秋元康氏、革新を起こし続けてきた男の頭の中

「“見たことがないものを見たい”に応え続けてきた」

2017年4月3日(月)

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アイドル産業において革新の中心に居続けるのが、現在AKB48グループの総合プロデューサーを務める作詞家の秋元康氏。なぜ彼はイノベーションを起こし続けることができるのか。本人に話を聞いた。
秋元 康(あきもと・やすし)氏
1958年生まれ。東京都出身。高校時代から放送作家として活動。「ザ・ベストテン」など数々の番組構成を手掛ける。83年以降、作詞家として美空ひばりさんの「川の流れのように」をはじめ、数々のヒット曲を世に送り出す。現在は、国民的アイドルAKB48グループと、乃木坂46・欅坂46の総合プロデューサーも務める。(写真:竹井 俊晴)

今回の特集で非常に悩んだ点が「アイドル」の定義です。秋元さんの「アイドル」の定義とはなんでしょうか。

秋元康氏(以下、秋元):「手の届く高根の花」か「手の届かない隣のお姉ちゃん」ですかね。これは作詞家の阿久悠さんの言葉です。幻想っていうと身もふたもないけれど、どこかで自分の理想とするホログラムのようなものだと思っています。

そのアイドル像は、時代によってどのように変化してきたのでしょうか。

秋元:僕は、時代によってアイドル像が変化してきたとは思っていません。正確に言えば、アイドルやエンターテインメント業界が変化しているのではなく、消費する側のファンのほうが変化しているのだと思います。実はこちら側は何も変わっていないんです。

 常に、自分が「いいな」と思うものを作ってきました。それが当たったり当たらなかったりするのは、消費者がそのときに何を求めていたかによって左右されます。消費者と僕らの思う「いいな」が一致したときに、アイドルはブレイクします。結果的に望まれ続けたものが残り、それを並べて見たときに「ああ、アイドルって変化してきたんだな」と皆さんが感じるんです。

 阿久悠さんはかつて、ウォークマンの登場で業界は大きく変わったとおっしゃっていました。昔は音楽が街中で鳴り、そこで流れている曲を耳にして、「あ、これいいね」と新しい発見があったんです。しかし、ウォークマンの登場で、個人がイヤホンで曲を聴くのが当たり前になってしまいました。最初から自分の好きな曲だけ聴く。だからヒットは生まれにくいんだと。

マーケティングは一切しない

ヒットが生まれにくいなかでも、秋元さんは、市場調査や顧客ニーズを探るようなマーケティングを一切しないと聞きます。なぜでしょうか。

秋元:放送作家をしていた30代の頃、「この時間の視聴者はこういうものを欲しがっているはず」といった考えで番組を作っていました。とても驕っていたと思います。でもある時、自分も大衆の一人であることに気が付いたのです。見えない大衆に向けて「こういうのがウケるんだろうな」と思って何かを作るのではなく、大衆の一人でもある自分が面白いと思うものを作ろうと。それからは、時代とかマーケティングとか全く気にせず作るようになりました。

コメント5件コメント/レビュー

このインタビュー記事掲載の1か月後に某国営放送局(注:正確には公共放送局だが)のラジオで秋元氏の曲を一日中かけるという番組を聴いた。
同番組は秋元氏自身もゲスト参加しており、作詞家として駆け出しのころから現在に至るまで、時代を彩ってきたアイドルたちを迎えて、なぜこういった歌詞にしたのか、どう考えてアイドルをプロデュースしてきたのかを聴くことができた。
本記事で「マーケティングしていない」と語られているが、核となるものをしっかりと持っていて、ひたすらそれを実施していることも書かれていた。ラジオを聞いた時には「きちんとマーケティングしているからここまでヒットしているのだろうな」と感じていたが、逆であったことに驚きを覚えた。まさに、カツカレーの出し所について、天性の感覚を持ち合わせているのだろう。
私自身も若いころから秋元氏の手がけるアイドルを見てきているが、一つ不安がある。
天才秋元氏の後継者はどうするのかな?と。
1ファンとしては秋元氏にいつまでも現役で頑張ってもらいたいと願っている。(2017/08/16 19:24)

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「秋元康氏、革新を起こし続けてきた男の頭の中」の著者

齊藤 美保

齊藤 美保(さいとう・みほ)

日経ビジネス記者

2011年中央大学法学部卒業。同年、日本経済新聞社に入社。産業部にて電機、IT、自動車業界を担当した後に、2014年3月から日経ビジネス編集部に出向。精密業界を中心に製造業全般を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

このインタビュー記事掲載の1か月後に某国営放送局(注:正確には公共放送局だが)のラジオで秋元氏の曲を一日中かけるという番組を聴いた。
同番組は秋元氏自身もゲスト参加しており、作詞家として駆け出しのころから現在に至るまで、時代を彩ってきたアイドルたちを迎えて、なぜこういった歌詞にしたのか、どう考えてアイドルをプロデュースしてきたのかを聴くことができた。
本記事で「マーケティングしていない」と語られているが、核となるものをしっかりと持っていて、ひたすらそれを実施していることも書かれていた。ラジオを聞いた時には「きちんとマーケティングしているからここまでヒットしているのだろうな」と感じていたが、逆であったことに驚きを覚えた。まさに、カツカレーの出し所について、天性の感覚を持ち合わせているのだろう。
私自身も若いころから秋元氏の手がけるアイドルを見てきているが、一つ不安がある。
天才秋元氏の後継者はどうするのかな?と。
1ファンとしては秋元氏にいつまでも現役で頑張ってもらいたいと願っている。(2017/08/16 19:24)

聞き手が良かったのだと思うが、初めてに近いぐらい本質的なこと、核心的なことを語っている。
本人の誤解されやすく叩かれやすい性質というのもあるのだろうが、自分が勝手に誤解して、
拡大解釈し過ぎていたのがよくわかった。高井ちゃんが惚れるわけだ。
仕事し過ぎて、身体壊さないように節制して欲しい。(2017/04/05 14:51)

んー秋元氏はやっぱり凄い。話は納得させられる事ばかりです。ガラパゴスさを強みなんて言える人なかなかいないですよ。予定調和を壊せと言うけど、しっかりした考えと感覚を持ってないとなかなかできない事だと思います。(2017/04/03 16:20)

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