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プーチン再選に死角? アパート解体に猛反発

次期大統領選で再選を確実にするための政策だったが…

2017年6月9日(金)

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 ロシアは来年3月に大統領選を控える。プーチン大統領は依然、自らの去就を明らかにしていないが、国内では出馬し再選されるとの見方が支配的だ。政権も再選戦略を着々と練っているようだが、ここにきて思わぬ死角が出てきた。

モスクワの老朽アパート解体計画の中止を訴える抗議デモが5月、モスクワで開かれた。(写真:AP/アフロ)

国内支持率80%を超えるプーチン大統領

 ロシア下院はこのほど、大統領選の投票日に関する修正法案を可決した。当初予定されていた来年3月11日の投票日を1週間遅らせ、3月18日の実施を可能にするものだ。

 今のロシアにとって、3月18日は特別な日だ。プーチン大統領が2014年、ウクライナ領クリミア半島のロシア編入を高らかに宣言した日だからだ。当時、ロシア国民の大多数がこの決定に熱狂し大統領の支持率も跳ね上がった。この記念すべき日を大統領選の投票日にすることで、プーチン氏の当選をより確実にしようという狙いだ。

 当のプーチン氏はいまだ、次期大統領選に出馬するかしないかの明言を避けているものの、大統領府には「投票率70%、得票率70%」の達成を求めているとされる。仮に次の選挙に出馬し当選すれば、首相時代も含めて実質24年もロシアを率いることになる。長期政権の正統性を内外に誇示するためにも、大統領選での大勝が不可欠なのだろう。

プーチン大統領・モスクワ市長会談が事の発端

 プーチン大統領の国内支持率は80%を超え、有力な対抗馬もいない。とはいえ、得票率を高めるにはあの手この手の再選戦略が政権側に不可欠になる。投票日の変更もこうした戦略の一環とみて間違いない。

 ところが、ここにきて再選戦略を狂わせかねない社会問題が意外なところから浮上してきた。首都モスクワの老朽アパート解体計画だ。

 事の発端は今年2月後半。プーチン大統領がモスクワ市のソビャーニン市長と会談した時のことだ。ソビャーニン氏はかつて大統領府長官を務め、今でも大統領の側近の1人とされている。

コメント1件コメント/レビュー

プーチンは「独裁的」な政治を行うが、独裁者ではない。大統領選挙でも対立候補が存在し、負ければその地位から降りなければならない。その点、「共産党独裁」で且つ党内の対立する可能性のある人物を汚職や蓄財の嫌疑の名の下地位を剥奪し、党内でも独裁体制を敷いた、完全な独裁者である。ウクライナで親ロシア政権からEU寄りの政権に交代した時に、それを嫌ったクリミアがウクライナから独立し、続いてロシアへの併合を決めた事件で、欧米はロシアを非難し経済制裁を科した。然し、この事件を客観的に見れば、ロシア系住民が大多数を占めていたクリミアが住民投票を経て独立した事も、その後ロシアへの統合の道を選んだのも、ロシアが仕向けたと言うよりは住民が選択した結果だと思っている。ユーゴスラビアが民族や宗教の違いで分裂した事や、チェコスロバキアがチェコとスロバキアに分離した事と基本的に同じなのだ。ウクライナ政府がクリミア住民によるウクライナからの離脱を問う住民投票に賛成または同意をする筈もないので、この結果は欧米諸国も容認して良い内容だと思う。私自身、ロシアは「好きな国」ではないが、現在のウクライナよりは「マシ」だと思っている。プーチンが「独裁的」と受け止められる理由は、彼が大統領として権限が及ぶ範囲で彼と競合する可能性の高い人物を、その地位から外してしまう事だろう。然し、習近平の様に何らかの罪をきせて牢獄に入れてしまう様な乱暴はしていない。共産党中国と比べたらロシアの方がずっと「民主的」な国家であり、プーチンが大統領をやっている間に西欧との交流を深めて欲しいと思っている。このアパート解体の問題にしても、中国であれば、とっくに全て取り壊しを終わっている。有無を言わせず、少ない保証金だけ渡して、さっさと壊すのが中国式だ。こんな独裁国家でも、巨大な人口とそれに伴う大きな市場を抱えるが故に、この国と「仲良く」したがる西欧諸国は多い。「離れた国の人権より、商売が大事」が民主国家の真実の一面ではある。(2017/06/09 08:55)

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「プーチン再選に死角? アパート解体に猛反発」の著者

池田 元博

池田 元博(いけだ・もとひろ)

日本経済新聞社編集委員

1982年、日本経済新聞社に入社。90~93年にモスクワ特派員、97~2002年にモスクワ支局長。その後、ソウル支局長(05~08年)も歴任。08年から論説委員会に在籍。編集委員も兼務。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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プーチンは「独裁的」な政治を行うが、独裁者ではない。大統領選挙でも対立候補が存在し、負ければその地位から降りなければならない。その点、「共産党独裁」で且つ党内の対立する可能性のある人物を汚職や蓄財の嫌疑の名の下地位を剥奪し、党内でも独裁体制を敷いた、完全な独裁者である。ウクライナで親ロシア政権からEU寄りの政権に交代した時に、それを嫌ったクリミアがウクライナから独立し、続いてロシアへの併合を決めた事件で、欧米はロシアを非難し経済制裁を科した。然し、この事件を客観的に見れば、ロシア系住民が大多数を占めていたクリミアが住民投票を経て独立した事も、その後ロシアへの統合の道を選んだのも、ロシアが仕向けたと言うよりは住民が選択した結果だと思っている。ユーゴスラビアが民族や宗教の違いで分裂した事や、チェコスロバキアがチェコとスロバキアに分離した事と基本的に同じなのだ。ウクライナ政府がクリミア住民によるウクライナからの離脱を問う住民投票に賛成または同意をする筈もないので、この結果は欧米諸国も容認して良い内容だと思う。私自身、ロシアは「好きな国」ではないが、現在のウクライナよりは「マシ」だと思っている。プーチンが「独裁的」と受け止められる理由は、彼が大統領として権限が及ぶ範囲で彼と競合する可能性の高い人物を、その地位から外してしまう事だろう。然し、習近平の様に何らかの罪をきせて牢獄に入れてしまう様な乱暴はしていない。共産党中国と比べたらロシアの方がずっと「民主的」な国家であり、プーチンが大統領をやっている間に西欧との交流を深めて欲しいと思っている。このアパート解体の問題にしても、中国であれば、とっくに全て取り壊しを終わっている。有無を言わせず、少ない保証金だけ渡して、さっさと壊すのが中国式だ。こんな独裁国家でも、巨大な人口とそれに伴う大きな市場を抱えるが故に、この国と「仲良く」したがる西欧諸国は多い。「離れた国の人権より、商売が大事」が民主国家の真実の一面ではある。(2017/06/09 08:55)

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