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北朝鮮にミサイル技術流したのは誰だ

対立するロシアとウクライナの新たな火種に

2017年8月25日(金)

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 2014年のクリミア半島の併合問題をきっかけに反目が続くロシアとウクライナ。その両国の対立を一段と深めかねない火種がまた浮上した。どちらかが北朝鮮にミサイルのエンジンやその技術を流出させたのではないかという疑惑だ。

北朝鮮は7月29日、夜間にICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射した(写真:AP/アフロ)

 事の発端は8月14日付で米紙ニューヨーク・タイムズが1面に掲載した記事。北朝鮮が米本土に到達する可能性のある大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に成功したのはたぶん、ロシアのミサイル計画と歴史的つながりのあるウクライナの工場から強力なミサイルエンジンを闇市場経由で調達したためだとする内容だった。ミサイルの専門家の分析と米情報機関の情報という。

 北朝鮮は今年7月4日と28日深夜の2度にわたり、ICBM「火星14」と称する弾道ミサイルを発射した。日本の防衛省によると、とくに2度目に発射されたミサイルは約45分間飛行し、高度は3500km超と過去最高だった。飛距離は約1000kmで、発射角度を通常より高くする「ロフテッド軌道」で打ち上げられた。最大射程は1万km前後に達するとみられ、北朝鮮は「米国本土全域が射程圏内」に入ったと豪語していた。

 米国社会でも北朝鮮の核・ミサイルの挑発が現実の脅威として語られるようになり、北朝鮮のミサイル技術への関心が高まる中で掲載された記事だった。記者がよりどころとしたのは、英シンクタンク国際戦略研究所(IISS)の米国人のミサイル専門家が発表した「北朝鮮のICBM成功の秘密」と題する分析論文だ。

 論文は中距離弾道ミサイルからICBMへと、これほど短期間で開発に成功した国は他にないと指摘。失敗を繰り返してきた北朝鮮が急速にミサイル技術を進化させた理由は極めて単純で、海外から高レベルの液体燃料式のミサイルエンジンを調達したからだと結論づけた。

 確かに北朝鮮は今年に入っても、3月から4月にかけて弾道ミサイルの発射失敗を重ねた。一方で北朝鮮メディアは昨年9月20日と今年3月19日、金正恩(キム・ジョンウン)委員長が新開発の「大出力エンジン」の燃焼実験を視察・現地指導したと報道。北朝鮮はその後、5月14日に地対地中長距離戦略弾道ミサイル「火星12」、7月には2度にわたってICBM「火星14」を発射し、いずれも成功したと発表している。

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「北朝鮮にミサイル技術流したのは誰だ」の著者

池田 元博

池田 元博(いけだ・もとひろ)

日本経済新聞社編集委員

1982年、日本経済新聞社に入社。90~93年にモスクワ特派員、97~2002年にモスクワ支局長。その後、ソウル支局長(05~08年)も歴任。08年から論説委員会に在籍。編集委員も兼務。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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