• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「政治家と官僚は東電問題を解決したくない」

東京理科大の橘川武郎教授インタビュー

2017年5月12日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 東京電力は5月11日、新新総合特別事業計画を発表した。6月には川村隆新会長と小早川智明新社長という新経営陣が正式に就任する。

 福島第一原子力発電所の事故処理と東電の再建が進んでいくように見えるが、東電による民業圧迫など課題は多い。事故処理費用はさらに膨らみかねないため、常に東電改革のあるべき姿を考えておくことは不可欠だ。電力業界に精通し、東電改革の提言を続ける東京理科大イノベーション研究科教授の橘川武郎氏に聞いた。

東京電力が再建計画「新々総合特別事業計画」を発表し、新たな枠組みが定まりつつあります。どのように評価していますか。

橘川:東電の新々総特については、東電の関与が残存している限り、他電力は「福島リスク」の波及を恐れて、原子力分社・連携案に参加するはずはなく、実現可能性は皆無だと思います。

橘川武郎(きっかわ・たけお)氏
1951年生まれ。東京大学大学院経済学研究科単位取得退学。経済学博士。青山学院大学経営学部助教授、東京大学社会科学研究所教授、一橋大学大学院商学研究科教授を経て、2015年より東京理科大学大学院イノベーション研究科教授。経営史学会会長。専門は日本経営史、エネルギー産業論。主な著書に、『日本電力業発展のダイナミズム』(名古屋大学出版会)、『松永安左エ門』(ミネルヴァ書房)、『出光佐三』(ミネルヴァ書房)、『電力改革』(講談社)などがある

 せっかく、川村隆氏のような立派な経営者を招聘しても、実現性がない新新総特を押し付けられては、数土文夫会長の場合と同様に、身動きがとれなくなるでしょう。

 そもそもの問題からお話します。

 福島の事故処理費用が21兆5000億円。東電がすべて出せる訳ではないので、多くの部分が国民負担になります。

 ただ、けじめがありまして、少なくとも廃炉は東電の負担。除染、賠償の費用は東電が出すべきだが、被災者に払えないと問題なので国民負担にならざるをえないのでしょう。電力会社が送電線を利用する託送料から徴収し、電気料金を通じて国民が負担するという仕組みは、仕方がない面があります。

 それでも物事には順番があります。

 これだけ国民が巨額負担をするのですから、東電がやるべきことを全部する。資産売却をしなければなりません。まずは柏崎刈羽原子力発電所。火力発電所も資産売却の対象となるでしょう。

 発電所で残るのは出力調整用の揚水発電所くらい。原発と火力を売れば、兆円単位の資金になるので、廃炉に充てた瞬間から、福島リスクから切れる枠組みにします。

柏崎刈羽は別の事業者が運営するということですか。

橘川:そうです。私は反原発ではありません。日本経済のために柏崎刈羽の騰水型軽水炉(BWR)を動かした方がいいでしょう。その立場から東電は邪魔だと言っています。地元が納得しないでしょう。地元なので東北電力が絡まざるを得ませんが、キャッシュが足りません。

 財務省は国営を嫌がるでしょうから、日本原子力発電を核とする受け皿にやってもらう。準国営会社の原電が運営すれば、柏崎刈羽は準国営ということになります。

コメント0

「東電バブル 22兆円に笑う業界 泣く業界」のバックナンバー

一覧

「「政治家と官僚は東電問題を解決したくない」」の著者

大西 孝弘

大西 孝弘(おおにし・たかひろ)

日経ビジネス記者

1976年横浜市生まれ。「日経エコロジー」「日経ビジネス」で自動車など製造業、ゴミ、資源、エネルギー関連を取材。2011年から日本経済新聞証券部で化学と通信業界を担当。2016年10月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

本音と建前が違うことが問題の温床になっている。

川野 幸夫 ヤオコー会長