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歴史覆せるか?「外食大手の新業態は失敗する」

モス、プロントにみる「創業者精神」の生かし方

2016年5月25日(水)

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 大手外食チェーンの新業態開発は死屍累々の歴史だ。大企業病によって店の個性や創造性が阻まれて、創業者のアイデアに満ちた「個店」に負ける。ではどうすれば活路が開けるのか。模索を続ける大手チェーンへの取材を基に、そのヒントを探る。

*当連載は、日経ビジネス2016年5月16日号特集「外食崩壊 ~賞味期限切れのチェーン店~」との連動企画です。

 大手ハンバーガーチェーン「モスバーガー」を展開するモスフードサービスは、新業態を産みだす難しさを痛感している大手外食の一社だ。以前からモスバーガーに次ぐ柱を求め、開発を繰り返してきた歴史がある。中華どんぶりの店「上海市場」、豆腐と鶏料理の居酒屋「まめどり」、ハンバーグとステーキの店「ステファングリル」──。1986年に生まれたラーメン店「ちりめん亭」は、100店以上になったが、2013年に売却している。

失敗の歴史から学ぶ

 数々の苦い経験を経て、モスフードサービスは2014年10月、新業態の開発に向けたスキームを見直した。1つのアイデアに対して「参入目的」や「事業の魅力度」「実現性」「既存事業との関連性」などの項目別に評価・検討を行い、その内容を経営陣の間でも共有。明確なルールの下で事業に取り組めるようにしたほか、撤退の基準もきちんと定めるようにした。

 新規事業に取り組む際の基本的な考え方についても共有を図った。規模は小さくともまずは市場に出して、仮説検証を進める。「小さなPDCAを高速で回転するイメージ。外食の業態開発の場合、店を作って運営し、結果が出るまでに一定の時間がかかってしまう。今までと違うのは、仮説に沿った試行錯誤をとにかくスピーディーに繰り返す点」と千原一晃執行役員は話す。

 事業担当者を公募制で選ぶようにしたのも特徴だ。それまでは辞令で任せる形だったが、櫻田厚会長兼社長は「やる人の覚悟が大事。サラリーマンとしてではなく、”起業家”として退路を断つぐらいの気持ちで臨んでほしい」というメッセージを出し、新業態に対する創業者精神を重んじることとした。

 開発の進捗状況は全社で共有するなど全面的にバックアップ。試食会には社員が参加しやすいようにして、十分なサポートがないなか、担当者だけが頑張っているといった状態にならないようにした。

 新体制の下で生まれた業態の一つが、フードコートでの展開を前提としたパスタの専門店「ミアクッチーナ」だ。パスタは同社の紅茶専門店「マザーリーフ」で使っている食材を一部導入し、モスバーガーで契約栽培している野菜をふんだんに使ったメニューを特徴に据えた。パスタや野菜というと女性客のイメージが強いが、フードコートに来る客層は幅広い。そこで、誰もが食べてみたいと感じられて、値ごろ感のあるメニューを揃えるように工夫した。

 その一つが、「生ハムの彩りサラダとハーフパスタのセット」(税込み980円)だ。パスタはハーフサイズだが、ボリュームのある野菜と、海藻が入った球状の揚げパンが添えられており、食べごたえがある。

モスフードサービスが開発したパスタの店「ミアクッチーナ」。当初からフードコート向けの業態開発を目指し、事業担当者は社内で公募した
ミアクッチーナの看板商品「生ハムの彩りサラダとハーフパスタのセット」(税込み980円)。添えられている海藻入りの揚げパン「ゼッポリーニ」は、ミアクッチーナのオリジナル商品

コメント1件コメント/レビュー

巨大チェーンの新業態が個人店に勝てないということを、この簡単な一文にまとめるのは正しいとは思えない。巨大チェーンに勝てる個人店は数多ある個人店の極一部。巨大チェーンが購買力によってコスト競争を仕掛けても、優秀な個人店に勝てない一番の要因は店主の覚悟と巨大チェーンの時給ではたらくアルバイト店員とは勝負にならないということ。いくらすばらしいマニュアルを作ってアルバイトを働かしても、アルバイト達がメリットを享受することは殆どない。働くものにより良く働いたことへの褒美がないなら、アルバイト店員からの顧客満足度が上がる理由もない。チェーン店の経営者の論理は、企業収益を上げるためにメニューとサービスを充実させる顧客満足度を上げる。メニューやサービスは利益を上げるための過程に過ぎない。従業員はただの駒。自分の一生を掛けて働く個人店では、働く人間と経営者が同一なためにこの問題がない。それでも繁盛している店が、支店を増やして営業拡大するほど失敗の確立が高くなる。人事をなおざりに出来る業界の慣習に甘んじていることが飲食チェーンの最大の弱みでしょう。(2016/05/25 07:35)

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「歴史覆せるか?「外食大手の新業態は失敗する」」の著者

河野 紀子

河野 紀子(こうの・のりこ)

日経ビジネス記者

日経メディカル、日経ドラッグインフォメーション編集を経て、2014年5月から日経ビジネス記者。流通業界(ドラッグストア、食品、外食など)を中心に取材を行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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巨大チェーンの新業態が個人店に勝てないということを、この簡単な一文にまとめるのは正しいとは思えない。巨大チェーンに勝てる個人店は数多ある個人店の極一部。巨大チェーンが購買力によってコスト競争を仕掛けても、優秀な個人店に勝てない一番の要因は店主の覚悟と巨大チェーンの時給ではたらくアルバイト店員とは勝負にならないということ。いくらすばらしいマニュアルを作ってアルバイトを働かしても、アルバイト達がメリットを享受することは殆どない。働くものにより良く働いたことへの褒美がないなら、アルバイト店員からの顧客満足度が上がる理由もない。チェーン店の経営者の論理は、企業収益を上げるためにメニューとサービスを充実させる顧客満足度を上げる。メニューやサービスは利益を上げるための過程に過ぎない。従業員はただの駒。自分の一生を掛けて働く個人店では、働く人間と経営者が同一なためにこの問題がない。それでも繁盛している店が、支店を増やして営業拡大するほど失敗の確立が高くなる。人事をなおざりに出来る業界の慣習に甘んじていることが飲食チェーンの最大の弱みでしょう。(2016/05/25 07:35)

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