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「近大マグロ」の物語、受験生の心つかむ

他校にはないシンボリック・ストーリーで躍進

2016年5月31日(火)

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この連載では企業戦略の文脈でこれまであまり語られてこなかった、人を引きつける「物語」の効果を紹介しています。ビジネスパーソンは物語をどのように活用すればよいのか。私たちは『物語戦略』という本にヒントをまとめました。

今回は独自の実学教育のシンボルとして「完全養殖マグロ」の物語を前面に打ち出すことで、受験志願者数全国1位などの躍進を遂げた、近畿大学のケースを紹介します。

前回から読む)

近畿大学が“シンボリック・ストーリー”として活用したのは、「マグロ」の物語。近畿大学は30年以上の試行錯誤を経て、世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功したという唯一無二の物語を持つ。実学教育のシンボルとして、『近大マグロ』を前面に出したビジネス戦略を展開した結果、受験志願者数全国1位を獲得するなど、トップ私学に負けない独自のポジションを確立した

「いい話」=「シンボリック・ストーリー」にあらず

 前回は、企業の強みを象徴する物語=シンボリック・ストーリーを武器にしている会社の事例などを紹介しました。今回は、シンボリック・ストーリーの条件について考えてみましょう。

 シンボリック・ストーリーとして抽出できる物語は、多岐にわたってきます。人に関わる物語、商品に関わる物語、顧客とのエピソードなど、その主役は有形のものから無形のものまでさまざまです。

 企業の置かれた状況や目的に応じてシンボリック・ストーリーを抽出していく方法は、『物語戦略』で実践的なフレームワークや期待できる効果などを詳しく解説しました。ここでは特に重要なポイントを解説します。

物語を「ふるい」にかける

 まず大事なことは、「いい話」=「シンボリック・ストーリー」ではないということです。その見分け方は何でしょうか。

 最初にかけるべき「ふるい」は、「送り手と受け手が、ウィンウィン(Win-Win)になる物語かどうか」です。送り手とは物語を発信する側、つまり企業です。受け手とは物語を受け取る側、つまり顧客のことです。

 まず、送り手である企業にとってのウィン(Win)とは、「戦略の方向性に合致する」ということです。それがビジネスモデルに組み込まれたときに、戦略要素と密接に結びつき、より強いビジネスモデルを実現できなければなりません。

 そして受け手である顧客にとってのウィンとは、端的にいっておもしろいことです。つまり「人に話したくなるような物語」であることです。

 送り手が「伝えたい」と思っている物語がおもしろいとは限りません。物語の価値を判断するのは、あくまでも受け手です。人の琴線にふれるものでなければ、人に伝える価値のある物語とはなり得ません。

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「「近大マグロ」の物語、受験生の心つかむ」の著者

内田 和成

内田 和成(うちだ・かずなり)

早稲田大学ビジネススクール教授

慶応義塾大学ビジネス・スクールでMBAを取得。日本航空を経て、ボストン コンサルティング グループ(BCG)に入社。2000年6月から2004年12月まで BCG日本代表。2006年4月から現職。。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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三品 和広 神戸大学教授