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電子たばこの「仁義なき戦い」

激化する開発競争、陰の主役は中国

  • 河野 祥平

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2016年6月15日(水)

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 日経ビジネス6月13日号の特集「JT かすむ未来図」で、大きな注目を集める新分野として紹介したのが「電子たばこ」だ。健康リスクの低減可能性などへの期待から急速に市場が拡大。たばこ大手も相次ぎ参入して競争は激化しているが、規制の整備が追い付かないなど課題も抱えている。電子たばこ先進国の英国などの取材を通じて見えてきたのは、意外にも紙巻きたばこで「鎖国政策」を取る中国の知られざる存在感だった。

*当連載は、日経ビジネス2016年6月13日号特集「JT かすむ未来図」との連動企画です。こちらもあわせてご覧ください。

英国は電子たばこの「先進国」だ(写真:永川智子、以下同)

 「初心者向けからヘビーユーザー用まで色々なデバイスがあるし、フレーバーも何でもある。ゆっくり選んでみてよ」。そう言うと長髪の若い男性店員は強烈な「爆煙」を気持ちよさそうにはき出した。4月中旬、英国・ロンドンで取材に訪れた電子たばこの専門店「House of Vapes(電子たばこの館)」での一幕だ。

 同店はロンドンでも有名な専門店の1つで、平日の午後にも関わらず店内は多くの客で賑わっていた。外回り中のビジネスマンや品の良い初老の女性、ヒッピー風の若者など様々。ただ、薄暗い店内は白くかすみ、柑橘系の甘い香りなどが立ち込める。同行した日本たばこ産業(JT)の広報担当者も、「これは、すごいですね……」と呆然とするほどのインパクトだった。

市場は2030年に5兆円超

 電子たばこは特集で紹介したように、市場環境が厳しさを増す紙巻きたばことは対照的に、急成長している新分野の製品だ。専用機器に内蔵された電熱器でニコチンや香料を溶かした液体を加熱して吸引する仕組みで、吐き出すのは煙ではなく蒸気。そのため、電子たばこを吸う行為は「Smoke(煙を吸う)」ではなく「Vape(蒸気を吸う)」と表現される。ちなみに、日本ではこうした液体タイプの電子たばこは法律上、医薬品・医療機器に該当する。

ロンドンの専門店には多くの客が訪れる

 英ユーロモニター・インターナショナルの試算によると、電子たばこの市場は全世界で2014年に70億ドル(約7700億円)で、2030年には510億ドル(約5兆6600億円)に拡大する見通し。英国は米国に次ぐ2番目の市場と目されており、専門店だけでなく多くのコンビニエンスストアなどでも扱われている。

 電子たばこが普及しているのは、健康リスク低減の可能性や、コストパフォーマンスの良さが消費者に受け入れられているためだ。科学的な検証が不十分という面はあるものの、各社は紙巻きたばこに含まれるタールなどの有害物質が、電子たばこでは発生しない点などをPR。さらに紙巻きたばこと比べて税負担が低いケースも多く、相対的に店頭価格が抑えられているという点もある。

 電子たばこの特徴は製品だけではなく、その市場の成り立ちにもある。寡占化が進む紙巻きたばこと異なり、電子たばこは無数のベンチャー企業が参入し、新商品を積極的に展開することでユーザーを獲得してきたのだ。機器の仕組みは必ずしも精密機械のように複雑なものではなく、従来は規制も整っていなかった。参入障壁の低さが市場拡大を後押ししてきた面がある。

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