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「CLUB Panasonic」が広告事業開始へ

事業会社が広告で稼ぐ時代

2016年6月30日(木)

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 これからの経営イノベーションにはデジタル、データ、デザインの3つの「D」が欠かせない。2016年7月に新イベント「D3 WEEK 2016」を開催する専門誌3誌が、最新の企業事例やキーパーソンのインタビュー記事などで、その可能性を探ります。

 連載第3回は、7月26日に登壇するパナソニックが年内にも開始する予定の、会員サイト「CLUB Panasonic」を活用した新しい広告事業の全貌に迫ります。

 パナソニックは、CRM(顧客関係管理)サイト「CLUB Panasonic」上で展開しているポイントモールで、年内に広告事業を始める。2016年4~9月期に料金体系などのメディアシートを作り、2016年10~2017年3月期に広告代理店やメディアレップを通じて販売を始める。広告商品は、CLUB Panasonicの会員を、ポイントモール経由で広告主のコンテンツや店舗などへ誘導するものだ。

「CLUB Panasonic」上で展開しているポイントモール

 CLUB Panasonicの会員数は、820万人に上る。月間ページビュー(PV)は既に2億2000万に達しており、企業サイトとしては非常に大きなトラフィックを持つ。会員は所有するパナソニック製品の製造番号などを愛用者登録することで、限定コンテンツを楽しめたり、サポート情報が手に入ったりする。こうした登録データから、大型テレビの所有者といった高所得者層が多数登録していることも分かっているという。

 このような特徴から、「自動車メーカーなど富裕層にアプローチしたい企業から、広告を出稿したいという要望をもらうことが増えてきた」(クラブパナソニック運営部の中村愼一部長)。そこで、本格的に広告事業の展開を決めた。富裕層を囲い込んでいる広告媒体は希少なため、広告出稿の大きな需要があると見込む。

活性化目指しポイントモール

 ポイントモールでの広告事業は、CLUB Panasonicにとって収益を生む新規事業として期待が高い。だが、目的はあくまで会員の活性化だ。「自社のマーケティング原資ではポイント発行に限界がある。広告主を募ることで収益を得て、それを基にさらにポイント流通量を増やし、会員の活性化につなげる」(中村氏)。

 ポイントモールは2015年2月に開設した。モールには、連携するさまざまなEC(電子商取引)サイトや保険の一括見積もりなど、他社サービスに誘導するリンクが掲載されている。このモール経由で各サービスを利用したり、モール上のゲームで遊んだりすれば、ポイント「CLUB Panasonicコイン」が貯まる。

 例えば、モール経由でニッセンのECサイト「ニッセンオンライン」で商品を購入すると、購入金額の3%がコインとして還元される。また三井住友カードのクレジットカード「三井住友VISAカード」の新規発行で2100コインを得られるなど、140社のサービスに誘導できる。ためたコインは、電子マネーの「楽天Edy」や「nanaco」、全日本空輸の「マイル」などに交換して使うこともできる。

 従来もCLUB Panasonicではポイントを提供していたが、あくまでCLUB Panasonic上でのキャンペーン応募に利用するもので、用途が限定的だった。通貨に近い形で利用できるCLUB Panasonicコインを提供し始めたところ、サイトの利用が大幅に増加した。「モールは好評で多くの会員を誘導しているため、連携する企業からのポイント還元率が高まっている。よりお得に利用できるため、一層利用が促進されるという好循環が生じている」(中村氏)。

 そこで、さらなる活性化を目指して、自動車や化粧品メーカーなどからも広告出稿を受け入れることにした。具体的には、モール経由のディーラーでの試乗の申し込みや、新商品のプロモーション動画の閲覧など、広告主が実現したい目的をかなえた会員にコインを付与するといった形で、活用できるようにする。

 こうした広告商品の提供によって誘導先の幅が広がることは、パナソニックにとって、会員活性化以外のメリットを得られる可能性もある。それがデータだ。

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「「CLUB Panasonic」が広告事業開始へ」の著者

中村 勇介

中村 勇介(なかむら・ゆうすけ)

日経デジタルマーケティング編集記者

日経ネットマーケティングの編集を経て、2011年2月から日経デジタルマーケティング編集部に在籍。デジタルマーケティング業界の進化のスピードの速さに追われながらも、時流に沿った企画を考えている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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