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発明が好きすぎて大企業を飛び出した人たち

2016年7月4日(月)

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 日本企業の発明力は落ちた――。1990年代からこう言われることが多くなってきた。日経ビジネス7月4日号「本当は凄いニッポンの発明力」でも掲載したように、エアバッグや3Dプリンタといった技術は、日本人が発明したものの他国が市場の主導権を握ってしまった。バブル崩壊以降、開発者は失敗を恐れ、斬新な商品開発よりも、既存商品の改善に明け暮れたことも一因とされている。

単三乾電池型の機器「MaBeee(マビー)」。ノバルスの岡部顕宏社長は大きな市場があると自信をみせる(写真撮影:北山宏一)

 だがいま商品開発のハードルがぐっと下がったことで、大企業を飛び出して起業する人が増えている。部品は仕入れやすくなり、資金調達や販路開拓もクラウドファンディングサービスを使えば消費者から直接集められるようになった。アイデアさえ面白ければ商品化にこぎつけやすくなったからだ。大企業出身の起業家になぜ社内で取り組まなければならなかったのか聞いたところ、現状の課題が見えてきた。

 まず多くの起業家から出てきた課題が「本業との相乗効果を求めすぎる」ことだ。発明は新しい収益の柱となる可能性を秘めているにもかかわらず、早く採算を合わせたいために、本業との関連性を気にしてしまう。

 「セイコーに新規事業のアイデアとして出したら笑われたでしょうね」と話すのは、セイコーインスツルを退社し起業したノバルスの岡部顕宏社長。岡部社長は単三乾電池に装着するとスマートフォンで操作できる「MaBeee(マビー)」を開発した。例えば、電車のおもちゃに装着すると加減速をスマートフォンで操作できるようになる。多額の投資をしなくても、マビーさえ取り付ければ、あらゆるものがインターネットへつなげられるようになる。岡部社長は「乾電池で駆動する機器なら何でも使える。市場は大きい」とみる。

 岡部社長はセイコー時代も新規事業部門で働いていた。「事業化を検討するときはどうしても本業とのシナジーを考えていた」(岡部社長)。電池関連では本業とのシナジーが見込めず、説得することは困難とみた岡部社長は起業を選んだのだ。

 商品化にあたり、サイバーエージェント・クラウドファンディングの資金調達サイト「makuake」で購入希望者を募集したところ、目標金額の13倍にあたる約650万円を調達できた。マビーの業務用途の引き合いも増えており、新しい市場を開拓できている。

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「本当は凄い ニッポンの発明力 必ず作れる!世界が欲しがる商品18」のバックナンバー

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「発明が好きすぎて大企業を飛び出した人たち」の著者

西 雄大

西 雄大(にし・たけひろ)

日経ビジネス記者

2002年同志社大学経済学部卒業。同年、日経BP社に入社。日経情報ストラテジー、日本経済新聞社出向、日経コンピュータ編集部を経て、2013年1月から日経ビジネス編集部記者。電機、ネットなどを担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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