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東芝、1兆円赤字は「いばらの道」の始まり

WHが米連邦破産法11条を申請、債務超過が拡大

2017年3月30日(木)

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東芝の綱川智社長(写真:竹井 俊晴、3月14日撮影)

 「米ウエスチングハウス(WH)がチャプター11を申請しただけで、原子力関連のリスクを完全に遮断できるわけではない。米電力会社などとの協議は、むしろこれからが本番だ」。WH駐在経験のある東芝関係者はこうつぶやいた。

 東芝は3月29日、米原子力子会社のWHなど2社が米連邦破産法11条(チャプター11、日本の民事再生法に相当)の適用を申請したと発表した。2社の負債総額は98億ドル(約1兆900億円)。申請に伴いWHは東芝の連結対象から外れ、破産裁判所の管轄の下で債権者などとの協議が始まることになる。

 記者会見した東芝の綱川智社長は、チャプター11の申請について「WHの再建にとって重要で、海外原子力事業のリスクを遮断するという東芝の方針にも合致する」と説明した。

 東芝はこれまで、米国で建設中の4基の原発を巡り7125億円の損失を計上し、2017年3月期は3900億円の最終赤字に転落する見通しを示していた。WHがチャプター11を申請したことに伴い、赤字幅はさらに拡大する。

3月末の株主資本は6200億円のマイナス

 東芝は親会社としてWHの債務を保証している。発表資料によると2017年2月末時点で6500億円規模に達し、今回その金額を全額引き当て計上する。さらに東芝はWHに対して1756億円の債権を保有しており、これについても全額を貸倒引当金として見積もることになる。WHが連結対象から外れる影響を考慮しても、最終損益段階で6200億円の悪化影響があるという。

 その結果、2017年3月期の最終赤字は1兆100億円に拡大し、期末の株主資本は6200億円のマイナスになる可能性がある。従来予想では債務超過額が1500億円にとどまるとしていた。

コメント4件コメント/レビュー

東日本大震災当時、私は仕事で中国の深センにいた。「相当な被害らしい」というニュースは流れていたが、中国ではYouTubeや西側の映像ニュースの閲覧が禁止されていて見られなかったので、本当の凄さは半年過ぎた帰国後に初めて知った。津波で家々が流される様、その家の上に人が残っているものもあった。「悲惨」を通り越して、声も出なかったと言って良い。この事故後に原発は次々と停止に追い込まれ、最終的に全ての原発が停止した。そんな時、「東芝は何故WHを売却しないのだろうか?」と感じた。というのも、国内での原発の新規建設は桁違いに難しくなるし、「一番安い」と言われていた発電単価も使用済み燃料の最終処分までの費用や災害リスクの引当金などが十分に取られていないので、以降は原発発電単価は「最高」に逆転する可能性が高かったからだ。少なくとも国内において、全く将来性のない産業に会社の未来を託す様なことが信じ難かった。ほんの最近になって、実は東芝によるWHのM&Aには当初予算の倍の金が使われた事を知った。「無理して買った会社だから、簡単には手放せない」のは人情としては分かるが、経営者としては完全に失格。これほどリスクの多い商売にも拘らず、あちこちで無制限に近い債務保証をしていることも呆れてものも言えない。私自身は米系企業の購買部門で数年働いた経験を持ち、契約書ではあらゆるリスクを回避する条項を入れていたし、同じ会社の営業サイドの契約書も同じ様にリスクを避けていた。購買サイドはまだしも、販売側でその様な契約条項でよく顧客が同意するものだと感心したものだ。これが欧米企業のリスク対策だが、東芝は契約を取るためにありとあらゆるリスクまで背負いこんでしまった様だ。こんな甘さでは国際競争の中ですり潰されてしまうだろう。(2017/03/30 11:34)

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「東芝、1兆円赤字は「いばらの道」の始まり」の著者

小笠原 啓

小笠原 啓(おがさわら・さとし)

日経ビジネス記者

早稲田大学政治経済学部卒業後、1998年に日経BP社入社。「日経ネットナビ」「日経ビジネス」「日経コンピュータ」の各編集部を経て、2014年9月から現職。製造業を軸に取材活動中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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東日本大震災当時、私は仕事で中国の深センにいた。「相当な被害らしい」というニュースは流れていたが、中国ではYouTubeや西側の映像ニュースの閲覧が禁止されていて見られなかったので、本当の凄さは半年過ぎた帰国後に初めて知った。津波で家々が流される様、その家の上に人が残っているものもあった。「悲惨」を通り越して、声も出なかったと言って良い。この事故後に原発は次々と停止に追い込まれ、最終的に全ての原発が停止した。そんな時、「東芝は何故WHを売却しないのだろうか?」と感じた。というのも、国内での原発の新規建設は桁違いに難しくなるし、「一番安い」と言われていた発電単価も使用済み燃料の最終処分までの費用や災害リスクの引当金などが十分に取られていないので、以降は原発発電単価は「最高」に逆転する可能性が高かったからだ。少なくとも国内において、全く将来性のない産業に会社の未来を託す様なことが信じ難かった。ほんの最近になって、実は東芝によるWHのM&Aには当初予算の倍の金が使われた事を知った。「無理して買った会社だから、簡単には手放せない」のは人情としては分かるが、経営者としては完全に失格。これほどリスクの多い商売にも拘らず、あちこちで無制限に近い債務保証をしていることも呆れてものも言えない。私自身は米系企業の購買部門で数年働いた経験を持ち、契約書ではあらゆるリスクを回避する条項を入れていたし、同じ会社の営業サイドの契約書も同じ様にリスクを避けていた。購買サイドはまだしも、販売側でその様な契約条項でよく顧客が同意するものだと感心したものだ。これが欧米企業のリスク対策だが、東芝は契約を取るためにありとあらゆるリスクまで背負いこんでしまった様だ。こんな甘さでは国際競争の中ですり潰されてしまうだろう。(2017/03/30 11:34)

共産圏へ工作機械を輸出したココム事件の時もそうなのだが、経産省からの天下りが主因の経営ミスが酷すぎる。 これじゃ従業員もそうだが消費者もたまったものではないだろう。(2017/03/30 11:27)

東芝の崩壊自体はインパクトの大きさはあれ一企業の問題に過ぎないが、フレッシュメモリー事業が中国・台湾に売られることになれば、一気に安全保障問題になる。東芝には、武士の一分としてこれだけは避けてほしい。(2017/03/30 08:26)

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