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中学生が読んで自衛隊違憲となる憲法はおかしい

国際政治学者・三浦瑠麗氏に聞く

2017年8月3日(木)

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安倍晋三首相が、憲法9条に「自衛隊の存在を明記する条文を加える改正を目指す」との意向を示したのを受けて、改憲論議がにわかにあわただしくなってきた。果たして、どのように改憲すべきなのか。議論は百家争鳴の様相を呈す。「9条2項は敗戦の残滓」と説く東京大学政策ビジョンセンターで講師を務める、国際政治学者の三浦瑠麗氏に聞いた。

(聞き手 森 永輔)

三浦瑠麗(みうら・るり)
1980年生まれ。国際政治学者。東京大学政策ビジョンセンター講師。主な著書に『国家の矛盾』『トランプ時代の新世界秩序』など。(写真:加藤 康、以下同)

三浦さんは憲法9条2項の削除もしくは改正を主張しておられます。これはなぜですか。

三浦:ご存知のように9条1項は平和主義をうたっています。1928年に署名された不戦条約(ケロッグ・ブリアン条約)は侵略戦争を禁止しました。国際連合に加盟する国はすべて、この禁止を守る義務があります。日本にとっては、先の大戦で経験した失敗を反省し言語化したものと言えるでしょう。9条1項の精神を日本ほど痛切に感じている国はありません。

不戦条約 第一条
締約国は、国際紛争解決のため、戦争に訴えないこととし、かつ、その相互関係において、国家の政策の手段としての戦争を放棄することを、その各自の人民の名において厳粛に宣言する。

 一方、9条2項は、1945年に戦争に負けた日本が、1項で定めた目的を達成するために、1947年施行の憲法において定められたものです。当時の米国からみれば日本は軍部独裁の下で侵略戦争を行ったわけですから、再び米国の脅威とならないためにも日本には軍の保有を認めないということになった。いわゆる敗戦国規定です。

第九条
①日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
②前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 二度と侵略戦争をすることがないよう「戦力は、これを保持しない」と定め、陸海空の3軍を廃止しました。

 戦力を持たない日本の安全は、国連を代表して米国が守ることになりました。米国が軍政を敷き、日本の主権を一部制限したのはご存知の通りです。

 この当時と今日とを比べると状況はまったく異なります。今も米軍は駐留していますが、占領しているわけではありません。軍政が敷かれているわけでもない。米軍に守ってもらっている部分もありますが、自衛隊によって自分で守っている部分もあります。その自衛隊が侵略戦争を起こす懸念もないでしょう。

 終戦から70年以上がすぎ、このように状況は大きく変わりました。それになのに当時定めたものを今日もそのまま適用するのは適切なことでしょうか。9条1項を達成するための手段としての2項は現実として死文化している。もう必要ないのではないでしょうか。

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「中学生が読んで自衛隊違憲となる憲法はおかしい」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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