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マクロン仏大統領が変える欧州と世界

よみがえる強力な仏独連携

2017年6月20日(火)

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フランス国民議会(下院)選挙では、「マクロン新党」が勝利した。(写真:Abaca/アフロ)

 フランス国民議会(下院)選挙の決戦投票で、マクロン大統領率いる新党「共和国前進」が単独過半数を確保した。左右を糾合した中道政権の誕生で、共和党、社会党の既成の2大政党は窮地に追いやられた。台頭したかにみえた極右ポピュリズム(大衆迎合主義)の「国民戦線」も失速した。

 マクロン大統領は、絶対多数の安定政権を獲得したことで、労働市場改革などを通じて、フランスの再生に立ちあがることになる。さらに、欧州主義者であるマクロン大統領の登場で、仏独主導による欧州連合(EU)の再生が動き出すだろう。トランプ米大統領がもたらした混迷の世界にあって、若き大統領が新たな指導力を発揮する可能性がある。

英仏大逆転

 マクロン新党の勝利は、英国の総選挙でメイ首相の保守党が事実上敗北した直後だけに、英仏の落差を際立させている。フランスではルペン党首率いる極右「国民戦線」の台頭に、危機感が広がり、欧州にとって最大の政治リスクになってきた。第3勢力にすぎないとみられてきたマクロン氏が予想を上回る伸長をみせたのは、極右台頭への警戒とともに、共和、社会という既成政党への不満がフランス社会に広がったことを示している。

 一方で、総選挙の前倒しでBREXIT(EU離脱)交渉で国内基盤を固めようとしたメイ首相にとって、総選挙での敗北は大誤算だった。キャメロン政権下でEU離脱をめぐる国民投票に反対してきたオズボーン元財務相は、メイ首相は夏までもたないと早くも警告している。保守党敗北にもかかわらず、メイ首相が続投するのは、人気取り主義のジョンソン外相に不信感がある一方で、労働党のコービン党首には左翼色が強すぎるという警戒感があるからだ。メイ続投はまさに「消去法」の選択なのである。

 これに対して、フランスで既成政党への不満と極右への警戒のなか、「消去法」で登場したとされたマクロン大統領だが、いまや欧州、そして世界のリーダーとして期待されている。ここでも英仏大逆転は鮮明である。

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「マクロン仏大統領が変える欧州と世界」の著者

岡部 直明

岡部 直明(おかべ・なおあき)

ジャーナリスト
明治大学 研究・知財戦略機構 国際総合研究所 フェロー

1969年早稲田大学政治経済学部を卒業し、日本経済新聞社入社。ブリュッセル特派員、ニューヨーク支局長、経済部次長、金融部次長、論説委員などを経て、取締役論説主幹、専務執行役員主幹。早稲田大学大学院客員教授などを歴任。2012年より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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