• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

マクロン仏大統領が変える欧州と世界

よみがえる強力な仏独連携

2017年6月20日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

フランス国民議会(下院)選挙では、「マクロン新党」が勝利した。(写真:Abaca/アフロ)

 フランス国民議会(下院)選挙の決戦投票で、マクロン大統領率いる新党「共和国前進」が単独過半数を確保した。左右を糾合した中道政権の誕生で、共和党、社会党の既成の2大政党は窮地に追いやられた。台頭したかにみえた極右ポピュリズム(大衆迎合主義)の「国民戦線」も失速した。

 マクロン大統領は、絶対多数の安定政権を獲得したことで、労働市場改革などを通じて、フランスの再生に立ちあがることになる。さらに、欧州主義者であるマクロン大統領の登場で、仏独主導による欧州連合(EU)の再生が動き出すだろう。トランプ米大統領がもたらした混迷の世界にあって、若き大統領が新たな指導力を発揮する可能性がある。

英仏大逆転

 マクロン新党の勝利は、英国の総選挙でメイ首相の保守党が事実上敗北した直後だけに、英仏の落差を際立させている。フランスではルペン党首率いる極右「国民戦線」の台頭に、危機感が広がり、欧州にとって最大の政治リスクになってきた。第3勢力にすぎないとみられてきたマクロン氏が予想を上回る伸長をみせたのは、極右台頭への警戒とともに、共和、社会という既成政党への不満がフランス社会に広がったことを示している。

 一方で、総選挙の前倒しでBREXIT(EU離脱)交渉で国内基盤を固めようとしたメイ首相にとって、総選挙での敗北は大誤算だった。キャメロン政権下でEU離脱をめぐる国民投票に反対してきたオズボーン元財務相は、メイ首相は夏までもたないと早くも警告している。保守党敗北にもかかわらず、メイ首相が続投するのは、人気取り主義のジョンソン外相に不信感がある一方で、労働党のコービン党首には左翼色が強すぎるという警戒感があるからだ。メイ続投はまさに「消去法」の選択なのである。

 これに対して、フランスで既成政党への不満と極右への警戒のなか、「消去法」で登場したとされたマクロン大統領だが、いまや欧州、そして世界のリーダーとして期待されている。ここでも英仏大逆転は鮮明である。

コメント5件コメント/レビュー

マクロン大統領が将来、「第二のペタン元帥」と言われる日が来るやに思えてならない。
ドイツがフランスを対等のパートナーと考える日はもうじき終わる。(2017/06/27 12:35)

「岡部直明「主役なき世界」を読む」のバックナンバー

一覧

「マクロン仏大統領が変える欧州と世界」の著者

岡部 直明

岡部 直明(おかべ・なおあき)

ジャーナリスト
明治大学 研究・知財戦略機構 国際総合研究所 フェロー

1969年早稲田大学政治経済学部を卒業し、日本経済新聞社入社。ブリュッセル特派員、ニューヨーク支局長、経済部次長、金融部次長、論説委員などを経て、取締役論説主幹、専務執行役員主幹。早稲田大学大学院客員教授などを歴任。2012年より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

マクロン大統領が将来、「第二のペタン元帥」と言われる日が来るやに思えてならない。
ドイツがフランスを対等のパートナーと考える日はもうじき終わる。(2017/06/27 12:35)

「主役なき世界」とは正に時宜を得て大きく見える。如何に彼はいい奴だ、信頼できる奴と評価してくれても、斯く評する当の本人が何かにつけ疑心暗鬼の渦中話題になる御仁となれば、贔屓の引き倒しということもあろう。その昔、敵国、戦勝国と敗戦国、その後従属国でもあるまいにの一時期、今でも同じ感で過ごしている人たちも数多の中、兎も角仲良し、友達作戦と名付けての日米に、記述の英仏が、独仏が、米英、米独、米仏と順列・組み合わせを楽しむ暇はない。神話と史実は異なるとばかり、不都合な真実を隠し神話に着せ替えたりしてはいけない。記憶は瞬く間に薄くなって忘却されると自らにいいきかせて傍若無人ともいえる手練手管を駆使し、合法的かもしれないが禁じ手を使ってそれを実行、軽い会釈程度の謝罪陳謝に誠意は微塵も感じられない我が国、日本の最高意志決定機関の昨今だ。歴史は繰り返すとはよく言われる処だが、記述を前後しながら繰り返し読み直す。ジスカールデスタンとシュミットかぁ、そして先だって他界のコール首相を想うなど高邁で上等な政治絵巻を振り返る。生きて先々史実をこの目で見れるものでもなければ、コモンズの発生について実態の根本が、真善美に満ちた理念のもと、手法と方法は自由平等博愛に型どられた成果を作ること、つたえそしてつなぐ事は今の私もできる。(2017/06/20 12:26)

「EU内で独り勝ちを続けてきたドイツとの連携」がEUの未来にとっての最重要課題だ。ドイツはEU単一通貨故に国内産業が強くても「通貨高」というプレッシャーが発生しない仕組みを最大限享受している。EU内の「為替」に相当する仕組みを構築しないと、ドイツの一人勝ち状態は変わらず、フランス国内でも支持を得続ける事は難しくなるだろう。EU内での取引はモノやサービス、人の移動が自由ではあっても、国単位での収支は分かっている筈だから、「出超」の国にはより高いEU税を課するのが妥当だろう。EUの元々の理想は、将来的には連邦国家、または合衆国の様な形態まで持っていく事だとしたら、マクロンは理想の実現へのかじ取り役として最適だ。ドイツにかじ取りは任せられないのだから二番手のフランスは良い位置にいる。今でも各国のEU税の負担金は経済規模に応じている様だが、各国の予算額と比べると小さい。いずれ軍事と外交はEU一本に向かっていくのだろう。この世界的な実験には成功してもらいたいと願っている。(2017/06/20 11:38)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授