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試されるカタルーニャ文化の普遍性

「鳥の歌」は聞こえているか

2017年10月13日(金)

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 スぺインからのカタルーニャ州独立問題は、同州のプチデモン首相が独立宣言の延期を表明したことで、膠着状態が続く見通しになった。独立は住民投票で圧倒的支持を得たものの、スペイン政府は住民投票自体を憲法違反だと強硬姿勢を変えず、欧州連合(EU)など国際社会からも批判を浴びている。同州からの本社移転計画も相次ぐ。カタルーニャ州独立問題は、フランスとスペインのはざまで強権政治に翻弄される複雑な歴史が背景にあるが、同時にカタルーニャ文化のもつ民俗性と普遍性の相克が深くからんでいる。20世紀最高のチェリストであるパブロ・カザルスが平和への願いを込めて弾く民謡「鳥の歌」は聞こえているだろうか。

平和を訴えるカタロニア民謡の「鳥の歌」を世界に広めたチェリストのパブロ・カザルス(1876-1973)。(写真:GRANGER.COM/アフロ)

独立機運、EUに連鎖の懸念

 カタルーニャ州独立を問う住民投票は9割の支持を得たが、投票率は5割を切り、独立反対のデモもまたバルセロナ市内を埋め尽くした。プチデモン首相の独立宣言延期の表明に対して、スペイン政府のラホイ首相は憲法155条による同州の自治権剥奪に言及、独立をはっきり取り下げるよう迫った。野党もラホイ首相の支持に回っている。こうしたなかで、プチデモン首相も独立への強硬突破は避け対話路線に転換せざるをえなかったとみられる。

 なにより、仲介役を期待したEUが「内政問題だ」と取り合わなかったのが響いたのだろう。カタルーニャ州の狙いは独立してEUに加盟することにあったが、域内に多くの難題を抱えるEUには飲める相談ではなかった。EUでは離脱交渉中の英国にスコットランド独立問題があるほか、スペイン北部のバスク地方、ベルギー北部のフランドル地方など独立問題の火種を抱えている。カタルーニャ州独立で火がつけば、独立機運の連鎖が始まることをEUは警戒している。

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「試されるカタルーニャ文化の普遍性」の著者

岡部 直明

岡部 直明(おかべ・なおあき)

ジャーナリスト
明治大学 研究・知財戦略機構 国際総合研究所 フェロー

1969年早稲田大学政治経済学部を卒業し、日本経済新聞社入社。ブリュッセル特派員、ニューヨーク支局長、経済部次長、金融部次長、論説委員などを経て、取締役論説主幹、専務執行役員主幹。早稲田大学大学院客員教授などを歴任。2012年より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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