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「BREXIT」はこれからが難交渉になる

離脱条件でようやく合意

2017年12月12日(火)

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ようやく「第1段階」では合意に達したけれど…。英国のメイ首相(左)と欧州連合(EU)のユンケル委員長。(写真:ロイター/アフロ)

 英国のメイ首相と欧州連合(EU)のユンケル委員長は、英国がEU離脱にあたり支払う「清算金」など離脱条件でようやく合意した。これで英国とEUとの通商協議など第2段階の交渉に入れることになったが、2018年10月までのわずか10カ月間で難交渉がまとまる保証はない。メイ政権は強硬派とソフト離脱派との間で閣内不統一が目立つほか、頼みのメルケル独首相が政権協議の長期化で足を取られていることも響いている。交渉が不調に終われば、「サドンデス離脱」の危険もある。交渉の行方しだいでは、外資流出によるポンド危機など、英国経済は致命的な打撃を受けかねない。

これで「ブレークスルー」といえるか

 「BREXIT BREAKTHROUGH」(EU離脱への突破口)。英国のBBC放送は、メイ首相とユンケル委員長の合意をこう報じた。本来、10月のEU首脳会議で決着すべきだった離脱条件をめぐる合意が2カ月も先送りされたのである。安堵の気分はわかるが、「ブレークスルー」はややおおげさだろう。離脱交渉はやっとスタート台に立ったにすぎない。

 離脱条件は①英国のEUへの清算金の支払い②在英のEU市民と在EUの英国民の権利保障③アイルランドと英国の北アイルランドの国境問題──の3点を優先した。このうち、清算金については英国が500億ユーロ(約6兆7千億円)までかさ上げし譲歩した模様だ。英国、EU双方の国民の権利保障も歩み寄りがみられた。しかし、アイルランドと北アイルランドの国境管理は問題を先送りしている。

 現在はともにEU加盟国であるアイルランドと英国は自由な往来ができるが、英国の離脱後は国境問題に直面する。英国は離脱後も北アイルランドにはEUルールを残す案を提示したが、メイ政権と閣外協力する北アイルランドの民主統一党(DUP)が英国内の統一が失われると反対した。DUPの協力なしには、政権運営ができないメイ政権は、結局「今後の通商協議のなかで実現する」と問題を先送りせざるをえなかった。

 長年の懸案である「北アイルランド」問題は、英国にとって再び頭の痛い問題になってきた。英国のEU離脱で、離脱に反対したスコットランドに独立機運が高まったが、これに連動するように、北アイルランドとアイルランドの統合問題も浮上した。メイ政権は対応を誤れば、EU離脱に伴って「英国分裂」の危機にさらされることになる。

コメント7件コメント/レビュー

いつも思うが、筆者の「EUが完全なる善」という思い込みはどこから来ているのか。
文中にあるようにロンドンに欧州拠点を置く金融機関も保険として大陸に「分散」するだけであって、ロンドンを捨てるわけではない。
もっと離脱派の目論見についても分析しなくては、欧州の将来像を予測することなどできないだろう。(2017/12/13 17:30)

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「「BREXIT」はこれからが難交渉になる」の著者

岡部 直明

岡部 直明(おかべ・なおあき)

ジャーナリスト
明治大学 研究・知財戦略機構 国際総合研究所 フェロー

1969年早稲田大学政治経済学部を卒業し、日本経済新聞社入社。ブリュッセル特派員、ニューヨーク支局長、経済部次長、金融部次長、論説委員などを経て、取締役論説主幹、専務執行役員主幹。早稲田大学大学院客員教授などを歴任。2012年より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

いつも思うが、筆者の「EUが完全なる善」という思い込みはどこから来ているのか。
文中にあるようにロンドンに欧州拠点を置く金融機関も保険として大陸に「分散」するだけであって、ロンドンを捨てるわけではない。
もっと離脱派の目論見についても分析しなくては、欧州の将来像を予測することなどできないだろう。(2017/12/13 17:30)

EUはもともと西ドイツ、フランス、ベルギー、オランダあたりの鉱工業連盟だったはず。平和の観点とは別ではないでしょうか。
現在のEUにしてもアメリカに対する基軸通貨をめぐる覇権を取ろうというのが主眼だったかと。平和どころか何処も自国のために必死で戦争の機会を探しているようですよ。

またイギリスが統一通貨にしたくないのはタックスヘイブン絡みでポンドを生かす旨味があるからで、平和なんて観点からイギリスを語ったら、国として海賊を活用してきた歴史を持つイギリス人には馬鹿にされると思います。

そして何よりも、日経なんですから思想や希望じゃなくて実態を掲載してください。(2017/12/13 00:14)

「BREXIT」はこれからが難交渉になるのは当然だ。その取材とまとめ・整理という点ではこの記事には一定の価値があるかもしれない。だが,筆者はこの記事を通して何を主張したいのだろうか。意図が解らない。批判のための批判をすることで論説者の対面を保っているのか。「大衆迎合主義」と極右ポピュリズムをつなげてしまう潔さには驚きを通りこしてあきれてします。本来「主役無き世界」が実現する一因になるのはこのポピュリズムではないだろうか。その分析を切り捨てて何を「読もう」としているのか。経済の視点だけでなく,社会学的,歴史的視点からこの問題を掘り下げることが必要だと考える。現在の世界の動きを「国家」もしくは「国民国家」あるいは少しずれるが「領域国家(?)」を「主役」とする世界構造から「個人」,「民衆」,「共同体」,「仲間」というより多様で抽象化された「集団」に焦点が移った構造へと変化しようとしている流れの一環とみることができるのではないか。その要因として,情報の流動性・流通性の向上,コミュニケーションの多様化,価値観の多様化とその交換過程の多様化複線化などがある。こうした中で,「民衆」の質的変化が起こりつつあり,これが震源となって世界構造をうごかそうとしている。私にはそんな世界が見える。「BREXIT」も単純に「民衆」の「エゴ」の爆発だけではない。その奥にある「不安」や「感情」は「神の見えざる手」よろしく,社会を変えようとするある種の「人をして言わしめているメッセージ」とも取れる。このメッセージがEUをも揺らしている。その一面がドイツやスペインのカタルーニャに現れたのではないだろうか。(2017/12/12 11:34)

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