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米優良企業が示した「グループ経営の進化形」

エマソン社長が初めて語った、7000億円事業を手放す狙いとは

2016年8月2日(火)

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 ヒト、組織、カネ、3つの分野で子会社を解き放て――。日経ビジネス8月1日号特集「新・グループ経営論 縛らず統治せよ LINE、日立に見る成長のカギ」では、低成長時代でも拡大を続ける新しいグループ経営の姿について紹介した。

 かつては多くの子会社を傘下に抱えることが良しとされたが、状況は変わってきた。低成長時代には、親会社が硬直的な人事制度や出資比率などで子会社をガチガチに拘束すれば、グループの自律性は損なわれる。かと言って「君臨すれども統治せず」という放任主義では、子会社間で事業のカニバリズム(共食い)が起こり、グループの一体感は失われてしまう…。

 そこで、キーワードとなるのが子会社を縛らずに統治する新しいグループ経営論。そんな新時代のグループ経営を突き詰めた企業が米国にある。

 産業機械大手の米エマソン・エレクトリックがそうだ。

 産業用の制御機械・システムなどを手掛ける米エマソン・エレクトリックは消費者にとって馴染みが薄い。だが2015年度まで59期連続で1株配当を増やし続け、米ビジネス誌「フォーチュン」の「世界で最も称賛される企業」に選ばれるなど、隠れた優良企業でもある。

 そんなエマソンを率いるエドワード・L・モンザー社長は昨年、大きな決断を下した。稼ぎ頭のひとつで、今後も成長を見込める停電時電源装置を中心としたネットワークパワー部門などの売却を決めたのだ。

 その結果、エマソンが持つ60種類以上のブランドは半減し、売上高は223億ドル(約2兆3600億円)から154億ドル(約1兆6100億円)へと大幅に減ることになった。

米国本社でインタビューに応じたエマソンのモンザー社長

 なぜ自社グループを縮小させることを決めたのか。米ミズーリ州セントルイスにある本社でインタビューに応じたモンザー社長にこの決断について聞いた。

 「私はこれまでの人生をかけて、理想的なグループ経営のあり方、会社の構成について考え抜いてきた。その結果、これまでよりも事業領域を絞り、より早く外部環境の変化に対応できるようにするのがベストだと判断した」

 「確かに会社の規模は小さくなるが、大した問題ではない。その分だけ組織を簡素化できる。ダウンタームの今、それが何よりも重要だと思い至ったのだ」

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「米優良企業が示した「グループ経営の進化形」」の著者

林 英樹

林 英樹(はやし・えいき)

日経ビジネス記者

大阪生まれ。神戸大学法学部卒業後、全国紙の社会部記者として京都・大阪で事件を取材。2009年末に日本経済新聞社に入り、経済部で中央省庁担当、企業報道部でメディア・ネット、素材・化学業界などを担当。14年3月から日経BP社(日経ビジネス編集部)に出向し、製造業全般を取材している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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