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シチズンHD社長、事業持ち株会社への回帰を語る

悩み尽きぬ「ホールディングス体制」の是非

2016年8月3日(水)

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 純粋持ち株会社(ホールディングス、HD)か、事業持ち株会社か──。1997年にHDの設立が解禁されて以降、経営者たちが頭を悩ませている課題だ。

 事業規模や業種ごとに事情は異なり、市場環境の変化によっても最適な形は移り変わる。いったんHD体制を採用したものの、今年10月に事業持ち株会社への回帰を決めたシチズンホールディングスの戸倉敏夫社長に話を聞いた。

*この連載は、日経ビジネス 2016年8月1日号特集「新・グループ経営論」との連動企画です。

シチズンは2007年、HD体制に移行しました。当時の狙いを教えてください。

シチズンHDの戸倉社長は、時計事業の再強化を経営目標に掲げる (写真:尾関裕士)

戸倉:シチズンは時計が基盤事業ですが、当時の狙いはデバイスなど非時計事業にヒト・モノ・カネといった経営資源を集中させることにありました。ちょうどLED(発光ダイオード)など電子系のデバイスがグッと伸びていた時代でした。

 事業持ち株会社のシチズン時計が他事業を指揮するのではなく、HDのもとで時計とデバイスなどの非時計事業を対等に扱う。その結果として、両者を同じくらいの規模感に育てたい。当時の経営陣は「そのためには社内の意識を変えなきゃならないし、体制も変えなくては」と考えたのです。

 時計を「中長期を見据えた投資で確実に儲けていく事業」とするならば、デバイスは「短期である程度のリスクを冒してこそ果実を得られる事業」。これらを同じ物差しで見ていては成長できないよねという考え方でした。実際に設備投資でも人材の配置でも、社内はぐっとデバイスなどの非時計事業寄りになりました。

HD移行が“流行り”だった面も

そのデバイス事業は、市況の悪化に苦しみました。

戸倉:厳しかった。時計だと競合といってもスイス勢と、国内ではセイコーとカシオの2社くらいしかない。ところが、電子部品などデバイスは韓国や台湾のジャイアント企業がいくらでもいる。歴史、文化、競合関係──。ビジネスを決定づける要素は色々あって、組織体制を変えるだけでは上手くいかなかった。(いま考えれば)当時はHD移行が“流行り”だった面もあるかもしれません。

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「シチズンHD社長、事業持ち株会社への回帰を語る」の著者

藤村 広平

藤村 広平(ふじむら・こうへい)

日経ビジネス記者

早稲田大学国際教養学部卒業、日本経済新聞社に入社。整理部勤務、総合商社インド拠点でのインターン研修などを経て、企業報道部で自動車業界を担当。2016年春から日経ビジネス編集部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中谷 巌 「不識塾」塾長、一橋大学名誉教授