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官僚化を遠ざける、オーナーマインドと革新志向

  • 火浦 俊彦

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2016年9月7日(水)

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 コンサルティング会社、ベイン・アンド・カンパニーによる調査分析の結果、持続的成長をなしとげる会社は、事業を軌道に乗せた野心的で大胆な創業者の態度と行動を保持していることが分かっています。このマインドをベイン・アンド・カンパニーは、「創業目線」と呼び、『創業メンタリティ』という書籍にまとめました。創業目線は、成長途上の新興企業が規模と資金力で勝る既存企業と競争するとき優位に立つカギであり、「オーナーマインド」「革新志向」「現場へのこだわり」という3つの要素を含んでいます。

 今回は、日本企業に特に欠けている「オーナーマインド」と「革新志向」の2つの要素について考えてみます。「現場へのこだわり」については日本企業は保持しているケースが多いからです。日本経済の再生のためには、この2つの要素の改善が喫緊の課題です。
プライベートエクイティファンド「3Gキャピタル」の創設者、ジョルジ・パウロ・レマン。日本企業は、彼のすさまじい「オーナーマインド」を学ぶ必要がある。(写真:ロイター/アフロ)

 前回見たような経緯で官僚化した日本企業を、「創業メンタリティ」という概念に照らすと、日本企業に特に欠けている要素が見えてきます。

 創業メンタリティの3要素(「革新志向」「オーナーマインド」「現場へのこだわり」)のうち、「現場へのこだわり」は相変わらず日本企業が保持しているケースが多いですが、その他の二つの要素については大いに改善の余地があります。

日本企業に欠ける創業メンタリティ①「オーナーマインド」

 まずは、「オーナーマインド」。企業の官僚化が進行する中で、あなたの仕事は“我が事”ではなく、“他人事”にはなっていないでしょうか。自らの責任領域を狭く定義してその中での責任にとじこもってしまう、あるいは責任を細分化して他の人とシェアすることで誰が責任を取るのか不明瞭になる──というようなことは起こっていないでしょうか。

 また、自分に関係がある所については責任をもって仕事をする一方、他の人の領域には手を出さないといったことはないでしょうか。表向きの理由は「専門外だから」と言っておきながら、実は他人の所に口を出すと自分の所にも口を出されるため、「口を出さない代わりに、自分の所にも口を出すな」というメンタリティになっていないでしょうか。もしそうであるとすれば、それは自分のエゴを守るためのものであって、会社全体の結果に責任を持とうというオーナーマインドではありません。

 オーナーマインドを組織に植え付けるために、「3Gキャピタル」というプライベートエクイティファンドのやり方をここでは紹介します。

 3Gキャピタルは、ブラジルの所得番付で1位にもなったジョルジ・パウロ・レマンを中心に始めた投資ファンドです。2010年には米ハンバーガーチェーンであるバーガーキングを約40億ドルで買収しています。また、世界第1位のビール会社であるベルギーのアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI)の大株主でもあります。3Gキャピタルが関与した買収企業の収益改善度合いは、凄まじいものです。

 例えば、3Gキャピタルが著名投資家ウォーレン・バフェット氏と共同で買収したハインツの利益率は、2013年の18パーセントから1年間で8ポイント向上しました。またABIも買収を繰り返すごとに収益性を改善しています。投資ファンドのイメージ通り、激しくリストラやコストカットを行っているように外からは見えますが、もう少し詳細に活動を見ていくと違った光景が見えてきます(■図1)。

■図1 投資ファンドの収益改善手法
注:「ゼロベース」とは、物事を最初からやりなおすこと。ゼロの状態から検討しなおすことを差す

出所: ベイン・アンド・カンパニー

 短期的には、まず無駄なコストを徹底的に削減することから着手します。販売管理費は10パーセント削減を目標にし、特に調達や投資の領域には聖域なく手を入れます。まさにハゲタカ的な投資ファンドのイメージそのままです。

 しかし、彼らの組織・人員についての手の付け方を見ていると様相が異なってきます。

 まずは、組織の階層をとにかく減らします。そして、単純化して責任を明確にします。ファンドは買収後すぐに買収会社の役員・部長クラスの人々と面談を行いますが、その面談で自分の、あるいは自分の部署の役割と責任が、明確に説明できない場合は、その時点で自分のポジションや担当する部がなくなるとの冗談も出るほどです。

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