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嘆く農民と赤茶けた水の池、中国汚染地帯を歩く

繰り返される環境破壊

2017年9月5日(火)

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 村の名前が書かれた門をくぐると素朴な平屋の住宅が立ち並ぶ“メーンストリート”がまっすぐに伸びていた。道の中ほどに村で唯一と思われる商店があった。

 店先で3人の女性がおしゃべりをしている。女性たちに「このあたりに汚染された池があると聞いたのだけれど」と声をかけると、ぶっきらぼうに「向こう」と指を指しながら答えた。何度か同じような質問を受けたことがあるのだろうか。隠すわけでもなく、有名な観光スポットを教えるような様子だったのが印象的だった

畑のすぐ横にある汚染地帯

 数百メートルほどのメーンストリートを抜けると、住宅は消え、トウモロコシなどが植えられた畑が広がっていた。池にもたどり着いたが、見た限りはひどく汚染しているようには見えない。

 あぜ道沿いの畑に1人で農作業をしている女性が見えた。先ほどと同様に「近くに汚染された池があると聞いたのだが」と声をかけると、「もっと進んだところにある」と返ってきた。

 女性の案内どおりに進むとさらに池が広がっているのが見えてきた。池はいくつかに区分けされており、村に近い区域はそれほど汚染しているようには見えない。だが、村から離れた区域は冒頭のように一目で汚染していることが分かるものだった。

汚染された池のすぐ横には畑が広がっている

 村から最も遠い幹線道路に近い場所では、数台の重機が稼働しているのが見える。農作業をしていた女性がこう教えてくれた。「誰かが硫酸などを捨てていったらしい。今は池の水を一旦抜いて入れ替える工事をしている」。汚染が発覚すると中国の環境保護省と天津市政府は調査と対策に乗り出した。公安当局は7月末、現場近くで操業していた工場が排水を垂れ流していたとして工場関係者5人を拘束した。

 村民の健康や農作物への影響が心配されるが、池の近くの畑にいた女性はさほど気にする様子もなく、農作業を続けていた。個人や村だけでは解決できない問題を前に、あきらめるしかないのが実情なのだろう。

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「環境 vs 人類」の目次

「嘆く農民と赤茶けた水の池、中国汚染地帯を歩く」の著者

小平 和良

小平 和良(こだいら・かずよし)

日経ビジネス上海支局長

大学卒業後、通信社などでの勤務を経て2000年に日経BP社入社。自動車業界や金融業界を担当した後、2006年に日本経済新聞社消費産業部に出向。2009年に日経BP社に復帰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長