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上場ウォンテッドリー、32歳社長の異色キャリア

外資金融、漫画家、FB日本法人…起業への“九十九折り”

  • 仲 暁子=ウォンテッドリー社長

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2017年9月14日(木)

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「必死に働いて買ったバッグなのに、うれしくない」

 そして入社したのが、ゴールドマン・サックス証券。不純な動機で始めた就職活動ではありましたが、この会社に入れて本当によかった。優秀な方ばかりでしたし、アウトプットのハードルが高い、非常に厳しい会社なので、すごく鍛えられました。

 ただ、在籍したのは2年ほど。担当していたのは海外機関投資家向け営業で、アナリストがまとめたリポートを基に、日本株を海外のファンドマネジャーたちに売り込む仕事でした。何百億、何千億円といった巨額マネーが動く仕事ではありましたが、学生の頃に味わったような仕事の面白みは感じられませんでした。裁量の範囲が狭く、当然ではありますが、新人なので自分自身で大きな意思決定もできず、人との差別化もしにくい。「ゼロイチ」が大好きな私が夢中になれる仕事とは異なりました。気持ちがモヤモヤしていたところに起きたリーマンショック。会社の風景が一変して、辞める覚悟ができました。

 一度手に入れた大企業の席を手放すことに不安がなかったというと嘘になります。毎月振り込まれる給料がなくなって、やっていけるのだろうかと怖かった。でも、考えてみれば高い給料が私に必要かというと、そうではありませんでした。

 実は私は学生時代から「欲しいものリスト」を作成していて、ゴールドマン・サックス証券に入社後、40万円のブランドバック、50万円の時計、液晶大型テレビと、リストアップしたものをみんな買ってしまっていたのです。なのに心は満たされず、逆にむなしさを感じていました。ほしいものはお金ではない。では、私が心からやりたいことって、何だっけ…。

 出した答えは、子供の頃の夢だった「漫画家」でした。「漫画家で成功するのは一握りで、打率は低いかもしれない。ただ、当たれば大きいし、誰よりも努力できる自信はある」。この時の私は24歳。まだ若く、失うものはありませんでした。

 創作に打ち込むためには、気軽に飲み会に誘われるような場所にいてはいけないと、当時、北海道大学に勤めていた母を頼って札幌へ。約8カ月間、ひたすら部屋にこもり、受験勉強並みのストイックさで漫画を描き、いくつもの賞に応募しました。でも、ダメでした。

仲氏が学生時代に描いたSF作品。「漫画の世界では、描き手が主張したいことではなく、読み手が読みたいもの、見たいものを描いた作品が支持されます。それはネットサービスも同じだと感じています」

 挫折感を覚えながらも冷静に原因を分析すると、〝需給ギャップ〟に思い当たりました。漫画大国の日本では、「読みたい人」の数に対して「描きたい人」が多すぎる。自分の作品を含め、日本ではデビューできない作品でも、海外ではビジネスになるのではないかと、立ち上げたのが、海外の漫画ファンに向けて作品を発表する「マガジン」という英語サイトです。

 ただし、ネットは素人だったため、今思うとビジネスモデルとしては穴だらけ。海外で普及が進んでいたフェイスブック上で広告を出したりと努力はしたのですが、収益化には程遠い状況でした。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官