人体には、実に様々な臓器がありますが、いずれも一般的に、皮膚や粘膜によって外界から遮断されて無菌状態が保たれています。もちろんいくつか例外はあって、鼻や耳、肺、尿道、膣などは、一部が外界とも接しています。ただしこれらの臓器も、あるところまで進むと、その先には行けなくなっています。基本的には「行き止まりがある」のです。
では外から入って奥へとずんずん進み、また外へ出るという臓器はないのかというと、1種類だけあります。それが、食道、胃、小腸、大腸などを含む「消化管」なのです。
消化管は食べたモノの消化と吸収、排泄に関わる一連の臓器の総称です。

それを踏まえたうえで、消化管の病気を見つけるにはどんな検査があるのか考えてみましょう。
食道、胃、十二指腸には胃カメラやバリウム検査、大腸には大腸カメラなどがあることは、今までに解説してきました。では6メートル以上ある小腸の病気は、どうやって見つければいいのでしょうか。
実は一般的に、小腸を検査することは、ほとんどありありません。
「胃や大腸の検査をしましょう」とはよく聞きますが、「小腸の検査をしましょう」と言われたことがある人は、かなり少ないはずです。これには2つ理由があります。
日々進化する医療技術について、医者はどのようなスタンスをとっているのであろうか。
毎日の診療に追われていては、とてもじゃないが最新技術の検証などしている時間などないであろうと思量するが、疑問があっても認可が下りれば導入するのであろうか。患者が実験台にされているようで、しっくりこない部分がある。病気になる時点で患者の自己責任なのかもしれないが、予防医療の場合、医学の慢心であるような気がしないでもない。(2018/02/07 01:28)