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進行が早く悪性度の高い膵がん、罹患率は漸増中

星野監督も九重親方も、膵がんで亡くなった

2018年2月14日(水)

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 本連載ではこれまで肺がんや胃がん、前立腺がん、大腸がんについて解説してきました。これらのがんは、原則的に自治体や健保組合でがん検診が受けられます(前立腺がんについては対応が分かれます)。

 より正確に言うと、受けられるがん検診には肺がん、胃がん、大腸がん、子宮頸がん、乳がん、一部で前立腺がんの計5~6種類があります。

 しかしがんにはもっと多くの種類があります。それなのに、なぜこれらのがんだけ検診があるのでしょうか。

 それは、「がん検診をする意味があるから」です。早期発見すれば完治する可能性が高いから、とも言い換えられます。だからこそ、自治体や健保組合は慢性的な財政問題を抱えつつも、その多くを負担してがん検診を実施しているのです。

 では、そのほかのがんは検診する意義がないのかというと、決してそういうわけではありません。しかし、例えば頻度が非常に少ないがんであれば、全員一律で検診を実施することは非効率的でしょう。

 もう一つ、検診の導入が難しいがんがあります。それは「進行するのが速くて早期発見・治療が難しい悪性度の高いがん」です。

 そのようながんは1年に1回検査を受けていても手遅れになってしまうこともあるし、大抵は早期発見する妥当な検査(安価で体の負担が少ないもの)がありません。そんな「悪性度の高いがん」は何種類もありますが、中でも「悪性度が高く、患者数も多い」というある意味最も怖いがんは何かといえば、やはり「膵がん」でしょう。

 膵がんで亡くなった有名人には九重親方(元・横綱千代の富士)やスティーブ・ジョブズ、最近では星野仙一・元監督がいます。膵がんは進行がとても早いので、いずれも発病してから亡くなるまでの期間はあまり長くはありません。

 膵がんはたとえステージI期(早期ということ)で見つかっても、5年生存率が50%にも達しない、とてもやっかいながんなのです。

 ただし、ここで大事なポイントです。5年生存率は「診断されてから5年後に生存している人の割合」です。つまり発表されている統計は「5年以上前に診断された人」のデータだけで算出されています。
医療は日進月歩で、ここ数年で膵がんの治療法も進歩しています。そのため今、膵がんと診断された場合の5年生存率はもう少し高くなる、ということを心に留めておいてください。

 さて、では膵がんになる人は、どのくらいいるのでしょうか。

 男性の場合、膵がんの死亡数は5番目に高くなっています(多い方から順に、肺がん→胃がん→大腸がん→肝臓がん→膵がん)。そして2015年の実際の死亡数は、男女合わせて3万3475人と報告されています(がん情報サービスより)。それなりに多い、ということです。

 それも下記の図の通り、ここ最近膵がんの罹患率は漸増傾向にあるのです。

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「進行が早く悪性度の高い膵がん、罹患率は漸増中」の著者

近藤 慎太郎

近藤 慎太郎(こんどう・しんたろう)

医師兼マンガ家 

北海道大学医学部、東京大学医学部医学系大学院卒業。山王メディカルセンター内視鏡室長、クリントエグゼクリニック院長などを歴任。マンガを使って医療をわかりやすく解説。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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