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医者の本音「がんで死ぬのは意外と悪くない」

確かに怖い膵がん、けれど怖がりすぎなくていい

2018年2月21日(水)

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 前回に引き続き、膵がんについて解説いたします。

 がんを遠ざけるうえで、一次予防(リスク因子を避ける)と二次予防(がん検診)は欠かすことのできない両輪です。 ただし、膵がんのように現状で二次予防が難しいがんは、相対的に一次予防のウエイトが大きくなります。つまり、発がんリスクをできるだけ減らすことが重要なのです。

 では膵がんのリスク因子には何があるかというと、次のようなものが挙げられます。

  1. がんの家族歴
  2. 慢性膵炎
  3. 肥満
  4. 糖尿病
  5. タバコ
  6. アルコール

 アルコールの回(「『適量のアルコールは認知症に良い』はウソ!」)で解説しましたが、②の慢性膵炎は、膵がんのリスクを8~13倍に上昇させます。そして慢性膵炎の原因の半分以上はアルコールです。

 つまり①の家族歴を除くと、上記のほぼすべての因子が、生活習慣に関わることになります。これは決して、悪いことではありません。むしろ改善、予防する余地があるということを意味していますから。

 では、それぞれの因子はどれぐらいリスクを上げるのでしょうか。報告によってバラツキはありますが、次のようなデータがあります。

  • 肥満 2.6倍
  • 糖尿病 1.9倍
  • タバコ 1.7倍
  • アルコール 1.2倍

 肥満、タバコ、アルコールは今までも出てきているので、ここでは糖尿病について少し解説しておきます。

 糖尿病は、インスリンの作用が不十分になることによって、慢性的に血糖値が上昇する疾患です。血糖値が高くなると血管が損傷され、様々な合併症を起こします。心筋梗塞、脳卒中、網膜症(失明のリスク)、腎障害(透析のリスク)、神経障害、EDなどです。血管は全身をくまなくカバーしているので、その分だけ合併症も多岐にわたるのです。

 

 そして、実は糖尿病にはもう1つ重大な合併症があります。それは、すべてのがんのリスクが平均して1.2倍に上がることです。

 「1.2倍」と聞くと、「それだけ?」と思うかもしれません。けれど、あるがん患者数が5000人で済むところが、6000人になってしまうのです。医療の世界では十分に重みのある数字と言えます。

 糖尿病ががんのリスクを上げるということはかなり重要な事実なのですが、残念ながら、医療者の中でもあまり認識されていません。対策の難しい膵がんへの影響力がより強い(リスク1.9倍)ので、十分な注意を払うべきでしょう。

 血糖値をコントロールするには、食事の管理と適度な運動が欠かせません。またその結果、肥満(リスク2.6倍)が解消されれば、膵がんの発症リスクをぐっと抑えることもできるでしょう。

コメント12件コメント/レビュー

>【本来、「健康」とは人生を充実させるための手段であって、目的ではないはずです。どう頑張ったところで、人間にとって死は避けられない。】

アンチ・エイジングの研究が大流行りのようで、今生きている人のうち、1000歳まで生きる人が現れると言われてますよ。

あと、最後のマンガが理解できなかった。登場人物と場面の設定。言ってることも少し。(2018/02/22 12:28)

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「医者の本音「がんで死ぬのは意外と悪くない」」の著者

近藤 慎太郎

近藤 慎太郎(こんどう・しんたろう)

医師兼マンガ家 

北海道大学医学部、東京大学医学部医学系大学院卒業。山王メディカルセンター内視鏡室長、クリントエグゼクリニック院長などを歴任。マンガを使って医療をわかりやすく解説。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

>【本来、「健康」とは人生を充実させるための手段であって、目的ではないはずです。どう頑張ったところで、人間にとって死は避けられない。】

アンチ・エイジングの研究が大流行りのようで、今生きている人のうち、1000歳まで生きる人が現れると言われてますよ。

あと、最後のマンガが理解できなかった。登場人物と場面の設定。言ってることも少し。(2018/02/22 12:28)

ええ話や(涙)。

この漫画で初めて良いと思った(失礼w)。(2018/02/21 22:11)

私の父親は、80歳で心臓の弁を手術して、数ヵ月後に亡くなった。
担当医は、父親の年齢的な事もあって、最初から治る見込みは薄いと言っていたが、父親本人が医者を信じきっていて、治る気で手術に望み、手術後、担当医が驚くほどの回復があり、一度は親戚を呼んでくれと言われて死を覚悟した時も復活して生き延びたほどであった。私の父親は軍人であり、体力はあったが、糖尿病を患っており、透析をしていたので、死期は遠くない状況ではあったが、医者に引導を渡してもらった形になる。
医者が引導を渡すと言うと悪い意味でとられそうではあるが、死んでいく本人は医者を信用して死んでいくのであって、それはひとつの死に方であり、決して悪い意味ではない。
そういう意味でも、多くの人の死に方に関わる医者の本音が、今回のコラムに垣間見られると思う。生活習慣病に見られるように、本人の自業自得で発症する病気であっても、なんとか対応せねばならず、また、たとえ医者自身の誤診であっても決して誤診とは言えない立場は、非常に辛い職業なのであろう。何も知らない医学の知識もない患者は、知らぬが仏でよいのかもしれないとさえ思ってしまう現実である。(2018/02/21 21:00)

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