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「がん検診」運用ルールは100点ではない

正しいルールを模索し続けることが社会の課題

2018年4月25日(水)

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 これまで2回にわたって、「がん検診は寿命を延ばしていない」「がんの死亡率が減っていない」「がん検診で見つかるがんが少ない」「がん検診は医学界の既得権益を守るためにある」といった主張に回答してきました。

 その過程で、重要な論点も明らかになりました。

   [1]がんのリスクが高い人たちにがん検診が届いていない

   [2]がん検診は医療費を抑える効果も期待されている

 [1]は非常に重要なポイントです。これが理由で、がん検診の死亡率の減少効果や、医療費の抑制効果が減弱していると言っても過言ではありません。この問題が改善されるほど、がん検診に対して疑問を感じる人の数は減っていくでしょう。

 では、それさえ解決すれば、[2]は達成されるのでしょうか?

 実は、そうでもありません。

 がん検診は、医療費を増大しかねない側面を持っているのです。それが、「がん検診は境界病変をたくさん見つけている」という、いわゆる「過剰診断」の問題です。

 確かにその通りで、すべてのがん検診がはらむ本質的な課題です。

 「過剰診断」とは一体どういうことでしょうか。順を追って解説します。

 医療は日進月歩の世界。CTやMRI、内視鏡などの画像検査法も、長足の進歩を遂げており、今までならば発見できなかったようなごく小さな病変や、良性なのか悪性なのかはっきりしない「境界病変」が、多数見つかるようになりました。

 「がん」とはっきり診断できれば話は早いのですが、良性なのか悪性なのかはっきりしないものをむやみに治療するわけにはいきません。そのため、診断を確定させるために、さらなる精密検査が必要になるケースが増えているのです。

 その結果、やっぱりがんだったということもあれば、良性と判断されて経過観察になることもあります。

 後者の場合、結果から見れば、受診者は良性なのに精密検査を受けることになってしまいます。一定の時間や費用を失うし、心理的・肉体的なストレスにも晒されます。また精密検査の分、医療費を押し上げることにもなります。

 この問題を「過剰診断」と呼ぶことがあります。呼称の問題はさておき、確かにがん検診に特有のデメリットと呼んでいいでしょう。

 ただし、これにはいたしかたない面もあります。

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「「がん検診」運用ルールは100点ではない」の著者

近藤 慎太郎

近藤 慎太郎(こんどう・しんたろう)

医師兼マンガ家 

北海道大学医学部、東京大学医学部医学系大学院卒業。山王メディカルセンター内視鏡室長、クリントエグゼクリニック院長などを歴任。マンガを使って医療をわかりやすく解説。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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