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日本企業は下手にアマゾンに対抗しない方がいい

ITのカリスマに聞く、AWSの破壊力

2017年10月5日(木)

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アマゾンのクラウドサービスが業界を席巻している。多くのIT企業がアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)と提携しながら、事業を展開するようになった。日本のシステム開発大手ワークスアプリケーションズで国際展開やアマゾン・AWSを担当するパートナーで、世界のIT事情に精通する小松宏行氏に、AWSの破壊力とIT業界への影響を聞いた。
小松宏行(こまつ・ひろゆき)氏。
ワークスアプリケーションズパートナー。東京大学理学部卒業後、日本ディジタルイクイップメント研究開発センター入社。その後、米Lotus Development、米PointCast、米Netscape Communicationsを経て、2002年アリエル・ネットワークを創業、04年同社社長就任。09年アリエルを売却したワークスアプリケーションズに参画、最先端技術研究部門を設立し、現在はシンガポール・上海等のグローバルエンジニアリングの統括責任者。産業技術大学院大学客員教授。

AWSといつ、どのように関わり始めたのですか。

小松宏行氏(以下、小松):2009年に、経営していたアリエル・ネットワークの売却先であるワークスに転じました。その時から、クラウド化が念頭にあって、主力製品の「COMPANY(業務用ソフト)」をどうしようかと牧野(正幸CEO)と考えていました。そこで、将来の展開を考える上で、IBMもクラウドをやっていましたが、「AWSがいいな」と感じまして。

勝手に値段が下がっていく

「いい」と思ったポイントは?

小松:クラウドのシステムって、根本的に設計が違うんです。そこに対して、いろんな会社が提案を出してきます。完全にクラウド主体で(全面変更を)考えるやり方もあるし、今あるシステムをクラウドに持って行けますよ、というやり方もある。

 エンタープライズ型のIBMは、「今のシステムを持って行く」というモデルだった。コンピューターサイエンス(中心)のグーグルは、「今あるシステムは捨てて、クラウドの世界に来てください」と。

 アマゾンはその中間なんです。クラウドが分かっている上に、「今あるシステムも過不足なく動きますよ」と言う。顧客目線であるし、クラウドが分かっている。我々(システム開発会社)に対してもよく考えている。グーグルは、正しいものを正しくやる。「その通りなんですけど」とは言えるんですが、一方で「(今のシステムを)どうしよう」と。

アマゾンは、今までのシステムは動かしながら、できるところからクラウド化していく対応をとります。

小松:そうですね。新しいサービスも矢継ぎ早に出してくるんですが、顧客にとって利便性が高いものが多い。だから、クラウドに強いエンジニアをこちらが用意しておけば、「こんなに便利なのか」と。その結果、アマゾンがリードしていく未来は、クラウドで構築された世界へのロードマップになっている。

 他の会社は、「うちのコンサル部隊を使ってください」みたいなことになる。AWSはピュアにクラウドを使ってもらうだけ。使うのに必要なものは全部書いてあるし、(顧客の)横のコミュニケーションで様々なコンソーシアム(集団)があって、みんなで考えながら進めていく。だから、おカネはかからない、ぜんぜん。その代わり、勉強しなければいけない。

ただ、自分で情報の渦から必要な情報を探し出すことになるわけですね。

小松:ただ、IT企業のコンサルティングにカネを払っていくと、ブラックボックスで分からないままクラウドになる。それって嫌じゃないですか。でも、グーグルほどドラスチックにクラウドに変えるのもどうか、と。だから、(アマゾンは)いい位置をおさえたな、と。

 あと、価格の下げ方がすごい。10年で60回以上も値下げしている。ふつう、マジョリティーをとると、値上げするじゃないですか。それを、主力サービスを数セントでも値下げしてくる。これも、うれしいですよね。「だんだん、値上げする」というのに慣れているこの業界では、なおさらです。

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「アマゾン ベゾスに見える未来」の目次

「日本企業は下手にアマゾンに対抗しない方がいい」の著者

金田 信一郎

金田 信一郎(かねだ・しんいちろう)

日経ビジネス編集委員

日経ビジネス記者、ニューヨーク特派員、日経ビジネス副編集長、日本経済新聞編集委員を経て、2017年より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長