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共通ポイントで常連客は作れない

2016年10月11日(火)

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 顧客の囲い込み方は様々ある。日本で多くの企業が取り組むのがポイント制度の導入だ。購入金額に応じてポイントを付与するものだ。中でも様々な企業で、ポイントを使える共通ポイントが人気を集めている。TポイントやPontaなどが代表格だが、常連客を育成するという視点ではどうか。優良顧客にどう育成するかの考え方のひとつ「ロイヤリティマーケティング」の専門家で、ザ・ブライアリーグループのハル・ブライアリーチェアマンに聞いた。

(聞き手は西雄大)

多くの米国企業が優良顧客を育てるためのロイヤリティマーケティングを実践し、顧客を囲い込もうとしている。なぜなのか。

 アメリカでは購買履歴などで顧客のことを深く知るロイヤリティマーケティングに熱心に取り組んでいる企業が多い。私自身も30年以上関わってきた。

 手法も日々進化している。私は30年ほど前にアメリカン航空のロイヤリティプログラムを作った。顧客一人ひとりの電話番号などを登録したデータベースを作ったのが始まりだ。1年間の搭乗実績に応じて顧客に還元する方式を採用した。

 このプログラムを知ったユナイテッド航空もプログラムを作って追随した。だが有効期限を設けていなかったことが違った。数年たつと実績は自然と蓄積され、ハワイ旅行ができるほどポイントが貯まる。消費者にとっては良いことだが、企業からすればコストがかかるだけで、成果と見合わなかった。

 顧客を囲い込むツールとして採用したものの、コストばかりかかるものは多い。昔からあるグリーンスタンプというのをご存じだろうか。グローサリーストアなどで購入金額に応じてスタンプがもらえる。ミキサーやラジオなどと交換できるものだ。

 だがこれも顧客の情報を分析できないためコストでしかない。さらに自社が原資を払ったポイントをほかの店で使われてしまうことも多く、参加をやめてしまう企業が続出した。私はこれを「マーケティング1.0」と呼んでいる。

 日本では共通ポイントカードが流行っていると聞くが、まだこの段階と言って良いだろう。たしかに共通ポイント上での大事な顧客は分かる。だが加盟各社にとって、本当に大事なお客様なのかを認識できないだろう。

 ロイヤリティマーケティングの本来の目的は大事なお客様に対して「ありがとう」と言える仕組みだ。これでは誰に感謝すれば良いのか分からない。

30年以上ロイヤリティマーケティングに取り組む専門家で、ザ・ブライアリーグループのハル・ブライアリー チェアマン

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「共通ポイントで常連客は作れない」の著者

西 雄大

西 雄大(にし・たけひろ)

日経ビジネス記者

2002年同志社大学経済学部卒業。同年、日経BP社に入社。日経情報ストラテジー、日本経済新聞社出向、日経コンピュータ編集部を経て、2013年1月から日経ビジネス編集部記者。電機、ネットなどを担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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