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生物利用の物質生産、バイオエコノミーが急拡大

セルロースナノファイバー、藻類ジェット燃料、人工クモ糸…

  • 橋本 宗明(日経バイオテク編集長)

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[2/5ページ]

2017年11月2日(木)

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 セルロースナノファイバーの量産には、紙パルプを扱ってきたノウハウやインフラが利用できるため、日本製紙以外にも、王子製紙を傘下に持つ王子ホールディングス、中越パルプ工業、大王製紙などが事業化に乗り出している。

 さらに各社は様々な企業と用途開発の研究も進めており、参入企業数はすでに100社を超えると見られている。政府も成長戦略の中でセルロースナノファイバーを取り上げ、「2030年に関連材料の市場創造目標1兆円/年」を目標に掲げ、産業利用を後押ししている。

 セルロースナノファイバーの産業利用には、森林大国のスウェーデン、フィンランド、カナダ、米国なども力を入れている。日本も森林率七割という世界有数の森林大国であるだけに、立地を生かした産業の創出に期待がかかる。

藻類ジェット燃料、単位面積当たりの生産性が高い藻類でオイルを製造

 生物由来の資源を利用して化石資源の削減を目指す試みとして、バイオマス燃料が以前より作られてきた。最新の取り組みの一つが藻類を利用したジェット燃料の生産である。

 藻類が注目されているのは、他の植物に比べて単位面積当たりの生産性が高いから。光合成によって増殖し、その生育過程でジェット燃料の元になる炭化水素を生産できる。耕作地を必要としないため、他の農作物の育成と競合することもない。

 ジェット燃料にバイオマスを使う意義は大きい。航空機はグローバル化の進展により、需要の増加が見込まれる一方、自動車や船舶に比べて他の動力の研究開発が遅れており、最後まで燃料とエンジン(内燃機関)で駆動する輸送機関となると見られている。

 藻類ジェット燃料への挑戦は、第二世代のバイオ燃料の製造と位置付けられる。第一世代のバイオ燃料として、トウモロコシやサトウキビなどの農作物を原料とするバイオエタノールの製造が米国やブラジルなどで活発になった。ところが、2000年代半ばに入って食料・飼料用の穀物価格の高騰の原因が、バイオ燃料による需要増にあると指摘された。このため、建築廃材や稲わらなどの非可食バイオマスを利用した第二世代のバイオ燃料の製造が検討されており、藻類はその有力候補となっている。

ヒートアップする研究開発

 国内では研究開発法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が複数の研究グループを対象に、微細藻類由来バイオ燃料開発を支援してきた。IHIを中心とするグループ、J -POWER(電源開発)を中心とするグループ、デンソーを中心とするグループ、DICを中心とするグループが、それぞれボツリオコッカス、珪藻、シュードココミクサ、クラミドモナスという藻類を用いたジェット燃料などの生産を目指している。

 この中ではIHIグループが、高速増殖型のボツリオコッカスを、鹿児島市に設けた1500平方メートルの屋外大規模培養設備で安定培養することに成功している。2017年度からは1万平方メートルの培養設備を設け、安定培養や低コスト化の技術開発する計画を進めている。

 資源エネルギー庁も微細藻類を活用したバイオ燃料生産のための実証事業を行っており、複数のプロジェクトを補助している。一つは筑波大学を中心に産学協同で活動する藻類産業創成コンソーシアムが進める福島藻類プロジェクト事業で、南相馬市の土着藻類を用いてジェット燃料などを生産しようというものだ。

IHIが鹿児島市に設けた面積1500平米の藻類培養池

 もう一つはミドリムシ由来の健康食品で知られるユーグレナのプロジェクトで、三重県多気町に微細藻類培養プールの建設を進めており、2018年には総面積3000平方メートル以上にする計画だ。さらに同社は2020年の国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化に向けて、藻類の油分を基に実際のジェット燃料を生産する製造実証プラントを、58億円を投じて建設する。こちらは2019年前半の稼働を目指している。

 ただし、藻類ジェット燃料の研究開発は国内でヒートアップしているものの、先行していた米国では原油価格の下落によりプロジェクトの資金調達が困難になるなど厳しい状況に置かれている。

 例えば米エネルギー省(DOE)の補助を得て藻類ジェット燃料の開発を進めていた業界のリーダー格である米ソラザイムは、2016年3月にテラヴィアと社名変更し、主力事業をジェット燃料の生産から、より付加価値の高い食品や栄養素材の生産へとシフトした。

 単位面積当たりの生産性が高い藻類は蛋白質や脂質をはじめとする様々な物質の生産に適しているのは確かだが、原油価格が一バレル50ドル前後で推移する中で、藻類ジェット燃料を生産した場合の採算性に対して懐疑的な見方が広がっている状況だ。

コメント1件コメント/レビュー

セルロースナノファイバーは、所詮、セルロース。有機物。C-H結合の塊り。温度というか、紫外線というかそういうものに弱いのでは?。強度だけでは使用性に欠ける。ということで、燃えても良いようなプラスチックの代用にはなるだろう。。。建材や木材、日用品用のプラスチック。自動車も木材使っているところ有るから、自動車にも良い。ビルの構造材にはなるかなあ??100年以上の耐久性があるか?シロアリは?価格が劇的に下がり、現在のプラスチックのような射出成型性が可能になり、3Dプリンターでも使えるようになれば、。。。 炭素繊維複合材にまだ信頼性があるなあ。。。 藻類は、昔からみんなやっていて、この頃、やっと「ミドリ虫」が脚光を浴びたが、実質的な経営は難しそうだが、将来の食糧難などを考えると重要だなあ。。聞くところによると、できるオイルはオメガ脂肪酸が多くて健康に良いタイプなどと聞いたが。イワシやサバなどのDHA・EPAの元はここかも???。昆布も無類だから。バイオゲノム生産品は、あのオプジーボもこの方法だそうだし、インシュリンもそうでは?試験管⇒フラスコ⇒釜⇒プール規模の生産工場。。何やら植物工場が未来の工場という感じをうけるなあ。。。(2017/11/02 12:40)

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セルロースナノファイバーは、所詮、セルロース。有機物。C-H結合の塊り。温度というか、紫外線というかそういうものに弱いのでは?。強度だけでは使用性に欠ける。ということで、燃えても良いようなプラスチックの代用にはなるだろう。。。建材や木材、日用品用のプラスチック。自動車も木材使っているところ有るから、自動車にも良い。ビルの構造材にはなるかなあ??100年以上の耐久性があるか?シロアリは?価格が劇的に下がり、現在のプラスチックのような射出成型性が可能になり、3Dプリンターでも使えるようになれば、。。。 炭素繊維複合材にまだ信頼性があるなあ。。。 藻類は、昔からみんなやっていて、この頃、やっと「ミドリ虫」が脚光を浴びたが、実質的な経営は難しそうだが、将来の食糧難などを考えると重要だなあ。。聞くところによると、できるオイルはオメガ脂肪酸が多くて健康に良いタイプなどと聞いたが。イワシやサバなどのDHA・EPAの元はここかも???。昆布も無類だから。バイオゲノム生産品は、あのオプジーボもこの方法だそうだし、インシュリンもそうでは?試験管⇒フラスコ⇒釜⇒プール規模の生産工場。。何やら植物工場が未来の工場という感じをうけるなあ。。。(2017/11/02 12:40)

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