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コンビニ業界「北の異端児」吠える

セコマ社長「既存ビジネスモデルは限界。我々は直営主体」

2017年11月14日(火)

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上渚滑店は黒字経営なのでしょうか。

丸谷:ちゃんと黒字ですよ。開業当初から黒字でした。いまも当初目標を少し上回っているくらいです。

 上渚滑以外にも過疎地で営業する店はあります。セコマが出店時に重視するのはサステナブル(持続可能)かどうかという観点です。

 サステナブルかどうかを分けるのは、初期投資して作った設備をしっかり償却でき、しかるべきタイミングで再投資ができるかどうかです。セイコーマートが今後例えば30年にわたって営業して店がぼろぼろになったときに、もう償却は終わっていて、再び店舗を新しくできるのか。そんな観点から開店可否を決めています。

8月1日、紋別市に開業したセイコーマート上渚滑店。

ただ、それでは本部があまりに儲かりません。非上場会社であるとはいえ、セコマも慈善事業を営んでいるわけではないですよね。

丸谷:だからこそ小売業という「川下」だけを手がけるのではなく、「川上」にあたる製造から、「川中」にあたる物流にまで自社で参入を進めてきたのです。掲げているのは「総合流通企画会社への転身」です。

 製造については、既に道内に10社を超える製造関連会社を抱えており、弁当や総菜、乳製品などをグループ内企業で生産しています。配送についても、自社でトラック277台を保有していて、1日の配送距離は7万キロメートルに達します。

 店舗で利益が生まれなくても、他の部門でカバーできるんです。総合的に、企業として収益を生み出す力があるのです。単店で利益を出さないといけないフランチャイズ方式の加盟店経営では、こうはいきません。

ウエルシアに自社商品を供給

単なる小売業からの脱却、ということですね。

丸谷:製造した商品は外部への販売も進めています。ワインや弁当、アイスクリームなどがそうですね。(ドラッグストア大手の)ウエルシアホールディングスさんの店頭には既に並んでいますよ。

 ただの製造業ではなくて「小売業をベースにした製造業」であることが役に立っています。いきなりゼロから商品を売り込むのではなく「北海道では既に1000店で取り扱い実績のある商品です」と売り込めば、先方も安心して導入してもらえます。外販実績は2016年に100億円にのぼっています。

「北海道」というブランドを持っているセコマだからできること、と言えそうです。大手にはなかなか真似できません。

丸谷:そうですね。幸運ではありましたが、これを使わない手はないですよ。海外への輸出も進めていきたいです。

コメント13件コメント/レビュー

 なるほど、戦略的ポートフォリオだね。そのうえ機動力もある。こういうしくみはどこから学ばれたものだろうか?(2017/11/16 10:47)

「コンビニ大試練」の目次

「コンビニ業界「北の異端児」吠える」の著者

藤村 広平

藤村 広平(ふじむら・こうへい)

日経ビジネス記者

早稲田大学国際教養学部卒業、日本経済新聞社に入社。整理部勤務、総合商社インド拠点でのインターン研修などを経て、企業報道部で自動車業界を担当。2016年春から日経ビジネス編集部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

 なるほど、戦略的ポートフォリオだね。そのうえ機動力もある。こういうしくみはどこから学ばれたものだろうか?(2017/11/16 10:47)

セコマは正直全く知らないコンビニでしたが、こちらの社長のご意見は非常に面白い物で、他コンビニ大手の経営方針と比較して好感が持てます。
もし、見かける事があったら是非入って見たいですね。(2017/11/15 09:32)

北海道在住、セコマはよく使います。特に田舎では、セコマ以外の選択肢がない町村も多いです。記事にないセコマの特徴としては、「レジ前で肉まんやおでんを扱っていない」「カット野菜が置いてある」店が多いように感じます。また、僻地のAコープ(農協の購買店舗)のセコマ転換(ダウンサイジング)も時々見ます。北海道では、食料品・日配品も扱う小型ホームセンターという業態も出ています(ホーマックニコットなど)。セコマのインフラとして足りないところは、ATM併設店が都市部の一部にしかないところですね。(2017/11/14 22:24)

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