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仮想通貨技術「ブロックチェーン」で消える仕事

野口悠紀雄氏が語る、ビットコインの先にある未来

2017年12月1日(金)

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 現在、多くの人は仮想通貨を投資や投機の手段と見なしている。しかし、仮想通貨を支える「ブロックチェーン(分散型台帳)」技術は、様々な分野に応用が効く。「日本はもっと、社会のあり様を変えるこの技術に注目するべきだ」と話す、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問の野口悠紀雄氏に、ブロックチェーンがもたらす社会変革について聞いた。

ブロックチェーンの登場は、インターネットの登場以来の衝撃。(写真:アフロ)

多くの人は仮想通貨の「値上がり」しか見ていないけれど…

ビットコイン、盛り上がっていますね。年初と比べて価格は約10倍になりました。関心を持つ人がますます増えるのではないでしょうか。

野口:今の日本は、ちょっと違う方向で盛り上がっちゃっていますね。多くの人があなたのような見方でしかビットコインを見ていません。つまり、それは仮想通貨を持っていれば寝ている間に価値が上がるから、大儲けできるだろうという値上がり期待です。大変残念なことですね。

では本当にすごいのは、何なのでしょう。

野口悠紀雄(のぐち・ゆきお)氏
経済学者/早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問
1940年東京生まれ。1963年東京大学工学部卒業。1964年大蔵省(現財務省)入省。1972年、米イェール大学で経済学博士号を取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。著書に「情報の経済理論」「『超』整理法」「ブロックチェーン革命」など。

野口:技術ですよ。仮想通貨とそれを支えるブロックチェーン技術の登場は、インターネット以来の衝撃です。1990年代に普及したインターネットは、誰もが自由に情報にアクセスすることを可能にしました。つまり「情報の民主化」を推し進めたわけです。

 一方、仮想通貨やブロックチェーン技術は、マネーや価値を民主化するものと見ています。これをもとに、新しいサービスやビジネスがたくさん生まれるでしょう。しかし、残念ながら日本でそのような新しいビジネスなり、技術の開発なりが活発に進みそうな雰囲気はまだありません。

ブロックチェーン技術によって、どんなことが可能になるのでしょうか。

野口:まず、既存の仮想通貨ですでにできることがあります。例えばビットコインを使えば、非常に低いコストでどこへでも送金できます。これは、既存の金融サービスの在り方を一変させるでしょう。銀行は規制に守られた産業であるがゆえに、利用者の利便性というものを第一に考えずに、これまでやってきた部分があります。

 例えば、今でも国際間の送金というのはまずコストがかかるし、送金できない場合もあります。時間もめちゃくちゃかかります。米スタンフォード大学で働いていた頃、私はそれで散々苦労しましたから。車を買いたいと思って、日本の銀行口座から米国の銀行口座にお金を移そうと思ったんですけど、手続きに1カ月かかると言われたことがありました。

それは大変でしたね。しかし、ビットコインについてはまだ時期尚早のような気もします。今多くの人がビットコイン送金に必要なウォレットを持っていないなど、普及にはまだまだ壁があるのではないでしょうか。

野口:使う人が増えれば増えるほど便利になることを「ネットワーク効果」と言いますが、仮想通貨についてはまだネットワーク効果が働く段階に至っていません。だから急速に普及しないんです。インターネットが普及するまでの期間も同様の問題がありました。

 しかし、インフラはある一定程度まで普及すれば、その後爆発的な速さで普及します。仮想通貨がすごく便利であると考える人が一定数に達すれば、その後、皆が利用するようになる。仮想通貨を利用した決済は、すでに出来上がったインターネットのネットワークを土台にして行われます。だから、普及までそれほど時間はかからないと私は見ています。人々の考えが変われば一気にに広がるのではないでしょうか。 

コメント15件コメント/レビュー

なんというか、さっぱり腑に落ちない記事だった。

■ビットコインについて
1年で価値が10倍になったという事実は、価値が10分の1になってしまうリスクもはらんでいるということ。
送金手数料などのメリットがあるとは言っても、こんなに価格変動の激しい通貨が日常生活での使用に向いているとは思えない。
10円の円高(10%程度の変動)があっただけでも大騒ぎするのに・・・。

■ブロックチェーンについて
(2017/12/01 14:12)のコメントの方に先を越されてしまっているが、
ブロックチェーンはあくまで「第三者に改ざんされていない事」が保証できる技術に過ぎない。
「そもそも発信元に誤解や虚偽があった場合」をどうこうできる技術ではない。

「第三者に改ざんされていない事を証明できる技術がある」事と、
「取引相手が信頼できる人物であると証明できる」事は、相当かけ離れた話だし、
需要と供給を結びつける仲介の仕事が無くなるというのも、論理が飛躍していて解り難い。

新技術に色々な可能性があるのは事実だと思うが、もう少し丁寧に説明して欲しい。


■最後の一文について
>「正社員で働くことが安泰とはかならずしも言えない時代も、もうそこまで来ているのかもしれませんね」
正社員で働くことが安泰と言えない時代は、ブロックチェーン技術なんて関係無く既に到来していると思う。(2017/12/07 17:00)

「現金消滅」の目次

「仮想通貨技術「ブロックチェーン」で消える仕事」の著者

武田 安恵

武田 安恵(たけだ・やすえ)

日経ビジネス記者

大学院卒業後、2006年日経ホーム出版(2008年に日経BPと合併)に入社。日経マネー編集部を経て、2011年より日経ビジネス編集部。主な担当分野はマクロ経済、金融、マーケット。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

なんというか、さっぱり腑に落ちない記事だった。

■ビットコインについて
1年で価値が10倍になったという事実は、価値が10分の1になってしまうリスクもはらんでいるということ。
送金手数料などのメリットがあるとは言っても、こんなに価格変動の激しい通貨が日常生活での使用に向いているとは思えない。
10円の円高(10%程度の変動)があっただけでも大騒ぎするのに・・・。

■ブロックチェーンについて
(2017/12/01 14:12)のコメントの方に先を越されてしまっているが、
ブロックチェーンはあくまで「第三者に改ざんされていない事」が保証できる技術に過ぎない。
「そもそも発信元に誤解や虚偽があった場合」をどうこうできる技術ではない。

「第三者に改ざんされていない事を証明できる技術がある」事と、
「取引相手が信頼できる人物であると証明できる」事は、相当かけ離れた話だし、
需要と供給を結びつける仲介の仕事が無くなるというのも、論理が飛躍していて解り難い。

新技術に色々な可能性があるのは事実だと思うが、もう少し丁寧に説明して欲しい。


■最後の一文について
>「正社員で働くことが安泰とはかならずしも言えない時代も、もうそこまで来ているのかもしれませんね」
正社員で働くことが安泰と言えない時代は、ブロックチェーン技術なんて関係無く既に到来していると思う。(2017/12/07 17:00)

土地取引に関する記述を読んで、かつて実務に携わった人間としては余りに単純化しすぎていて脱力してしまいます。 まず野口氏は市場において買い手と売り手の利益は相反していることを理解しておられるのか?疑問です。売り手は「高く売りたい」買い手は「安く買いたい」という立場であり買い手に融資をする金融機関が登場すれば更に利害関係は複雑化すると思います。そういう背景を見逃して野口氏が言う条件がそろえば自動的に取引が成立というのは余りに取引を単純化しすぎて納得できません。他の方が述べておられましたがブロックチェーンの改竄を防ぎ取引の真正性を保証するというのは性善説ではなく性悪説に立った仕組みであり日本の会社組織にはなじみの薄いものでありその当たりが日本社会にどう受けいられるか野口氏のご意見を伺いたいものです。(2017/12/03 16:39)

ビットコインが仮想通貨の主役として注目を浴びている理由は
システムが堅牢で偽造がほぼ不可能と言われているからです。
注目すべきはそれを実現したブロックチェーンの技術であって、
「通貨」としてではありません。
例えて言うと、頑丈な金庫に注目すべきであって中のお金は子供
銀行券又は人気のあるトレーディングカードのようなものです。

通貨として将来も生き残るかも知れませんが、所詮マイナーな存在
で終わるでしょう。理由は、マイニング(発掘)によって供給され
る通貨量が予め制限されており、既存のハードカレンシーに取って
代われる存在にはシステム上なり得ないことと、決済にかなり時間
がかかる仕組みだからです。(ネットワーク上の過半の帳簿を参照
する必要から堅牢性とスピードはトレードオフです)

現状のスピードでは、野口氏の言うとおりに小口決済に多用される
ことはまずあり得ません。
むしろ、産業界でどのような使われ方をするかに注目すべきでしょう。(2017/12/02 22:20)

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三品 和広 神戸大学教授