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オムニチャネル、他人事と思うなかれ

りそな・日産……非小売り企業も模索

2016年12月1日(木)

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 長らく実店舗(リアル)に根ざして来た小売業は変革を求められている。ビジネス構造を「本当の」オムニチャネルへと大転換する変革だ。小売業がネット通販を手がけ、複数の販路を築くだけでは「マルチチャネル」止まり。複数のチャネルで同一の顧客情報や商品・在庫情報を共有できて、初めてオムニチャネルと言える。

 リアルとネット通販の境界が溶けたビジネス構造へと変革すると何ができるのか。日経ビジネス2016年11月28日号特集「本当のオムニチャネル セブン、丸井、アマゾンの挑戦」では、奮闘する小売りの最前線を追った。

 だが、お客と接する「リアル」を持っているのは小売り業界だけではない。オムニチャネルを小売り業界の流行語として侮るなかれ。オンライン連載の第3回では、非小売り企業もオムニチャネル戦略を模索する姿を紹介する。

 オムニバンク宣言――。

 CMでも支店のポスターでも、オムニチャネル推進に向けた決意表明を欠かさない金融機関がある。ピーク時に3兆円あった公的資金の返済を2015年に終え、10年以上にわたる経営再建にメドをつけた、りそなホールディングスだ。新たに成長戦略を描くなかで高らかに「宣言」を発表したのは今年4月。背景には「いままでの銀行という枠組みにとらわれていては、お客のニーズに応えきれない」(東和浩社長)との危機感があった。

都内にあるりそな銀行の支店を訪れると、エントランスに貼られたポスターにははっきり「オムニバンク宣言」の文字があった

 11月28日号の特集でも触れた通り、ネット時代の消費者は実店舗、ウェブサイト、スマートフォンのアプリなどあらゆる販路をふらふらと行き来し、気まぐれで商品を買う。

 ところが、銀行はこれまで支店窓口に重点を置き、支店窓口を訪れない消費者へのリーチは手薄になっていた。りそな銀行でオムニチャネル戦略を統括する中尾安志常務執行役員は「りそなには稼働口座が1300万件あるのに、窓口まで来てもらえているのは100万件ほど」と明かす。スマホ決済の普及などで現金の使用が減れば、消費者の足はさらに支店から遠のく。預貯金以外にも、銀行は住宅ローンや保険など様々な金融商品を取り扱っているのに、窓口だけ充実させても、お客には商品の存在すら知ってもらえない。

 大企業向けの融資を主力事業に据える他行ならまだしも、りそなは「リテール(個人・中小企業向け)でナンバーワン」を目標に掲げている銀行だ。実際、りそなの預金額は約6割が個人によるもので、メガバンク3グループ平均の4割を大きく上回る。消費者にとっての利便性をいかに向上させるかがオムニチャネル戦略の目的と考えれば、りそなが、金融機関のなかでもいち早くオムニチャネル推進にかじを切ったのは必然といえた。

まずはチャネル拡充に着手

 どうすれば銀行流のオムニチャネルを実現できるのか。まず着手したのは、支店窓口以外のチャネルの拡充だ。

 一例がウェブサイト上で2015年11月に提供を始めたチャット機能。消費者が住宅ローンやカードローンの申し込み画面をしばらく見続けていると、サポートが必要な顧客であることをシステムが自動判断。「申し込みを手伝います」というメッセージとともに、有人オペレーターが応対するチャット画面を立ち上げられる。近所に支店がない場合や、天候が悪くて出かけるのが億劫な日にでも、店舗並みの「接客」を受けられる。

 リアルでも、支店窓口以外のチャネルを増やしている。そのひとつが2012年に開設した「セブンデイズプラザ」。年中無休で、夜7時まで営業する。住宅ローンの借り換えや保険の見直しなどの相談に応じるのが主要業務で、支店というより営業拠点との位置づけだ。どんなにウェブサイトやスマホアプリの使い勝手を向上させても、高額な金融商品は行員の説明を受けてから契約したいと考える消費者も多い。セブンデイズプラザの開設数は2015年度末で11カ所。りそなは年度内をめどに15カ所まで増やす方針だ。

 もちろん、チャネルを増やしただけでは「本当のオムニチャネル」といえない。便利なチャネルが揃っているのは、オムニチャネルの最低条件にすぎない。重要なのは、お客が利用するのがどんなチャネルであるかに関わらず、そのお客の情報を一元管理し、好みにあわせた情報を提供することだ。たとえば「口座を開設したばかりのお客は金融商品への関心が高い」といった傾向は見えているといい、今後はどんなチャネルを使っていても「個客」に焦点をあわせた商品・サービスを自動提案できるシステムの整備を進める。

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「オムニチャネル、他人事と思うなかれ」の著者

藤村 広平

藤村 広平(ふじむら・こうへい)

日経ビジネス記者

早稲田大学国際教養学部卒業、日本経済新聞社に入社。整理部勤務、総合商社インド拠点でのインターン研修などを経て、企業報道部で自動車業界を担当。2016年春から日経ビジネス編集部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中谷 巌 「不識塾」塾長、一橋大学名誉教授