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本籍地変える「裏技」まで使って父が隠したこと

お通夜の席から始まった相続争いは意外な着地点に

2018年3月12日(月)

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 こんにちは。私は相続を生業としている弁護士や税理士等の専門家で組織された協会、相続終活専門士協会の代表理事を務める江幡吉昭と申します。本連載では、我々が幾多の相続案件の中で経験した事例をご紹介したいと思っています。

 伝えたいことはただ一つ。どんな仲が良い「家族」でも相続争いに巻き込まれると「争族(あらそうぞく)」になってしまうということです。そこに財産の多寡は関係なく、揉めるものは揉めるのです。そうならないために何が必要なのでしょうか?具体的な事例を基に、考えてみたいと思います。

 今回でこの連載も10回目を迎えることができました。毎回、多くのコメントが寄せられることを、誠に感謝しております。

 コメントの中には著者の私に対して、「争う族にならないように○○すべきではなかったのか?」というご指摘をいただくことがあります。我々がこのコラムに出てくる方たちに「当初」から関わっていたら、ご指摘の通り効果的な対策も打てたかもしれません。しかし、すべて終わった後にお目にかかることも多く、相談に来られたタイミングによっては対応が難しいこともあります。

 それでも本コラムを通じて、「このようなトラブルが現場で起きている」ことを皆さんに広く知っていただくことが「争族」を防ぐ第一歩になるのではないかと考えています。そういった期待を込めてこの連載を続けていくことに、ご理解いただければと存じます。

 さて、今回は、亡くなった父親に隠し子がいたケースです。

ワケあり不動産業を営んでいた父親が亡くなると、お通夜の席から相続争いが始まった。火を付けたのは粗暴な次男。最終的に長女や次女が妥協する形で「争族」は決着したが、父親の隠し子が発覚して家族は再び揺れることになった。
●登場人物(年齢は相続発生時、被相続人とは亡くなった人)
被相続人父74歳(東京在住)※母はすでに死亡
相続人長女56歳(神奈川在住、大学教員)
次女54歳(東京在住、専業主婦)
長男49歳(東京在住、双極性障害=そううつ病)
次男48歳(東京在住、ほぼ無職)
隠し子40歳(関東在住、女性、会社員)
●遺産
死亡保険金2000万円(受取人は長男)、自宅と現預金6000万円(長男が相続)、不動産管理会社の自社株(次男が相続)

 今回のケースは不動産業を営んでいた父親をめぐる「争族」の話です。

 通常、相続を巡って家族が揉めるのは、死亡直後ではありません。多くは四十九日前後ではないでしょうか。相続発生後、葬儀や社会保険の手続きなどで忙しくばたばたしますが、四十九日前後になると、一連の手続きが終わって一息付けるようになります。

 そこで遺された家族が「そろそろ銀行口座や不動産名義の変更をしよう」となり、そのタイミングで遺産分割協議書をまとめることになります。すると普段は家族にも見せてこなかった「エゴ」が丸出しとなり、取り分を巡る争いが起きてしまうのです。

 今回のケースはかなり早く、お通夜の日から「争族」が始まりました。お通夜は本来、故人の冥福を祈り、別れを惜しむ意味も込めて、遺族は夜通しお線香を上げ続けるものです。ところがこの家族の場合、お線香の香りをかき消すように、次男がいきなり、荒々しい声を張り上げたのです。

コメント6件コメント/レビュー

争わない相続であれば、事務手続きだけで済むので、それほど心配する必要はなく、煩雑な手続きと税金の処理に専念できると思う。しかし、悪い表現をすると、相続で揉めるような「争族」になって、一番儲かるのは、相続に関わる専門家である。専門家は、依頼者の利益を一番に考える事が自分の利益に直結するので、わざわざ「争族」に発展させる事も厭わないと思う。筆者も当てはまるというわけではないが、第三者である専門家に相談すると、自分の利益を考えるのが一般的であると思われるからである。
今回の事例は、隠し子を取り上げているが、今後は、離婚した前妻(夫)との子供に相続権がある事を知らずに、後で困る事例が増えると思われる。昔は、財産のある家では、離婚する人も少なかったが、今はそうでもないと考えるので、生きている間に手を打っておくべきである。ただ、生きている内にできる事は限られているので「争族」はなくならないと思われる。古き良き時代の「家」制度は、崩壊しつつあるので、被相続人は、なるべく財産を残さないか、今回の事例のように、相続人が自立して、相続財産がいくらあっても相続放棄するぐらいの覚悟をもつ事が究極の相続対策ではないかと思ってしまう。(2018/03/12 21:19)

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「本籍地変える「裏技」まで使って父が隠したこと」の著者

江幡 吉昭

江幡 吉昭(えばた・よしあき)

相続終活専門士協会代表理事

相続・終活の専門家。住友生命保険を経て、英スタンダードチャータード銀行で最年少シニアマネージャーとして活躍。2009年、富裕層の資産運用・税務・財務管理を行う「アレース・ファミリーオフィス」を設立

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

争わない相続であれば、事務手続きだけで済むので、それほど心配する必要はなく、煩雑な手続きと税金の処理に専念できると思う。しかし、悪い表現をすると、相続で揉めるような「争族」になって、一番儲かるのは、相続に関わる専門家である。専門家は、依頼者の利益を一番に考える事が自分の利益に直結するので、わざわざ「争族」に発展させる事も厭わないと思う。筆者も当てはまるというわけではないが、第三者である専門家に相談すると、自分の利益を考えるのが一般的であると思われるからである。
今回の事例は、隠し子を取り上げているが、今後は、離婚した前妻(夫)との子供に相続権がある事を知らずに、後で困る事例が増えると思われる。昔は、財産のある家では、離婚する人も少なかったが、今はそうでもないと考えるので、生きている間に手を打っておくべきである。ただ、生きている内にできる事は限られているので「争族」はなくならないと思われる。古き良き時代の「家」制度は、崩壊しつつあるので、被相続人は、なるべく財産を残さないか、今回の事例のように、相続人が自立して、相続財産がいくらあっても相続放棄するぐらいの覚悟をもつ事が究極の相続対策ではないかと思ってしまう。(2018/03/12 21:19)

長男が受取人の死亡保険金もなぜ2000万なのかという理由も、「5人目の相続人の存在を家族に知られたくない」という父親の考えだったんでしょうね。長男の2000万とは別に、長女と次女を受取人とする生命保険を契約すると、生前に「父さん、それだと控除枠をはみ出しますけど…」と二人から聞かれる可能性があったわけです。(2018/03/12 13:36)

一般に相続用に戸籍を揃えるのには手間がかかります。婚姻や転籍、市町村の合併を踏まえ管轄する市町村の窓口を丹念に追っていかなければなりません。
私自身、父親の相続の際には行政書士にすべてを任せました。ネットでいくつもの広告が出ており、委任状と基本料金3万円程度プラス実費で手に入ります。
そこで要領が分かったので、母親の際にはすべて自分で取りました。今は各市町村ともHPで申請手続を説明していますので便利です。この時のコツは、実際に戸籍謄本は改編などで1通とは限りませんので、余裕を見て交付手数料を添えておく=郵便局に行けばちょうど1通分の手数料の定額小為替がありますので、それを数枚と、返信用郵便切手も多めに入れておけば万全。後は市町村が該当の謄本を全部探し出して余分の手数料は返却してくれます
戸籍謄本を取る際に附票が必要になることがあります。一般に住所の履歴は住民票で確認しますが、転居前の住民票は数年で抹消されてしまいます。しかし、戸籍には附票があってそれにはすべての記録が残っています。不動産を相続し移転登記をする際に、父親の死亡時の住所が登記簿と異なっていたためにこれを求められました。
以上のような苦労をして集めた戸籍謄本は、今度は私が死んだときにすぐに確認できるようファイルにして財産目録、不動産の購入契約書+権利書とともに子供に引き継ぐ準備をしています。(2018/03/12 10:27)

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