その症状、認知症ではなくうつ病かも

誤診がもたらす人生の悲劇

 私が監督を務めた新作映画「私は絶対許さない」が好評で、公開の延長や各地での公開が決まってうれしい限りだが、私の本業は実は高齢者を専門とする精神科医である(勉強法についても執筆しているので受験産業と思っている人もいるかもしれない)。

 保険診療で毎週60人くらいの高齢者の診断と治療に当たっているし、山王メディカルセンターでは保険外(自費診療)で比較的裕福な方の時間をかけた診療やその家族の相談(保険診療では原則、医者は患者本人の治療はできても、家族の相談はできない)を受けている。

 周りの人間はそれを知っていることもあって、身内の高齢者が困った状態になった際に相談を受けることが多い。

85歳を過ぎると認知症や要介護の相談が増える(写真:ユニフォトプレス)

 相談の内容からしても、やはり認知症や要介護が圧倒的に増えるのは85歳を過ぎてからだ(ということで私の周囲では親の介護が必要になったという学生時代の同期生が急に増えている)。その前であっても、定年後、親が何もしないとか、怒りっぽくなったとか、運転免許を返納しようとしないとか、「早くお迎えが来てほしい」というようなことをしょっちゅう言うので「うつ」ではないのかという相談など、高齢者が抱える問題は多岐にわたる。

 それで頭を悩ませることが自分の仕事や家族関係に差し支えることは珍しくないだろう。そこで、今回は困った高齢者にどう対応するかについて私の経験と知識から語れることをお伝えしたい。

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著者プロフィール

和田 秀樹

和田 秀樹

精神科医

精神科医。『和田秀樹こころと体のクリニック』院長。国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)。一橋大学経済学部非常勤講師。川崎幸病院精神科顧問。老年精神医学、精神分析学(自己心理学)などが専門。

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