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国防のカギを握る少子化対策、独身税は逆効果?

子供を増やすには貧困対策から、過度のダイエットにも警鐘を

2017年9月14日(木)

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独身税の導入は少子化対策になるか?

 私は、実は、消費が最大の国防だと思っている。

 日本人は条約でアメリカが守ってくれていると思っているが、アメリカは恐らく国益で、守る国とそうでない国を決めている。実際、条約どころか国交もない台湾については、中国による選挙の干渉があった際に、海軍を動かしたことがある。ソ連がアフガニスタンに侵攻した際に、アメリカはソ連に小麦を禁輸したが、国内の農業団体の圧力で強硬派のはずのレーガンは政権発足後、早々に解禁した。

 日本が大量にアメリカからものを買う限りは、アメリカは条約などなくても日本を守るだろうし、逆に中国のほうが大事な市場ということになれば、何らかの形で中国が日本に軍事行動をとっても、中国との戦争をアメリカが避ける、あるいは議会がその予算をつけないという公算は小さくない。

 そういう意味でも中国の購買力が脅威なのだ。

 ということで、日本の人口が減ることを放置してはまずいと思うようになったのだが、そんな折にある自治体で、財務省の主計官が「独身税の議論はあるが、進んでいない」と述べたことがニュースになり、ネット上では相当話題になっていることを知った。

 記事を読むと、一般主婦と財務省主計官との意見交換会において、結婚して子育てをすると生活レベルが下がるので、独身者にも負担を求められないかと主婦が発言したことに回答したという文脈になっている。要するに、金のかかる既婚者と金のかからない独身者の生活水準の平準化を求めたものだ。

 ただ、独身税を主張する人の中には、これを課すことによって、結婚を促す効果を期待する人は少なくない。それが少子化対策につながると主張する人もいる。

 統計数字を見る限り、独身者の増加が少子化の原因という考え方は妥当なものである。

 本年度6月2日に発表された人口動態統計によると、合計特殊出生率は1.44、年間の出生者数は統計を取り始めてから初めて100万人を切った。

 出生率は2005年には1.26だったので多少は回復しているが、まだまだ少ない。団塊ジュニアが子供を産めない年齢にどんどん入っていくことを考えると、少子化はさらに進んでいくことだろう。

 出生率のほかに国立社会保障人口問題研究所というところが出している統計数字に、完結出生児数というものがある。これは結婚が15~19年続いている夫婦が平均で産んでいる子どもの数である。それによると、出生率が大幅に低下している1972年から2002年の間でも、おおむね2.2人で安定的に推移していた。要するに結婚がちゃんと続いている夫婦は平均で2人以上産んでいるということだ。それが2010年の調査で初めて2人を下回り、最新の2015年調査では1.94人となっている。

 もちろん、これも由々しき問題だが、全体の出生率ほどは低下していない。同じく2015年現在の生涯未婚率は男性で23.4%、女性で14.1%である。1970年には男性1.7%、女性3.3%なのだから激増ぶりが分かる。これらの統計を見る限り、やはり独身者の増加が少子化の最大の要因と言っても過言ではないだろう。

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「国防のカギを握る少子化対策、独身税は逆効果?」の著者

和田 秀樹

和田 秀樹(わだ・ひでき)

精神科医

精神科医。『和田秀樹こころと体のクリニック』院長。国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)。一橋大学経済学部非常勤講師。川崎幸病院精神科顧問。老年精神医学、精神分析学(自己心理学)などが専門。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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